朝鮮半島、ガスパイプライン敷設構想
ー注目集まる6カ国協議後の動きー
核放棄の見返りは、ロシア産天然ガスの供給が有効


 【韓国政府】
「サハリン〜朝鮮半島」縦断パイプライン提示」
核放棄条件に、北朝鮮に「ガス」供給も

≪2003〜05年当時≫

 (※本欄は2003年から05年当時における「6ヵ国協議」の進展状況。2007年
  時点における新たなる「枠組み」合意時点の動向ではない。)


 北朝鮮の核開発問題に絡んで、韓国政府は、サハリンのガス田からロシア極東、中国東北地方を経由、北朝鮮を通過して、韓国へ抜ける国際パイプラインを民間主導で建設し、「北朝鮮が核開発を放棄する見返りに、天然ガスを供給する」という、方策を米国に提案していたことを、韓国政府筋が(2003年1月17日)明らかにした。

 同案は、
 @北朝鮮が核開発を完全に放棄し、将来の核開発に対する監視を受け入れる

 A米国は日韓中露と協力して民間主導のパイプライン建設を支援する

 B「米朝枠組み合意」(94年)に基づいて軽水炉建設は中止し、北朝鮮国内のパイプ゚ライン沿いに複数の小型ガス火力発電所を建設する

 Cパイプライン完成後、北朝鮮は自国領土の通過料を受け取る

 −−などというもの。

 (詳細については不明。その後、韓国政府は報道を強く否定している。)


 【北朝鮮】 軽水炉でなく、火力発電でもかまわない

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)・朝鮮アジア太平洋平和委員会の李ジョンヒョク副委員長は、「軽水炉の建設が困難な場合、火力発電所の建設に代替しても構わない」と述べたと、南北学術討論会出席のため訪朝し、8月23日戻ってきた新千年民主党(民主党)の金成鎬議員が8月24日明らかにした。
 李副委員長は「米国が核開発の可能性を疑い、軽水炉を建設してくれないことをよく承知している」とし、「われわれは軽水炉の代わりにイルクーツクガス田のガスを利用、向こう3〜4年で火力発電所を建設し、エネルギーを補填してくれれば構わない」と述べたと、金議員は伝えた。ーー(韓国「朝鮮日報」HP、2003年8月24日付)


  【米下院議員】 サハリン天然ガス北朝鮮供給を推進
 
 
ロシア・サハリンの天然ガスを韓半島に連結する事業である「コーラス」(KoRus)プロジェクトを北朝鮮に提案した米共和党のカット・ウェルダン下院議員が、議会代表団とともに10月末に北朝鮮を再訪する予定であり、今後の北朝鮮核問題解決に影響を及ぼすかどうかが注目される。米下院軍事委員会副委員長のウェルドン議員は9月26日、ワシントンで開かれた韓米同盟50周年記念セミナーで、「10月末に3泊4日の日程で訪朝し、5月の訪朝の際に提案した『ロシア天然ガスを利用した北朝鮮電力難解消案』を含む2段階核問題解決案を集中的に協議する予定だ」と話したとセミナー出席者が9月28日伝えた。これと関連して、北朝鮮と米国が非公式チャンネルを通じて核問題解決案の一つとして、天然ガス供給問題を論議しているという観測が提起されている。しかし米政府は、政府と無関係であるとしている。ウェルドン議員は訪朝期間中に金正日・総書記と会い、続いてソウルを訪問し、盧武鉉・大統領とも会う予定。ウェルドン議員は5月30日から3日間、同僚議員5人とともに北朝鮮を訪問し、北朝鮮外務省の姜錫柱・第1外務次官らに会い、北朝鮮の核放棄および査察受け入れの対価として、米国は不可侵条約を締結して、30億〜50ドルの対北朝鮮経済支援をするという内容の北朝鮮核解決案を提示した。ウェルドン議員は北朝鮮を発った翌日の6月2日に大統領府を訪れ、盧大統領と会った席で、「ロシアの天然ガス開発問題に対して、北朝鮮は肯定的な反応を示した」と伝えた。ーー(韓国「東亜日報」、2003年9月29日)

 「コーラス」プロジェクト:米精油会社のエクソン・モービルが開発権をもつサハリンのガス田からロシア区間(1,500km)と北朝鮮(600km)を経て、韓国(200km)につながる総延長2,300kmのパイプライン建設事業。4年間で5億〜40億ドルが投入されるものと推算される。韓国がすでに推進中のロシアのイルクーツクガスプロジェクトに比べて、経済性が落ちるとされているが、エクソン・モービルがブッシュ政権内の人物を通じて、活発にロビー活動をしているという。

 【米下院議員団が訪朝、ホワイトハウスの反対で中止】

 
北朝鮮の国営朝鮮中央通信は10月26日、米下院軍事委員会副委員長のカット・ウェルダン議員(共和)が下院議員代表団を率いて10月28日から31日まで訪朝を予定していたが、ホワイトハウスの反対により取り消されたことを明らかにした。同通信はこの日発表した「報道」で「われわれの当該機関ではそれ(訪朝)に同意し、特に代表団の希望どおり寧辺の核施設参観を通じ、再処理完了とその過程で得たプルトニウムの用途変更状況を現地で見せる方向で日程を準備してきた」と指摘した。ーー(「日本経済新聞」、2003年10月27日)



 韓中ロ、イルクーツクガス田の開発に合意 

 韓国と中国、ロシア3国がロシアの「イルクーツクガス」田の共同開発事業に合意・署名すると、モスクワのある消息筋が明らかにした(2003年11月6日)。この消息筋はシベリア天然ガスの国内輸入に向け、2001年から進めてきた「韓中ロ」3国の共同調査を、2003年10月に完了し、11月14日にはモスクワで韓国ガス公社とロシア石油社(RP)、中国国営石油会社(CNPC)代表が直接共同開発に署名すると伝えた。韓中ロ3国は妥当性調査の資料を踏まえ、今後の開発日程とガス供給および輸入価格などをめぐる詰めの実務交渉を行い、協定の最終文案に合意する予定だと、同消息筋は付け加えている。ーー(韓国「朝鮮日報」、2003年11月7日付)

 シベリア天然ガス「北朝鮮通さず韓国へ 

 韓国紙「中央日報」は11月8日付で、中国経由でロシアの東シベリアと韓国を結ぶ天然ガスパイプラインの建設計画に関して、「中ロ韓」3カ国が北朝鮮を経由しないルートにすることで合意したと報じた。韓国政府関係者らの話として伝えた。パイプラインは東シベリアのイルクーツクから大連(中国)を通り、黄海を経て韓国の平沢に達するという。11月14日に3カ国の石油公社などがモスクワで共同開発事業の署名式を開くとしている。同紙は北朝鮮を回避する理由について、南北軍事境界線の通過など安全保障上の懸念を指摘。正式に決まれば、次回の6カ国協議など核問題の行方に影響を与える可能性もあると伝えた。
ーー(「日本経済新聞」、2003年11月8月)

 ロシア天然ガス、西海路線が確定…韓中ロの企業が署名 【最新】

 韓国・中国・ロシア3カ国のコンソーシアムは2003年11月14日午後、モスクワで3年間にわたった事業妥当性調査の結果を公式発表し、報告書に共同署名した。 妥当性調査の結果、パイプラインを北朝鮮に連結する場合、西海路線に比べて45%ほど建設費が高くなることが分かった。 コンソーシアムが採択した西海海底路線は、イルクーツク−瀋陽−大連−西海−平沢(ピョンテック)とつながり、総延長は4,238kmとアジアで最も長い。全体事業費は176億ドル(約2兆円)と、当初の予想(120億ドル)を大きく上回る。 3カ国のコンソーシアムは来年末までにガス購買交渉を終え、各国政府の承認を得た後、2005年から本格的な開発事業に取り組む予定だ。ーー(韓国「中央日報」、2003年11月14月)

 
イルクーツク・ガス田事業、白紙化の危機
 
ロシア・シベリアのコビクタ・ガス田からパイプラインガス(PNG)を、中国を経て韓国まで連結する「イルクーツク・ガス田開発事業」が白紙化する危機に瀕している。ロシア政府が、バイカル湖の南端・アンガルスク〜中国大慶〜西海〜平沢につながるガス・パイプラインのルートを変更する案を検討中であることが5月18日、確認されたため。5月14日、ロシア国営ガス公社(ガスプロム)が主催したシベリア・エネルギー開発会議で、今後建設されるシベリアのすべてのガス管と送油管を「ハバロフスク〜極東ナホトカ」路線に一本化することを決めた。ガスプロムは、政府の代わりにロシア内のすべてのエネルギー開発事業調整権限を握っており、今回の決定は事実上、クレムリンの意思として受け止められている。
 ○詳しくは、「
イルクーツク・ガス田事業、白紙化の危機 」、韓国「東亜報」HP、2004年5月19日を参照

 
英系・アミネックス、北朝鮮で石油開発ー20年契約で合意》 

 
英国とアイルランドの石油企業、「アミネックス」は、北朝鮮での石油開発で20年間にわたる長期契約を結ぶことで合意した。「アミネックス」が技術指導するほか、北朝鮮全土での石油探査、掘削の許可を与えられ、油田を発見すると生産を独占権できる。同社では特に、中国との国境付近を有望視している。ーー(2004年9月)



 
《ロシアの天然ガス、北朝鮮への供給で協議か》

 タス通信によると、ロシア下院のエネルギー・運輸・通信委員会のヤゼフ委員長は6月14日、ロシア・サハリン州から極東地方を経由し北朝鮮へ天然ガスを供給する構想について、近いうちに関係者が協議するとの認識を示した。米国のエネルギー省関係者らとの協議を終えて帰国後、同通信に答えた。北朝鮮への供給構想をだれが提案しているのかは明らかにしていない。委員長によると、天然ガスはサハリンからハバロフスクとウラジオストクを経由し北朝鮮へ供給する。北朝鮮までの輸送手段については言及していない。ーー(モスクワ2004年6月15日共同)

 
ロ大統領、北朝鮮への天然ガス支援示唆・核放棄見返り

 韓国・釜山でのAPECに参加したロシアのプーチン大統領は核放棄の見返りとして北朝鮮に、6ヵ国協議の枠内で天然ガスを供給する用意があることを示唆した(2005年11月19日)。釜山のホテルで盧武鉉大統領と会談後、共同記者会見で明らかにした。北朝鮮に早期の核放棄を促すためロシア独自のエネルギー支援の可能性に言及したものとみられる。 ーー(2005年11月19日)

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