モンゴル道路基盤改修計画
モンゴル国は、北はロシア、南は中国と接しており、二大国にすっぽり囲まれている。東西の最大距離は2,392km、南北の最大距離は1,259km、国土面積は156万6,500km2ある。総人口240万人の約3分の1にあたる80万人ほどが首都ウランバートル市に住んでいる。東北アジアに位置するが、農耕文化ではなく遊牧文化で中央アジアと文化的な結びつきが強い。
また、70年間共産主義国家として旧ソ連支配下にあったことから、旧ソ連・旧東欧文化の影響を多く受け、東洋と西洋が混在しているともいえる。宗教的には国民のほとんどがチベット仏教を信じており、チベット文化の影響が大きい。こうした背景は、国際 ハイウェイによる文化交流の促進という面から重要な地域と考えることができる。
また、国民一人当たりのGNPが400ドルほどという貧困国であり、経済発展には中国・ロシアなど周辺諸国との経済的結びつきを深めることが必要である。
◆モンゴルの道路状況(地図参照)
地方でのインフラ整備は遅れており、首都ウランバートル市と第二、第三の都市ダルハン市とエルデネト市を除くと舗装道路の整備はほとんど進んでいない。長距離の移動手段は自動車が一般的ではあるが、道路事情が悪く一般乗用車での走行は困難で、ロシア製のジープのような頑丈で車高の高い車が必要になる。
ほとんどの道路は、草原上の同じところを何度も自動車で走ることによって、草が擦り切れることによってできる自然の道路である。広大な草原地帯はどこでも「道」になるが、草原の草を守るために、むやみにいたるところを走るのではなく、既に車が走った後を繰り返し走るのがモンゴルの草原を車で走るマナーの一つでもある。無秩序に草原を車が走れば、草原は荒れ遊牧民が家畜を養うことを困難にしてしまうからだ。
技術的に建設・整備された道路網は全長49,250kmあり、そのうち舗装道路は1,711.7km、砂利道が1,871.1km、土を平らにした道路が1,923.6kmある。全道路網の22%が国家幹線道路(国道)で78%が地方道路(県道)である。
モンゴル道路公団は1995年PIARCに加入し、現在、アジアハイウェイ開発プロジェクトの一部ルートである「A3」として中国国境の町ザミンウードから首都ウランバートル市、そしてロシアと国境を接する町アルタンボラグまでを結ぶ南北縦断幹線道路の建設が進められている。
モンゴルの幹線道路(写真:IHCC)
ウランバートル市から北へ向かってロシア国境付近までは既に舗装されているが、ウランバートル市から中国方面に向けては同市から40kmほど南に下った町ナライハまで舗装が終わった段階である。数年以内にはウランバートル市を中心として、ロシア〜中国を結ぶ南北縦断道路が完成する予定である。 (参照:「モンゴル経済特区」構想)
もう一つのアジアハイウェイ開発プロジェクトのルート「A83」は、モンゴル第二の都市ダルハン市からエルデネト市、さらに西のオラーンゴムへと続き、ロシア国境付近のボルショーまでをつなぐ東西横断幹線道路である。
◆ミレニアム道路
現在、モンゴル政府が将来の国土開発・経済発展の目玉プロジェクトとしているのが「ミレニアム道路」建設計画である。2001年1月に政府は「ミレニアム道路プロジェクト案」を国会に提出、承認され、同月モンゴル最東部のハルハゴル村でエンフバヤル首 相により起工式が行われた。
「ミレニアム道路」プロジェクトはウランバートル市を中心に東西横断幹線道路と南北縦断幹線道路を建設し、都市と地方、近隣諸国とを道路で結ぶもので、その効果として経済、地方開発、観光産業、外交関係の発展が期待されている。また、国際交通網が整備されることで、海のないモンゴルが港へつながる道が開けることも期待されている。
モンゴルの現状は、東西横断道路網がまだ整備されていないため地方での生産、輸送を改善し生活水準を高めるために東西道路の建設は急務とされている。一般的に「ミレニアム道路」(地図参照)という場合、この東西横断幹線道路をさしており、「ミレニアム道路」の東西幹線道路は全長約2,600kmでコンクリートの橋2,000mがある。
東西横断幹線道路の通過地点は以下の通りである(地図参照)。
(参照サイト):「ウランバートル市道路改善計画」(在モンゴル日本国大使館)
≪モンゴルの鉄道基盤改修計画≫
モンゴルでは、総貨物輸送量の96%を鉄道がカバーしており、鉄道は国民の生活基盤を支えるライフラインとしての役割を果たしている。また、モンゴル鉄道は、北部に接するロシアと南部の中国とを結ぶ国際鉄道としての役割ももっている。モンゴルの冬はきびしい環境のため、自動車による移動が困難な地域もあり、鉄道は唯一の輸送手段となっている。モンゴルにおける線路はロシア鉄道の規格(1,600mm)で敷設されており、輸送事業を開始してから50年もの間、本格的な改修工事がなされなかった。そのため、機能低下や老朽化が著しく進行している。また、雪解け時期や雨期になると、線路冠水や路盤の崩壊などがしばしば発生するため、列車の運休を余儀なくされ、社会経済活動に大きな影響を及ぼしていた。
(参照):本欄「モンゴルの鉄道網」(図)
(参照):本欄「北東アジア鉄道網」(図)
このような背景のもと、モンゴル政府の要請により、1996年から97年にかけて、ロシア国境のスフバートルから、首都ウランバートルの約50km南に位置するバヤン駅までの450km区間について、「モンゴル国鉄道基盤改修計画調査」を実施された。調査では合計184カ所が改修必要個所として選定され、モンゴル政府はこのうち101カ所の改修につき、日本政府に無償資金協力を要請した。この結果を踏まえ、最終的に提案された65カ所について、落石対策工事、橋梁改修工事、横断排水工事などの改修工事が実施された。改修工事に加え、施設の保全と維持管理に関する技術支援も行われている。また、モンゴルでは主要都市の電力の原料となる石炭はすべて鉄道によって輸送されているが、線路基盤の改修により、安定したエネルギー資源の輸送が確保されている。さらに国際鉄道としての信頼性が増し、通過貨物輸送の増大に対しても大きな期待が寄せられている。ーー(鉄道部・資料:独立行政法人「国際協力機構」HPより・要約)
(参照サイト):「モンゴルの鉄道線路基盤改修計画」(「JICA」ホームページ)
(参照サイト):「第二次鉄道線路基盤改修計画」の機材」(在モンゴル日本国大使館)
(参照):本欄「モンゴルの今後のインフラ整備」
(参照サイト))
: 「モンゴル政府インフラ省(English)」
: 「在モンゴル日本国大使館」
: 「駐日モンゴル大使館」
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