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▽今日一日ご苦労様でした(4月1日)
●韓国「KTX」、初日から大田駅で給電に異常 【最新】
韓国「KTX」開業初日の4月1日、午前10時20分頃、釜山発ソウル行きの「KTX」の電力装置に異常が発生し、大田駅まで時速160km/hで走行。そのため、大田駅で乗客130名ほどが他の「KTX」に乗り換えた。この異常は、外部電力を電動機用に転換するため、動力車に定着されている6つのモーターブロックのうち3つがストップし(註1)、速度が低下するもので、試験走行時から頻繁に起きていた。
(註1:この結果、冷暖房や放送装置などへ電気を供給する補助電源が正常に作動しなくなった。)
●その他に東大邱駅でも、午前11時35分到着予定の釜山発の「KTX」が機械故障のため定時より8分遅着。そのため乗客120名が新たに投入された列車に乗り換え、20分遅れで出発した。
【韓国・鉄道庁の見解】 これら一連の韓国高速鉄道「KTX」の車輌故障について、鉄道庁は「TGVを20年間にわたって運行してきたフランスでも、2001年6月に開業した「地中海」線の初期定時率は75%に過ぎず、半年後の2002年に90%台の定時率を果たした」と述べている。
【4月1日〜5日午後7時までの運行状況】 この期間、終日128便が運行され定時運行率(10分以内の遅着)は96%であった。このうち、車輌故障が8便、架線等の配電停止が2便で発生した。
【4月1日〜10日までの運行状況】 この期間、終日128便が運行され定時運行率(10分以内の遅着)は97.1%であった。この期間、KTX(京釜・湖南両線)を利用した人数は68万3,722人(平均乗車率は63.3%であった。

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【乗客の初日の感想】(2004年4月1日)
●エコノミークラスの座席が狭く、前の座席に膝がよくぶつかる。また中央の座席が対面になっている(註1)。
●トンネル通過時に、騒音と振動、響き(耳鳴り)現象がひどく感じられた。
●座席の方向を直すことができず、とても疲れた(註2)。
●座席の背もたれが低くて頭を寄せることができない。
●隣の座席と距離がなく気疲れする。
●食堂車もなく、飛行機よりも特段良いという感じはない。
●また、主要駅での「KTX」と在来線を走る「無窮花」などに乗り換えるのに、1時間以上待たなければならないなど不便がある。
(註1:一般乗客の座席は車輌中央のテーブル席を境に座席の向きが反対になっている(註1-1)。したがって中央の座席だけが対面席となる(写真参照::本欄「韓国「KTX」の車内設備風景」))。
(註1-1:この「逆向き座席」方式は製造元の仏・「TGV」ではごく一般に採用されているシステム。一時、日本の新幹線でも見受けられた記憶がある。この「逆向き座席」の弊害は当初から韓国でも話題になっていた。しかし当初の「TGV」製造元の「アルストム」社との契約で2年間は変更できないきまりとなっている。また一部には、座席を回転式などの方式に交換する場合、一車輌当たりの部品重量がかさむため、安全走行面の危険性が指摘されている。)
(註2:開業まもなくして問題点として浮上してきたのが、進行逆方向の座席である。この形式の座席は一般客室座席(808席)のうち半数を占めている。鉄道庁ではこの問題について、逆方向の座席については5%(ソウル〜釜山間で2,250ウォン)の割引を6月1日から適用する方針。当初の「15%」割引より緩和した。それでも1編成800席ほどある一般車輌のうちの半数ほどを5%引きすることは、営業採算上手きびしい。また今後問題になってくるのが、座席指定券を購入できずに乗車した乗客に対する割引率も浮上してくる(註3)。)
(註2-1:また逆向き座席の設置については、今後追加投入される車輌に関しては、回転式座席を採用、2007年頃までに完了する見込み。また既設置車輌については3ヵ月間のアンケート調査や専門家による技術検討の後、改造の可否を決める。早ければ年内に一部の座席を回転式にする。この措置により、1編成当たり112席分の座席が減り、予算として1,190億ウォン〔119億円〕が追加投入される。)
(註2-2:鉄道庁によると、1日から4日までに発生した到着の遅れにより払い戻した人数は1,874人であった。そのうち現金で払い戻した人数は580人、総額560万5,900ウォン。残りの1,294人については割引券で対応した。)
(註3:鉄道庁では、急の乗客用に一般車輌のうち2輌分(17・18号車、約112席)を座席指定なしで対応している。しかし今後、乗客数の増加とともに立ち席の乗客も増えてくる、この人々に対する割引も浮上する。)
(註4:なお、到着時間の遅延料金の払い戻し率については、25分以上が運賃の25%、50分以上が同50%、2時間以上が全額を返済する方針。払い戻しは現金ではなく、以後の高速鉄道利用の際に、「払戻金」に5%の割引をして対応する方針。)
(註5:また列車のトンネル通過時等における騒音対策として、軌道に騒音吸収板などの設置を段階的に取り入れる方針。)
−−などがある。

【初日(4月1日)の乗車率(48.8%)が確定】 《情報》
4月1日、開通当日の「KTX」乗車率が確定した。それによると、同日運行された京釜・湖南両線の運行本数は合計で128便、最大座席数は11万960席。うち、実際に乗車した人数は5万8,404人(乗車率:48.8%)であった。「京釜線」が94便でおよそ55.9%の乗車率。また「湖南線」が34便で同29.1%ほどであった。乗客数は従来より20%ほど増加した。
(註:開業初日の京釜高速鉄道の運行本数は当初の88運行より多い、94運行であった。その要因として、「ソウル〜釜山」間の全線を運行〔註1〕する便よりも、途中の天安・大田・大邱駅等での折り返し運行が多数あったこととみられる。)
(註1:「ソウル〜釜山」間における全線走行便は、高速鉄道「KTX」が27運行、一方特急の「セマウル」が7運行、「無窮花」が7運行となっている。)
【特記】 韓国高速鉄道{KTX」、開業初日の4月1日、列車車内で乗客が死ぬ事故が発生したもよう。
1日午後、ソウル発釜山行き「71」号の15号車で乗客(男性・41歳)が、意識を失い最寄り駅の東大邱駅で下車、病院に運ばれたが死亡した。警察では死亡原因を調査している。
(註:警察の調査結果、この男性は3級の身体障害者で普段から癲癇(てんかん)の病状があったもよう。死因が逆方向の座席にあるのか、トンネル通過に際しての車内の圧力低下による脳脊髄に影響を与えたのではないかーーなど、捜査をしている。)
【高速鉄道の前に、準高速・通勤列車の確保が先決】
いよいよ4月1日から韓国高速鉄道「KTX」が営業開始した。しかし高速鉄道の快速運行とは裏腹に、ソウル近隣の通勤圏から従来の特急、「セマウル」や「無窮花」で都心まで通う人々にとっては通勤地獄が待っているようだ。現在、京釜線と湖南線との在来線を利用している乗客数はおよそ一日平均18万人ほどあるが、在来線の減便で約5万人分ほどの輸送能力が低下するという(註1)。特に、出勤時間帯のソウル行きが予想外に少ないようだ。高速鉄道の先進国入りを焦るあまり、乗客(国民)不在の運行システムがどうやら進行されるようだ。しかしこの先、「ソウル〜釜山」間の全線開通は少なくとも2010年前後まで延長されることになり、その前に乗客のストレス(不満)も頂点に達するであろう。本来、京釜高速鉄道は全線開通までは、既存在来線の副次的な鉄道網としてとらえ、「ソウル〜大邱」間を高速走行区間とし、一旦「大邱」で乗り換えて、在来線区間を増便したほうが望ましいであろう。その上で、航空路の「ソウル〜大邱」間を減便し、「ソウル〜釜山」間は全線開通までは従来通りの運行とし、徐々に減便していくのが最善であろう。一時に、何からなにまで、先進高速鉄道国家になろうとしても、無理がかさむ。日本の新幹線でも初めの一年間ほどは、一時間に一本の運行であった。また時速も210km/hほどである。
(註1:4月1日、開通当初における京釜線の「セマウル」の減便数は従来に63運行から28運行へ、また「無窮花」は69運行が20運行までに減っている(註)。)
(註:この措置に対して鉄道庁は今後、「セマウル」「無窮花」など一般列車の料金を4月12日から平均10%引き下げる。また運行本数に関しても、「京釜」線が8便、「湖南」線が4便、それぞれ長距離路線を中心に増便する。)
● システムに不安をかかえる仏・TGV方式の韓国高速鉄道の運行には、焦りは禁物である。
【今後の注目点】:第二期工事区間完成と全線開業時期
今後の注目点としては、京釜高速鉄道における第二期工事区間の完成と、全線開業時期となる(参照:本欄「京釜高速鉄道完成予定区間図」)。そもそもこの京釜高速鉄道はフランスとの受注契約が決まり、1992年にも工事が始まり、最速では2000年にも「ソウル〜釜山」間の全線が開業する予定であった。その経緯はさておき、今後の全線開業時期が焦点となるのは、不完全なかたちでの京釜高速鉄道の開業により、これまでそれなりに機能していた特急利用の在来線乗客が、今回の措置で忍耐の限界にぶち当たることにより、全線開業時期との闘いになるからである。その一方で、仏教徒たちの強烈な反対運動によって、一時棚上げ状態になっている「第二期」工事区間であるが、「大邱〜釜山」間はどうしても「慶州」経由でなければならないのであろうか。当局としては、「慶州」経由の沿線人口の多さを主張するが直線距離による時間短縮効果も馬鹿にはできない。また強行に工事を再開すればさらに完成時期の延長をきたすであろう。正念場は2010年の全線開業であるが、これまた前途多難といわざるを得ないであろう。
(参照):本欄「京釜高速、新設駅増設で“「減速」化」
【最大輸送量下での運行状況を量る好機】
韓国高速鉄道「KTX」の開業初日における運行状況をみることで、今後における「KTX」の性能や輸送力全般、また在来線との連絡系統などーーある程度の見通しが理解できた。したがって、この調子で2〜3ヵ月、様子見でもしようかと思っていた矢先、今月(4月)の3日から6日までが、韓国の植樹祭・連休にあたり、急遽、最大輸送量下における運行状況を把握できる機会ができた。
この3日間で運行される最大座席数は35万7,792席(1日平均:約12万席)。そのうち、すでに2日の午前中で21万1,917席(62%)の予約が入っている。うち、3日の予約が8万5,262席(71.5%)となり、特に下り(ソウル発釜山行き)は79.9%と高い。また連休最終日の5日は、上り(釜山発ソウル行き)が86.5%とさらに高くなっている。
問題は、このような祝日の連休に果たして、1日の最大輸送量がおよそ12万人(しかし本線の京釜高速鉄道だけに関すれば、一日当たりの最大輸送人数はおよそ8万5,000人ほどにすぎない)ほどで今後、輸送力が確保できるのであろうかということである。日本の新幹線ならばこのようなときでも、当然自由席での立ち乗りは自由であり、それこそ窮屈ではあるが乗車率200%でも300%でも乗り込める。しかし仏・「TGV」の場合、全席指定(17・18号車が自由席)が原則であろう。このあたりからも輸送力の限界が見えてくる。また初日における「KTX」の車輌故障状況から勘案しても、スムーズな運行は期待できない。また、当日急遽、「KTX」を利用しなければならない人々が多数いた場合、乗車できない可能性は十分ある。これまた問題となろう。(はたして如何に
!! 4月2日 記)
【解釈】 この連休は日本におけるものと同様なものを想像していたが意外とこじんまりとしたものだったようだ。本番は日本や中国などアジア諸国に共通する正月(旧正月)や盆(秋夕)の時期のようだ。また現状における韓国高速鉄道、「京釜」・「湖南」両線における最大輸送量は12万/日で、わが国の東海道新幹線沿線のような人口集積地がないものといえる(東海道新幹線の1日の平均輸送量は約36万人、年間約1億3,000万人ほどを輸送している)。原則的にはほぼ完全予約制(2両分だけ自由席がある)であるため、あらかじめ人数の抑制が可能なことも混雑を緩和しているといえる
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●先ずは徒労に終わったようだ !!
(参照):本欄「《特報》 最新の「KTX」、運行状況(2004年4月2日〜)」
(参照):本欄「トンネル通過の気密保持装置に問題」
【韓国高速鉄道・KTXの開業が与えた、対中国高速鉄道受注】
(参照):本欄「中国高速鉄道、2004年度における動向」
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