中国の原料加工産業の動向

−原材料の大量消費国となった中国からの輸入は困難にー
レアメタル、日本独自で世界規模開発迫られる
中国への技術移転は"自らの首"を絞める結果
中国の安値・大量鋼材流入に"手を焼く"各国
【鉄鋼業】 中国政府、自ら外資の門戸閉じる


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 中国、鉄鋼の外資支配認めず・国内再編も加速

 中国政府は7月20日、鉄鋼業界の育成指針となる「鉄鋼産業発展政策」を発表した。日本企業を含む外資による合弁事業の経営支配や新規の工場建設を原則認めず、国内企業の保護を優先する姿勢を鮮明にした。乱立する国内企業の再編を加速させて、2大グループを育成する方針も示した。発展政策では外資の具体的な出資比率制限には触れていないが、出資比率は50%以下に制限される可能性が高い。参入できる外資は年間生産量が普通鋼で1000万トン、または特殊鋼で100万トン以上の規模がある大型企業に限定される。外資は合弁相手となる国内企業の工場を建て替える場合などを除き、新規の工場建設はできないとしている。ーー(「日本経済新聞」、2005年7月20日)


 【中国の原料加工産業の動向

 アルミニウム生産
 国内における電解アルミ生産が急速に拡大したことで、原料となるアルミナ(酸化アルミニウム)の国際的な価格高騰と電力不足も加わって、中国の電解アルミメーカーは厳しい情況に追い込まれている。国家発展・改革委員会(国家発改委)の統計によれば、中国における電解アルミの生産量は546万トン。さらに、総計500万トンの生産能力を有する工場群の建設が計画されている。2002年当初、1トン当たり160ドルだったアルミナの市場価格は現在、450ドルまで高騰している。ーー(2004/1/28)

 
上海宝鋼集団、ブラジルで製鉄所建設へ 
 上海宝鋼集団はブラジルの鉄鉱石世界最大手、「CVRD」(リオデジャネイロ)と合弁で製鉄所を建設する方針を固めた。中国の鉄鋼メーカーが海外に製鉄所を建設するのは初めて。両社は上海市内で、事業化調査の合意書に調印した。調印式には世界最大の鉄鋼メーカー、「アルセロール」(ルクセンブルク)も参加しており、3社による合弁事業への進展もある。粗鋼の年産能力は370万トン、「宝鋼集団」はすでに中国政府の認可を得ている。建設時期や稼働時期は未定。将来的には、安価で大量な鉄鉱石や鉄鋼製品の供給も視野に入れているかのようにもみえる
−−(2004年1月)

 
EU、中国のコークス輸出規制についてWTO提訴を警告
 中国のコークス輸出規制について、欧州連合(EU)は「5月14日までに規制を解除しなければ、世界貿易機関(WTO)に提訴する」と警告した。英紙「フィナンシャル・タイムズ」(電子版)が5月10日伝えた。中国で冶金用コークスの輸出許可証(EL)発給が遅れている問題で、EUは中国政府への発給増加を働きかけていた。
ーー(2004年5月)

 
中国冶金建設集団、パプアニューギニア政府とニッケル・コバルトプロジェクトの覚書調印
 中国冶金建設集団はパプアニューギニア政府とニッケル・コバルトプロジェクトの覚書に調印した。同プロジェクトの株式は、中国冶金建設が85%、パプアニューギニアが15%持つ。同プロジェクトの全投資額は約6億5000万ドルで、中国最大の海外金属鉱産投資プロジェクトとなる。パプアニューギニアのニッケル・コバルト鉱は世界クラスの大型ニッケル鉱で、調査済み埋蔵量は7800万トンを超え、未調査分では2億4800万トンと予測される。金属ニッケルの年間生産量を3万2000トンとして計算すると、同鉱山の採掘期間は40年に達する見込み。計画では、硫化ニッケルコバルトの年間生産量は5万6631トン。このうち、金属ニッケルが3万1147トンで、中国のニッケル輸入量の半分を占める見通し。同プロジェクトにより、中国のニッケル供給不足が緩和される見込み。
ーー(「日刊産業新聞」HP、2005年5月31日付)




 
中国の石炭・コークス関連の動き

 
【最新動向】  中国:コークス輸出を段階的に削減へ

 国家発展改革委員会は、コークス輸出問題における中国の方針として、コークスの輸出総量をただちに制限することを明らかにした。しかし海外からの需要や、コークス市場全体の安定を維持するため、輸出は段階的に削減される見通し。
ーー(2005年6月27日)

 
中国がコークス減産・不足一転、供給過剰に

 世界最大のコークス生産・輸出国である中国がコークスの減産を始めた。中国内のコークス各社が需要を上回る勢いで生産能力を拡大したため価格が下落しており、業界の共倒れを防ぐ狙いだ。コークスは昨年、世界的な供給不足が懸念されたが、状況が一転した。コークスは鉄鋼の主要原料で、石炭を加工して生産する。中国のコークス生産の半分前後を占める山西省の業界団体、「山西コークス行業協会」は6月から1日あたりの生産量をこれまでより2-4割減らす方針を決め、会員企業243社へ通達を出した。3ヵ月間減産を続け、市場の状況をみて延長するかどうかを決める。山西省幹部が明らかにした。河北省など他の産地にも減産が広がっているもようだ。中国の2004年末のコークス年産能力は2億4000万トン。現在、1億2000万トンの増強計画が進んでおり、05年末にも3億6000万トンになるとの予測がある。1‐5月の中国の鉄鋼生産は前年同期比2割強増えたが、コークスの生産拡大の速度はそれを大きく上回る。
ーー(「日本経済新聞」、2005年6月28日)



 
中国の利用可能な石炭量は1,886億トン以上 ≪メモ≫ 
 中国国土資源部が明らかにした、中国における利用可能な石炭量は1,886億トン以上(2002年末)。中国の石炭資源はあと100年間はもつ計算になる。さらに探査済みの石炭埋蔵量は3,317億トンという。また2003年におけるコークス精製量は1億7,800万トンで、世界のコークス貿易の56%を占める
。この石炭埋蔵量からすればあと200年は安定的にコークスを供給できる。しかし最近は、炭鉱での事故も多発しており、今後の石炭供給のネックにもなりかねない。

 
:最近、中国における2005年度までの年間コークス生産能力が2億6,600万トンまで高まるとの報告がある。これにより今後、鋼材4億トンの需要が可能になるという。)

 
中国、2005年の第一次石炭輸出割当は6,400万トン
 国家発展・改革委員会はこのほど、2005年の第一次石炭輸出割当を6,400万トンと発表した。年間の石炭輸出割当総量の80%を占める。

 
中国産発電用石炭:2005年度、17.9%上げで決着
 
中国産発電用石炭の200亜5年度の輸入価格が前年度比17.9%増の1トン・6ドルで決着した。輸入量は1,000万トン弱。2004年度における日本の一般炭輸入量は約9,400万トン、中国産のシェアは18.7%で、豪州産が63.3%と最も多い。


 【日系企業関連の動き

 伊藤忠、中国でコークスを合弁生産

 
伊藤忠商事は2006年からブラジルの資源大手リオドセ、中国の石炭会社と合弁で、中国で製鉄原料であるコークスの生産を始める。総額約300億円を投じて年産能力200万トンの工場を建設、このうち年100万トン程度の輸出を目指す。中国は世界最大のコークス輸出国だが国内需要の拡大で輸出を削減しており、世界的にコークス需給はひっ迫している。今回想定する輸出量は中国の今年の輸出量の約1割に相当する規模。伊藤忠が5%、リオドセが25%、中国第3位の石炭生産会社、エン礦集団(山東省)が70%を出資して、山東省に合弁会社「山東エン礦国際焦化」を設立する。資本金は8億8000万元(約110億円)。コークスのほか副産物としてのメタノールも年間20万トン生産する。中国は内需の増加に対応するため、2004年のコークス輸出量を昨年実績の4割減に相当する900万トンにする方針。ただ、伊藤忠などが年100万トン程度の輸出を目指しても、中国政府が内需向けを優先して合弁会社への輸出権発給を絞る可能性もある。−−(「日本経済新聞」、2004年7月13日)

 
伊藤忠、中国の石炭会社に出資・製鉄用など安定調達

 伊藤忠商事は中国の石炭資源大手、黒竜江省龍煤鉱業に出資する。600万ドル(約6億3000万円)を投じて同社の新株を取得し、日本での石炭販売や排出権取引、炭鉱ガスの有効利用などの事業を共同展開する。日系企業が中国の石炭資源会社に出資するのは初めて。資源需給のひっ迫で鉄鋼原料炭などの価格が急騰するなか、調達先を分散。安定供給体制の確立を狙う。龍煤は黒竜江省の4大石炭資源会社が統合されて27日に発足する新会社。鶴崗、双鴨山、七台河、鶏西の4社が合併し、伊藤忠の出資比率は約1.5%程度になる見込み。龍煤は長期的なパートナーとして鉄鋼、電力、商社などの業界から1〜2社、海外からは1国1社の資本を受け入れる方針で、日本からは伊藤忠を選んだ形となる。出資を機に、伊藤忠は龍煤の年間生産量5500万トンのうち、50万〜200万トンを日本に輸入する契約を結ぶ方針。製鉄に使う原料炭、発電などに使う一般炭の割合はほぼ半々の見込み。

 
丸紅、中国大手中鋼集団と製鉄用コークスなどで提携

 丸紅は中国の中鋼集団(本社・北京市)とコークス・鉄鉱石・スクラップなどの取引についての事業提携に調印した。日本から鉄鉱石やスクラップなどを、中国からはコークスを相手先に売る。中鋼集団は、同様の契約をドイツやノルウェーの鉄鋼メーカーとも締結しており、材料の安定確保を図る。
ーー(2005年3月)

 
双日ケミカル、中国のドロマイト鉱山に出資

 双日の化学品子会社、双日ケミカルは鉄鋼生産の副原料などに利用されるドロマイトの安定供給を図るため中国・安徽省の鉱山会社「安徽宏日鉱業」に資本参加する。中国の貿易会社、「シーティビー・シンハイ」(北京市)と共同で、発行済みの株式を買い取る。双日ケミカルが35%分(約28.5万ドル)、残りの65%をシーティビー・シンハイとその子会社が買い取る。
ーー(2006年7月)

 
【ドロマトイ】 鉄鋼やガラス生産の際に用いられる。日本はドロマトイを年間230万トンほど輸入しているが、このうち半分ほどが中国から、そのほかフィリピン・タイ・韓国などで採掘されている。

 【JFEなど、シリコンマンガン内蒙古で生産開始

 JFEスチールと三井物産は中国・内蒙古自治区のオルドス電力冶金との間でつくった合弁会社「内蒙古オルドスEJMマンガン合金」(2004年8月設立、年産能力7.5万トン)でのシリコンマンガンの生産が開始され、日本向けに輸出される。また、日本電工も2006年内に遼寧省の合弁会社「錦州日電鉄合金」(2004年8月設立)を通じて生産(年産5万トン)が開始される。JFEは年間8万トンのシリコンマンガンを中国などから輸入している。

 
【シリコンマンガン】 マンガンとケイ素を含んだ合金で、溶鉱炉で銑鉄をつくる際に、鉄鋼の強度を向上させると同時に、鉄から酸素を取り除く脱酸剤としての効果がある。

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 資源の価格高騰抑制は、製造の技術革新で克服
  
−結局は、原料炭などの価格暴騰も、「需要」と「供給」で決まるー
   
  「供給」を増やすか、「需要」を減らせばーー価格は下がる

 DIOS 溶融還元製鉄法

 一時は、価格高騰に手を焼いた「リチウムイオン」電池の主要原料となる「コバルト」も、その後の代替原料の開発により、最高値の半値ほどまでに低下した(
参照:本欄「レアメタルの近況)。所詮、今は高値の産業用資源も「需要」と「供給」で決まる。「鉄鋼」製品をつくるうえで必要な「原料炭」も、製鉄の製造工法の技術革新次第で大幅に減量することができる可能性がある。その工法の一つに、「溶融還元製鉄法」の研究・実用化が期待されている。同工法は、「鉄鉱石と石炭の事前処理なしで直接使用できるうえに、石炭についてはコークス製造用の原料炭である必要はなく、一般炭が使用でき」(社団法人「日本鉄鋼連盟」)。

 
(参照サイト):「次世代製鉄技術等、新技術の研究開発についてーDIOS 溶融還元製鉄法」((社)日本鉄鋼連盟)

 
神鋼、中国に低コスト製鉄プラント建設へ年内に合弁

 神戸製鋼所は、高炉よりも低コストで建設・操業できる「直接還元製鉄」のプラントを中国に建設するため、中堅メーカーの石家荘鋼鉄(河北省)と合弁会社を年内に設立すると発表した。粗鋼の原料となる銑鉄の生産能力は年間50万トンで、2008年の稼働を目指す。鉄鉱石の還元に安価な一般炭が使える方式であることを強調、今後も中国での提携先を増やす。総投資額は1億ドル(107億円)。出資金は4500万ドルで、3分の2を石家荘鋼鉄が、残りを神鋼と三井物産、双日ホールディングスが出資する。生産した銑鉄は石家荘鋼鉄が自動車や機械の構造材となる棒鋼に使うほか、三井物産が中国や東南アジアで販売する。神鋼が供給するのは独自開発した「ファストメルト」と呼ぶ方式のプラント。粉状の鉄鉱石と一般炭を混ぜて加熱し、鉄鉱石から酸素を除去(還元)して鉄分を取り出す。商業化は初めて。高炉のような1000億円規模の投資が不要なほか、高騰しているコークス(蒸し焼きにした石炭)を還元剤として使う必要がなく、操業コストや二酸化炭素(CO2)の発生量が小さい。
−−(「日本経済新聞」、2005年5月20日)

 新日鉄エンジニアリングなど3社、環境型電気炉受注

 新日鉄エンジニアリング、丸紅、中国のエンジニアリング事業会社の中鋼集団設備(北京市)の3社は、中国・山西省の製鉄会社「太原鋼鉄(集団)」から最新型の電気炉設備を受注した。同設備は塩素有機化合物のダイオキシンの発生を抑制できるのが特徴。鉄鋼の製造能力は、1回の材料充填当たり90トン。稼動予定は2007年7月末。同件は円借款を利用した環境改善プロジェクトの一環。太原鋼鉄は年産340万トン規模の中堅鉄鋼メーカー。
 
(参照サイト):「中国・太原鋼鉄(集団)有限公司より最新鋭電気炉設備を受注」(丸紅梶EHP)

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