【今後の資源問題】
ニッケル・亜鉛・銅などの「レアメタル」
非鉄各社、自前のプラントや鉱山確保
中国:事故で各種鉱山整理、供給減少
日系の鉄・非鉄企業が開発する鉱山とプラント
【中国:モリブデン輸入激増、炭鉱事故の影響】
2 005年2月に遼寧省で起きた炭鉱事故の影響により、安全性の確立を目的にモリブデン鉱山の整頓が進行している。その結果として、中国国内ではモリブデンの供給不足が発生しており、天津港でもモリブデンの輸入量が急増している。2005年1〜8月の天津港におけるモリブデンの輸入量は、9,802トン(前年同期比の4.2倍増)、輸入額は2.9億ドル(同14.5倍増)であった。天津港に輸入されたモリブデンのうち、全体の60%を占めるのがチリ産とペルー産で、05年1〜8月での両国からの輸入量は計5,877トン(同13倍増)。中国におけるモリブデンの主要な加工基地は、遼寧省・大連市、葫芦島市、陝西省・華陽市、河南省・欒川県など。モリブデン不足のきっかけになったのが、05年2月に発生した遼寧省の孫家湾炭鉱におけるガス爆発事故だ。この事故を受け、同省全域でモリブデン鉱山を含むあらゆる鉱山に対する安全点検や整頓が進行。その結果として、中国全体で、モリブデンが約3万トンの供給不足に陥り、輸入への依存度が高まっている。−−(「中国有色金属報」、2005年11月7日)
≪写真:無限とされる中国の石炭埋蔵量ではあるが、その掘削は年々難しさを増す。それに伴って、中小零細炭鉱の事故も後を絶たない。≫
◆ 中国・河南省で中国最大のモリブデン鉱発見、品質も特上
河南省地鉱局は、豫西汝陽県付点鎮東溝で超大型のモリブデン鉱を発見したことを明らかにした。同鉱床のモリブデン金属埋蔵量は70万7,482トンで、保有埋蔵量は中国でも最大となる。選鉱基準は国際特上品基準に達し、経済価値は2,000億元を超えるという。ーー(2006年3月20日)
≪豪英系鉱山大手、銅鉱石の大幅値上げ通告≫
豪英系の海外鉱山大手BHPビリトンは2006年7月25日、日鉱金属と三井金属の共同出資会社で国内銅製錬最大手パンパシフィック・カッパー(PPC、東京・港)に銅鉱石の現行の価格決定制度を撤廃すると正式に通告した。BHPビリトンの新たな提案によると、製錬メーカー側の利益幅は約6割削減される見通し。銅鉱石の需要拡大を背景に鉱山側が強硬姿勢に出た格好。PPCは同提案を拒否しており、価格交渉が長期化する可能性もある。銅鉱石の価格は、BHPビリトンなど鉱山側とPPCや三菱マテリアル、住友金属鉱山など製錬側との間で年末と年央の年2回交渉して決めるのが慣例で、価格確定とともに鉱山、製錬メーカー双方に配分される利益も決まるPP(プライス・パーティシペーション)制度が導入されている。BHPビリトンはこうした制度を取りやめ、PPC側の製錬による利益を1トンあたり1000ドルから400ドルに圧縮するよう要求した。7月以降の出荷分について適用するよう求めている。ーー(「日本経済新聞」、2006年7月26日)
【豪・鉱山大手、住友鉱へのニッケル供給停止ー中国優先】
住友金属鉱山は豪鉱山開発大手ウェスタン・マイニングからのニッケルの供給が打ち切られたことを明らかにした。ウェスタン社は特に需要が旺盛な中国向けに供給を振り向けるため高額の条件を提示し、住友鉱山は条件が折り合わず契約更新を断念したとみられる。ウェスタン社からは1967年に調達を開始。10年ごとの長期供給契約を更新していた。直近では使用量全体の約6割に当たる年間2万2000トンをウェスタン社から調達していた。対策として、自社開発したニッケル鉱山からの調達を拡大。2005年4月からフィリピンの鉱山から年間7000トンの調達を開始。権益を確保した仏領ニューカレドニアの鉱山も2007年秋から操業する。ーー(「日本経済新聞」、2005年4月17日)
≪住友金属鉱山≫
【住友金属鉱山:フィリピン、ニッケル製錬プロジェクト商業生産の開始】
住友金属鉱山は、フィリピンの「リオツバニッケルマイニング」社と共同で同国パラワン島リオツバ地区において進めているニッケル製錬プロジェクト(コーラルベイニッケルプロジェクト=右記の写真参照)が、2004年8月末のプラント建設終了後の試験操業が順調に推移し、本格的な商業生産に入ったことを明らかにした。同プラントの生産量は、2005年度は約7,000トン、2006年以降は年産10,000トン(いずれもニッケル量換算)を予定している。従来、ニッケルは硫化鉱およびラテライト鉱(酸化鉱)のうち高品位の部分(ガーニエライト鉱)を主な原料として生産されてきたが、同プロジェクトは
HPAL法(High Pressure Acid Leach:高圧酸浸出法)の導入により、低品位ラテライト鉱(リモナイト鉱)からのニッケル生産を可能とした。ーー(「住友金属鉱山」、ニュースリリースより・写真も)
◆住友金属鉱山、ニッケル原料 生産能力倍増 ≪最新≫
住友金属鉱山は2013年までに、ニッケル原料の生産能力を2009年比2倍の7万2000dに引き上げる。フィリピンとインドネシアにある既存工場で増産するほか、フィリピンでは新工場も立ち上げる。フィリピン子会社コーラルベイ・ニッケル・コーポレーション(CBNC)がパラワン島に持つ工場にこのほどニッケル成分を短時間で濃縮できる新設備を導入。原料の年産能力を約1割増の2万4000dとした。約2割を出資するインドネシアのPTインコはスラウェシ島の鉱山で電力が不足し、フル生産が難しかったため、鉱山に水力発電所を建設する。電力を確保できれば、住友鉱山が供給を受ける量は約2割増の年間1万8000dになる。フィリピンのミンダナオ島では2013年に新工場を建設し原料を年3万d生産する。3工場体制となる2013年には原料の生産能力は7万2000dとなる。原料増産に合わせ地金など最終製品の生産能力も引き上げる。日本のニッケル工場で2013年までに地金の生産能力を6割増の6万5000dに、電池材料などに使う化製品は7割増の年1万dにする。ーー(「日本経済新聞」、2011年2月1日)
≪これまでの経過≫
◆住友金属鉱山、フィリッピンのニッケル精錬を倍増
住友金属鉱山はフィリピンにあるニッケル精錬設備の生産能力を倍増する。2005年4月に稼動した第1工場と同規模の第2工場を2009年4月の稼動を目指して建設する。生産能力はニッケル地金換算で年間2万トンになる。
●住友金属鉱山、チリの銅資源プロジェクトへ参画
住友金属鉱山は米・最大手の産銅会社「フェルプス・ドッジ社」(本社:アリゾナ州フェニックス市)が所有するチリの「オホス・デル・サラド」社に資本参加し、チリにおける銅探鉱および銅鉱山事業に参画する。住友の出資比率は20%(住友金属鉱山と住友商事の出資割合は、8対2)。「オホス・デル・サラド」社は、「フェルプス・ドッジ」社の100%子会社として、チリ共和国北部ティエラ・アマリージャ市においてプンタ・デル・コブレ探鉱地区の探鉱権およびオホス・デル・サラド銅鉱山を所有している。
●住友金属鉱山と三井物産、フランス領ニューカレドニアのニッケル鉱山開発
住友金属鉱山と三井物産はフランス領ニューカレドニアのニッケル鉱山開発に合計約310億円を追加負担する。両社の負担総額は合計約600億円に膨らむ。両社が参加しているのは、世界最大級のニッケル開発事業である「ゴロ・ニッケルプロジェクト」。ブラジルの資源大手リオドセのニッケル部門子会社が開発主体になり、年間6万dのニッケルを生産する。両社は合計21%の権益を保有している。−−(2007年11月17日)
●住友金属鉱山、ニッケル鉱山開発2000億円・電子材料や車部品向け
住友金属鉱山は南太平洋のソロモン諸島で、代表的な希少金属(レアメタル)であるニッケルの鉱山を開発する。2000億円強を投じ、2013年にも高純度ニッケル地金の生産を年3万トン規模で始める。高純度ニッケルは電子機器や自動車部品の材料として世界需要が拡大、需給の逼迫が予想されている。住友鉱山は既存設備での増産を含め、日本の年間消費量9万トン弱を1社で賄う供給体制を整備する。住友鉱山は2006年からソロモン諸島で進めていた探鉱で有望な鉱脈の存在を確認した。発電設備や積み出し港を整備したうえで、12年にも現地に製錬所を建設。愛媛県新居浜市の工場で純度を99.99%に高めた地金にし、大半を日本のユーザーに出荷する。−−(2008年5月21日)
●住友大阪セメント、インジウム高騰で中国に生産移転
住友大阪セメントはパソコン表示装置用塗料の生産を中国に移転する。原料となるレアメタル(希少金属)、インジウムの国際価格が高騰しているため。原産地の中国に製品生産を移しコストを圧縮する。鉄鋼、セメントなどで中国での需要急増を背景にした資材価格の上昇が表面化しているが、情報技術(IT)分野でも日本メーカーに影響が及び始めた。中国子会社の「住竜納米技術材料(深セン)」に10月に生産移管する。パソコン用ブラウン管で電磁波防御に使う塗料で、インジウムを中核の原材料として使っている。これまで住友大阪セメントは中国で産出したインジウムを日本に輸入し塗料に加工した後で輸出していた。原産国である中国への移転で関税や輸送コストを省き、競争力を高める狙いがある。ーー(「日本経済新聞」、2004年7月3日)
●住友商事、カナダ、韓国企業と共同で世界最大級のニッケル資源開発事業を実施へ
住友商事はカナダのシェリットインターナショナル、エスエヌシーラバリン、韓国のコリアリソーシズコーポレーション(コレス)と共同で、マダカスカル共和国でニッケルの鉱石からメタルまでの一貫生産を行う「アンバトビーニッケルプロジェクト」の開発を決定した。日加韓の3ヵ国が初めて共同でニッケル資源の開発に取り組む世界最大級の資源開発事業となる。このほど、開発費用等に関して、国際協力銀行を中心とした国際金融機関との間で総額21億米ドルのプロジェクトファイナンスによる融資契約を締結した。初期投資として、約33億米ドルを投じ、マダカスカル共和国で鉱山開発から精錬所までの一貫生産設備を建設する。鉄道、港湾等の既存インフラも一体整備する。2010年後半には、ニッケルメタル年産約6万t、コバルトメタル年産5600t、副産物の硫安年産19万tの生産能力を持つ工場を稼働し、2013年初めにフル操業体制に至る予定。生産物は住友商事、コレスそれぞれが、ニッケルメタル生産量の半分、最大で年間3万tずつの引き取りを行う。日本向けの販売は住友商事が担当し、大手ステンレス・鉄鋼・特殊鋼メーカー、電池メーカー等に販売する考え。−−(日経エコロジー編集/EMF、2007年8月24日)
(参照サイト):「マダガスカル共和国・アンバトビープロジェクトについて」(住友商事・ニュースリリース)
(出所:「日経産業新聞」、2006年6月7日)
≪その他の石化事業≫
●住友金属鉱山、チリの銅資源プロジェクトへ参画
住友金属鉱山は米・最大手の産銅会社「フェルプス・ドッジ社」(本社:アリゾナ州フェニックス市)が所有するチリの「オホス・デル・サラド」社に資本参加し、チリにおける銅探鉱および銅鉱山事業に参画する。住友の出資比率は20%(住友金属鉱山と住友商事の出資割合は、8対2)。「オホス・デル・サラド」社は、「フェルプス・ドッジ」社の100%子会社として、チリ共和国北部ティエラ・アマリージャ市においてプンタ・デル・コブレ探鉱地区の探鉱権およびオホス・デル・サラド銅鉱山を所有している。
≪サウジアラビアの石化合弁事業≫
●住友化学、サウジ石化合弁・投資規模折半で5,000億円
住友化学工業は、サウジアラビア国営石油会社のサウジアラムコとの間で、同国に石油精製・石油化学プラントを建設することで基本合意したと正式に発表した。総投資額は約43億ドル(約5,000億円)を見込み、折半で負担する。ガソリンや灯油、ナフサ(粗製ガソリン)などの石油精製製品と、汎用樹脂などの石油化学製品を一貫生産する統合施設としては世界最大となる。両社は、サウジ紅海沿岸のラービグに折半出資の合弁会社を設立するなど、基本的な枠組みを定めた覚書を締結した。来年中に事業化調査を終え、2008年後半の稼働を目指す。石油精製から石化製品まで合弁新社が1社で手がけることで、原料や副産物の最適配分により最も収益率の高い生産体制を構築できる。新合弁の年商は4,000億―5,000億円に上る見通しという。−−(出所:「日本経済新聞」、2004年5月10日)
(参照サイト):「ペトロ・ラービグ社のプロジェクト・ファイナンス契約調印について」(住友化学株式会社・HP)
◆住友化学などがサウジ合弁の起工式・08年中の完工目指す
住友化学は、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコと紅海沿岸のラービグで展開する石油精製・石油化学プラントの起工式を2006年3月19日(現地時間)に開いた。資金調達や建設に関する主要な契約を一通り締結し終え、総事業費98億ドル(約1兆1000億円)と世界最大規模の石油精製・化学プラントに着工。2008年中の完工を目指す。ーー(2006年3月20日)
(参照サイト):「ペトロ・ラービグの起工式実施について」(住友化学株式会社)・HP
◆日揮、サウジアラビアで石油精製・石油化学統合コンプレックス受注
日揮株は住友化学とサウジアラムコ社(サウジアラビア国営石油会社)が共同で設立したサウジアラビア法人から、サウジアラビア王国ラービグ地区における流動接触分解装置および世界最大級のエタンクラッカーの建設プロジェクトを受注した。本プロジェクトは住友化学とサウジアラムコ社がサウジアラビアで計画している世界最大級の石油精製と石油化学の統合生産プロジェクト(ラービグ計画)。日揮は2004年11月に本コンプレックスの中核設備となる流動接触分解装置、およびエタンクラッカーの基本設計役務(Front-End
Engineering and Design:FEED)を受注。今回、FEEDに引き続いてこれら設備の建設工事(EPC)を受注した。ーー(2006年3月)
(参照サイト):「サウジアラビアで石油精製・石油化学統合コンプレックスを受注-- 基本計画に引き続いてラービグ計画の大規模建設工事を一括受注
--」(日揮株式会社・HP)
◆三井造船、合繊・樹脂原料プラント受注
三井造船は住友化学などがサウジアラビアで計画する石油・石化プロジェクトで、合繊・樹脂の原料向け製造プラント2設備を受注した。2008年に完成予定。ポリエステル繊維などの原料となるエチレングリコールのプラントは年産60万トン。三井造船は設計、資機材の調達・建設までを手がける。また、断熱材のポリウレタンなどの原料となるプロピレンオキサンドの設備を、住友化学のエンジニアリング子会社を共同受注した。ーー(2006年3月)
(参照サイト):「サウジアラビア王国/Petro-Rabigh社向け生産能力世界最大規模のモノエチレングリコール、プロピレンオキサイド製造プラントを受注」(三井造船株式会社・HP)
◆日本貿易保険、サウジ合弁事業に過去最大の貿易保険
独立行政法人・日本貿易保険は、住友化学株式会社とサウジアラビア国営石油会社(Saudi
Arabian Oil Company=Saudi Aramco社)との間で進められている合弁事業において、住友化学が拠出を行う資本金・親会社融資・その他に対し、海外投資保険等の貿易保険の引き受けを決定した。ーー(2006年3月)
(参照サイト):「サウディアラビア/ラービグ石油精製・石油化学総合プラント建設プロジェクト、ならびに関連するIWSP事業への貿易保険付保について」 (独立行政法人 日本貿易保険・HP)
(参照):本欄【カタールガス・プロジェクト】
LNG船、大量余剰時代も迎える恐れある !!
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