近年のシベリア鉄道の動き
-中国・モンゴル経由が始動-
欧州行き中国物資の輸送には最適

-

  
                      (地図出所:(財)環日本海経済研究所、ERINA)


 ≪シベリア横断鉄道の利用状況≫

 2002年度のTSR(シベリア横断鉄道)の利用状況

 2002年度のTSR(シベリア横断鉄道)を利用した国際コンテナ輸送は前年比49%増の約133,804TEUほどである。そのうち、トランジットが52,088TEU(西航が31,148TEU/東航が20,940TEU)、バイラテラルが57,032TEU(西航が46,626TEU/東航が10,406TEU)、その他に、空コンテナが24,654TEU−−などとなっている。貨物の発着国別データは2001年については、韓国が77%、中国が12%、日本が11%となっている。2002年度については、中国と日本の比率が逆転しているものとみられる。

 
2004年度のTSR(シベリア横断鉄道)の利用状況

 2004年度におけるTSR(シベリア横断鉄道)を利用した国際トランジット・コンテナ輸送はこれまでの最高記録を上回る15万5,400個(20フィートコンテナ換算)に達した。

 ロシア運輸省 TSRのトランジット貨物 2007年の料金改定から除外

 ロシアからの報道によると、ロシア運輸省はシベリアランドブリッジ輸送(TSR)のトランジットコンテナ料金を2007年は改定しない考えを示した。ロシア極東のボストチヌイ港からフィンランドまでの料金タリフは実入りコンテナで30%、空コンテナで7倍に値上げすることになっている。一方、韓国からの報道によると、ロシア鉄道省はTSR利用貨物のうち、韓国/ロシア間の貨物料金について、輸出で13%、輸入で30%引き下げる。韓国荷主協議会などの代表団がこのほどモスクワを訪問した際、ロシア鉄道省が約束したもので、2007年2月にも料金引き下げを確定する見通しという。2006年TSRの料金が値上げされたことで、韓国からの輸出貨物は1-10月実績で2万8,000 TEUと前年同期の6万TEUに比べ急減している
              
(「三栄海運」鰍gP、CYBER SHIPPIN GUIDE より抜粋、2007年3月)


 【解説】「最近のシベリア鉄道の動き

 今回の「イラク戦争」の勃発によって、日本と欧州間を結ぶ「シベリア・ランドブリッジ」にも多少の荷動きがあったようだ。SLBを使って自動車部品をドイツの工場まで試験運行したところ、「到着までの日数が37日かかった」という。現在、スエズ運河経由による日本〜欧州間の「40フィート・コンテナ」一個当たり輸送料金は「2,200〜2,400ドル」に対して、SLBは「4,000ドル」程度といわれる。この料金は喜望峰経由よりも割高である。しかし「フィンランド向け」ならば、輸送期間や価格でSLBでも十分太刀打ちできるとの見解もある。 (2003年4月 記)

 高速鉄道技術などの協力で一致・日ロIT戦略会議
 「第3回日ロIT・ビジネス戦略会議」(日本経済新聞社主催、ロシア政府協力)は7月14日、モスクワに会場を移し、交通インフラ整備をテーマに討議した。会議では、新幹線を含む高速鉄道技術などで日本とロシアが協力することで一致。両国間の人的交流を今後3年間で3倍にする目標を設定、空港の整備や航空路線を拡充することでも合意した。ロシアのミシャーリン運輸次官は会議の総括記者会見で、シベリア鉄道の貨物量を拡大するには輸送スピードを2.5倍に高める必要があると表明。そのために「日本の高速鉄道技術を活用したい」と述べた。同次官は会見後、この分野での日ロ協力を検討する実務者機関を設ける考えを示唆した。会議では、国営鉄道会社「ロシア鉄道」のガパノビッチ副社長が、東日本旅客鉄道(JR東日本)とはすでに実務レベルで協議したことを明らかにしたうえで「高速鉄道整備には外国企業の協力が不可欠」と指摘。11月にイタリアで開催する日独仏などの鉄道事業者による高速鉄道の国際会議に初めて参加する考えを明らかにした。ーー(「日本経済新聞」、2005年7月14日)

 中国ーモンゴルーロシア経由ドイツ行き列車運行
 中国の内モンゴル自治区・フフホト市からモンゴル、ロシア、ベラルーシ、ポーランド、ドイツの6ヵ国を経由して、ドイツのフランクフルト(総延長9,814km、走行日数18日間)までを結ぶ貨物輸送列車が、この度初めて運行された。この貨物列車は100両編成で、中国製の家電製品、紡績品などを積載。年間輸送量は5万トンに達する見込み。ーー(2005年3月)

 トヨタ、ロシアでノックダウン方式で現地生産へ
 トヨタ自動車は日系自動車メーカーとして初めて、ロシアで現地生産に乗り出す。進出先はフィンランドとの国境に近いサンクトペテルブルク市郊外のシュシャラフ。主要部品を日本や欧州(右記の地図参照)などから輸出して組み立てるノックダウン(KD)方式で生産する。2007年12月から主力セダン「カムリ」を生産する予定。当面は年間5万台を生産する。2004年度におけるトヨタのロシア現地での販売台数は4万7,000台(前年比75%増)であった。ーー(2005年4月)

 トヨタ、ロシア工場向けにシベリア鉄道で部品輸送
 トヨタ自動車は2007年末に稼動するロシア工場(サンクトペテルブルク市)への、日本からの部品輸送でシベリア鉄道を利用する。海上輸送に比べ二酸化炭素(CO2)の排出量が削減できることから進める。同時に、グループ会社のロシア進出企業にもシベリア鉄道の利用を促す方針という。ーー(2006年4月)

 ◆近鉄エクスプレス、シベリア鉄道で家電など輸送

 国際物流大手の近鉄エクスプレスはシベリア鉄道を使った日本―ロシア西部間の貨物輸送事業を9月にも始める。家電製品や自動車部品を従来の海上輸送より約4割短い25日程度の日数で運ぶ。シベリア鉄道を利用した貨物輸送は三井物産も参入する方針。日本の自動車メーカーや家電メーカーのロシア進出を受け、物流事業の獲得競争も激しくなってきた。同鉄道を運営するロシア鉄道の貨物子会社、トランスコンテナと7月26日に調印し、近鉄エクスプレスが日本代理店となることを決める。神戸港など国内3港からロシア極東のウラジオストクまでコンテナ船で運び、コンテナを鉄道に積み替えてモスクワなど同国西部に運ぶ。
ーー(「日本経済新聞」、2005年7月23日)

 ◆近鉄エクスプレス、韓国・釜山経由で日露輸送

 近鉄エクスプレス(KWE)は韓国・釜山港を経由し、「日本〜ロシア・モスクワ」間の貨物輸送サービスを2007年10月初旬にも始める。ロシア極東のポストーチヌイ港からロシア鉄道の貨物列車を利用する。日本企業に先駆けて、同じルートの鉄道サービスを使っている韓国企業向けの専用列車に相乗りする形で輸送枠を確保。2007年末にも日本企業向け専用列車に見立てた試験輸送を行う予定。

 
【記】 近鉄エクスプレスは2007年7月にロシア鉄道子会社のトランスコンテナとコンテナ輸送販売代理店契約を締結。トランスコンテナや同社の韓国代理店であるユニコ・ロジスティクスと提携して、韓国企業の専用列車を活用する。計画では2007年10月初旬から、横浜・名古屋・神戸の3港から釜山港を経由して、ボストーチヌイ港までコンテナを運び、シベリア鉄道を使ってモスクワまで輸送する。釜山港での積み替え時間を含めても欧州経由の海上輸送より約半分の日数で済み、料金も通関手続き料やトラック運賃を含めると大差はないという。将来は、日本からボストーチヌイ港までコンテナを直接輸送し、日本企業向け専用列車の運行につなげる。




Home

-
   



(C) International Highway Construction Corp.,
Committee for Promotion of International Highway Project   Northeast Asian Development Forum