韓国高速鉄道(KTX)の運行状況
仏・TGV方式、初のアジア商業(試験)線
「新幹線」方式比較優位明示、絶好の機会
ートンネル区間が全体の46%、連続走行の耐久性が焦点ー

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 足掛け12年にも及ぶ長い軌道敷設・試験運行期間の後、韓国版高速鉄道「KTX」の本格営業がいよいよ2004年4月から始まった。先ずは「開業おめでとう」と、述べるものとする。ところで、本欄の記載内容はこれまでの流れからして当然、お節介ながら、韓国版高速鉄道「KTX」の今後の運行実績や技術的な問題点等の掌握ならびに紹介となる。また、遠いヨーロッパまで出かけなくとも、隣国で「TGV」の走行状況が垣間見れることはなんとも魅力的である。この韓国版高速鉄道の成功の可否は、@列車運行の頻度(年間輸送力の評価(註1)、A高速鉄道の安全運行(特に、トンネル通過に対する車輌の強度(気密性)ならびに連続走行時における車軸の強度)−−などに集約される。特に、車輌の強度については京釜高速鉄道の場合、第一期区間(ソウル〜大邱)におけるトンネル区間が47ヵ所ほどある。また最終的な第二期区間(ソウル〜釜山)においては総延長の46%ほどがトンネル区間となっている。この問題に関しては、当初から製造元のフランス技術者からは、トンネル通過を避けるルート案が提示されていたが、これを韓国側は退けて、現行のルートを採用している。このトンネル通過に際しての衝撃は今後大きな問題となろう。はたして、現行の「KTX」はこの問題をクリアしているのであろうか

                            ≪2004年4月 記≫

 註1:現状におけるシステムから勘案すると、年間輸送能力は最大でも2,500万〜3,000万人ほどと見るが、一年後の結果を見たい。)



 日本ではなかなか報じられていない、韓国高速鉄道「KTX」の運行状況だが、韓国内でも高速鉄道の安全運行に対する指摘が、挙げられているようだ。特に、バラスト方式による敷石の跳ね返り、冬季の雪害による車輌下部の損傷、架線のスパークによる運行停止ーー等々。また最近のテスト運行では、高速走行中に、エンジンモーターが停止(註1するなどの欠陥が指摘されている。車輌に関しては1992年当時の旧式の「TGV」で、設備も古いようだ(例えば、車内モニターはCRT〔ブラウン管〕方式でLCD方式ではない。またTV機能はあるがイヤホーンはなく、無声映画同様ーーなど)。また座席の向かい合わせも契約上、2年間は手を加えられない。一部では、新線区間は時速235kmで運転するとの報道もある。
 註1:この問題は開業初日から再現した。根本的には車輌自体の欠陥であろうが、今後の対応が気になる=参照:本欄「韓国高速鉄道「KTX」、いよいよ営業開始

     :なお、上記の記載事項は2004年4月の開業以前の試験走行での事柄)



 【韓国・KTX、中間報告】≪2007年度≫

 「KTX」開業から3年、やはり運行状況は厳しい

 韓国・高速鉄道「KTX」が開業して今年で4年目に入る。くしくも開業予定から1年ほど遅れたが2007年1月には台湾の高速鉄道・「台湾高鉄」が「板橋〜高雄」間で営業運転を開始した。「台湾高鉄」は新幹線方式での完全な形での運営方式には至らなかったが、今後、韓・台におけるそれぞれの高速鉄道運営方式の優劣が何かにつれ比較されることになる。ここでは、韓国・高速鉄道「KTX」の現状における運行状況を韓国メディアから紹介する。

◇        ◇        ◇

 開通以来、3年が経過した「KTX」の運行延着状況は、国政監査の結果、開通当時より4倍近く増加しているもようである。

  その他にも、

 ●軌道設備(線路)の状態が悪く、 速度制限を受けている。そのため、時速300km/h走行をできる区間は多くない。

 ●列車の動力伝達部分の部品を無作為に抜いて検査した結果 、11ヵ所の割れ目が発見された。

 ●乗務をしてみると車輌の搖れが怖いと感じる(現職 KTX 乗務員)。

 −−などの指摘もあるようだ。

 (参照サイト):「[深層取材] KTX 延着の理由」(韓国・KBSニュース)


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 この韓国版高速鉄道「KTX」は文字通り、仏・TGV方式のアジアでの初の営業(試験)線となる。ここで、あえて(試験)線としたのは、なによりも仏・TGV方式による同地域における営業走行が初めてであるためである。平坦な欧州の草原をトンネルもなく、しかも平均駅間距離が200km(パリ〜リヨン間)にも達する動力集中方式の「仏・TGV」のアジア地域での導入には当初から多くの問題点が指摘されてきた。その最たるものが@トンネル通過時における車体の強度であり、A加減速(註1に劣ることからくる運行速度(註2と頻度の限界、その結果もたらされるB年間輸送能力(註3の極度の低下ーーなどである。いずれにしても、「仏・TGV」方式のこれらの諸問題が今後、手にとるように比較参考できることは、わが国の「新幹線」方式の比較優位性を改めて世界に明示することのできるまたとない絶好の機会となろう

(参照):本欄「京釜高速鉄道の「揺れ現象」問題
ー米・高速鉄道「アセラ」との故障関連ー

 註1:仏・TGVの加速度は0.8km/h/s程度。これに対して、新幹線は初期における「0」系でも1.0km/h/s、後継車輌では1.6〜2.0km/h/s、「700」系では2.6km /h/s−−ほどある。)

 (
註2:2004年4月から開業する「ソウル〜大邱」間の表定速度は213km/h。また「大邱」から在来線に乗り継ぎ「釜山」までの全区間の表定速度は154km/hとなる。)

 (
註3:「京釜」・「湖南」両区間における、一日当たりの輸送能力は現行の運行編成から換算すると最大でおよそ11万5,000人ほどとなる。この輸送力は1時間当たり4編成であるが、現行の「TGV」方式ではこれが限界かとみられる。しかし実際には今後、架線や軌道の定期点検や補修作業が昼間の時間帯に加わるため〔=参照:本欄「TGVの双単線方式〕、さらに運行本数は低下する。


 (参照):本欄「TGVと新幹線の軌道設備等の違い

 (参照):本欄「
韓国高速鉄道「KTX」、いよいよ営業開始
      
【Web Info Magazine】First Editon on Korea Train eXpree (KTX) No.1
 
 (参照):本欄「
【特報】 仏アルストム社、「韓国と第三国進出の用意」


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