中国の原料加工産業の動向

−原材料の大量消費国となった中国からの輸入は困難にー
レアメタル、日本独自で世界規模開発迫られる
中国への技術移転は"自らの首"を絞める結果
中国の安値・大量鋼材流入に"手を焼く"各国
【鉄鋼業】 中国政府、自ら外資の門戸閉じる


 中国、鉄鋼の外資支配認めず・国内再編も加速

 中国政府は7月20日、鉄鋼業界の育成指針となる「鉄鋼産業発展政策」を発表した。日本企業を含む外資による合弁事業の経営支配や新規の工場建設を原則認めず、国内企業の保護を優先する姿勢を鮮明にした。乱立する国内企業の再編を加速させて、2大グループを育成する方針も示した。発展政策では外資の具体的な出資比率制限には触れていないが、出資比率は50%以下に制限される可能性が高い。参入できる外資は年間生産量が普通鋼で1000万トン、または特殊鋼で100万トン以上の規模がある大型企業に限定される。外資は合弁相手となる国内企業の工場を建て替える場合などを除き、新規の工場建設はできないとしている。ーー(「日本経済新聞」、2005年7月20日)


 アルミニウム生産
 国内における電解アルミ生産が急速に拡大したことで、原料となるアルミナ(酸化アルミニウム)の国際的な価格高騰と電力不足も加わって、中国の電解アルミメーカーは厳しい情況に追い込まれている。国家発展・改革委員会(国家発改委)の統計によれば、中国における電解アルミの生産量は546万トン。さらに、総計500万トンの生産能力を有する工場群の建設が計画されている。2002年当初、1トン当たり160ドルだったアルミナの市場価格は現在、450ドルまで高騰している。ーー(2004/1/28)

 
上海宝鋼集団、ブラジルで製鉄所建設へ 
 上海宝鋼集団はブラジルの鉄鉱石世界最大手、「CVRD」(リオデジャネイロ)と合弁で製鉄所を建設する方針を固めた。中国の鉄鋼メーカーが海外に製鉄所を建設するのは初めて。両社は上海市内で、事業化調査の合意書に調印した。調印式には世界最大の鉄鋼メーカー、「アルセロール」(ルクセンブルク)も参加しており、3社による合弁事業への進展もある。粗鋼の年産能力は370万トン、「宝鋼集団」はすでに中国政府の認可を得ている。建設時期や稼働時期は未定。将来的には、安価で大量な鉄鉱石や鉄鋼製品の供給も視野に入れているかのようにもみえる
−−(2004年1月)

 
EU、中国のコークス輸出規制についてWTO提訴を警告
 中国のコークス輸出規制について、欧州連合(EU)は「5月14日までに規制を解除しなければ、世界貿易機関(WTO)に提訴する」と警告した。英紙「フィナンシャル・タイムズ」(電子版)が5月10日伝えた。中国で冶金用コークスの輸出許可証(EL)発給が遅れている問題で、EUは中国政府への発給増加を働きかけていた。
ーー(2004年5月)

 
中国冶金建設集団、パプアニューギニア政府とニッケル・コバルトプロジェクトの覚書調印
 中国冶金建設集団はパプアニューギニア政府とニッケル・コバルトプロジェクトの覚書に調印した。同プロジェクトの株式は、中国冶金建設が85%、パプアニューギニアが15%持つ。同プロジェクトの全投資額は約6億5000万ドルで、中国最大の海外金属鉱産投資プロジェクトとなる。パプアニューギニアのニッケル・コバルト鉱は世界クラスの大型ニッケル鉱で、調査済み埋蔵量は7800万トンを超え、未調査分では2億4800万トンと予測される。金属ニッケルの年間生産量を3万2000トンとして計算すると、同鉱山の採掘期間は40年に達する見込み。計画では、硫化ニッケルコバルトの年間生産量は5万6631トン。このうち、金属ニッケルが3万1147トンで、中国のニッケル輸入量の半分を占める見通し。同プロジェクトにより、中国のニッケル供給不足が緩和される見込み。
ーー(「日刊産業新聞」HP、2005年5月31日付)




 
中国の鉄鋼関連の動き
 

 
2005年1〜12月の粗鋼生産 ≪NEW≫
  1〜12月の中国粗鋼生産量:  3億4,936万トン(前年比24%増)
            ≪鋼材生産量: 3億7,117万トン(前年比24%増)≫
  
 
2005年1〜12月の鋼材輸入量 ≪NEW≫
  1〜12月の中国鋼材輸入量:  2,482万トン(前年比11.9%減)

 
2005年1〜12月の鉄鉱石輸入量 ≪NEW≫
  1〜12月の中国鉄鉱石輸入量: 2億8,000万トン(前年比32.3%増)

 
2005年1〜8月の石炭輸入量 ≪NEW≫
  1〜8月の石炭の輸入量:  1,670万トン(前年同期比54.7%増)

 
2005年1〜8月の石炭輸出量 ≪NEW≫
  1〜8月の石炭の輸出量:  4,830万トン(前年同期比17.5%減)

 ●
各国、中国産鋼材の大量流入で手を焼く

 
中国の安値鋼材の流入に各国が手を焼いている。北米市場では鋼材輸入の急増を受け鋼材価格が下落、製鋼所は鋼材の輸入制限を検討している。米国鉄鋼工業協会の統計によると、2005年1〜5月における米国の鋼材輸入量は前年度比で倍増。そのうち、中国からの鋼材輸入量は103万トン(前年同期比230%増)となっている。また、メキシコでは、中国からの鋼材輸入量が前年同期比95%増加。メキシコ鉄鋼連盟は中国の鋼材輸出に「アンチダンピング」税を徴収する可能性を示唆している




 
中国の石炭・コークス関連の動き

 
【最新動向】  中国:コークス輸出を段階的に削減へ

 国家発展改革委員会は、コークス輸出問題における中国の方針として、コークスの輸出総量をただちに制限することを明らかにした。しかし海外からの需要や、コークス市場全体の安定を維持するため、輸出は段階的に削減される見通し。
ーー(2005年6月27日)

 
中国がコークス減産・不足一転、供給過剰に

 世界最大のコークス生産・輸出国である中国がコークスの減産を始めた。中国内のコークス各社が需要を上回る勢いで生産能力を拡大したため価格が下落しており、業界の共倒れを防ぐ狙いだ。コークスは昨年、世界的な供給不足が懸念されたが、状況が一転した。コークスは鉄鋼の主要原料で、石炭を加工して生産する。中国のコークス生産の半分前後を占める山西省の業界団体、「山西コークス行業協会」は6月から1日あたりの生産量をこれまでより2-4割減らす方針を決め、会員企業243社へ通達を出した。3ヵ月間減産を続け、市場の状況をみて延長するかどうかを決める。山西省幹部が明らかにした。河北省など他の産地にも減産が広がっているもようだ。中国の2004年末のコークス年産能力は2億4000万トン。現在、1億2000万トンの増強計画が進んでおり、05年末にも3億6000万トンになるとの予測がある。1‐5月の中国の鉄鋼生産は前年同期比2割強増えたが、コークスの生産拡大の速度はそれを大きく上回る。
ーー(「日本経済新聞」、2005年6月28日)



 
中国の利用可能な石炭量は1,886億トン以上 ≪メモ≫ 
 中国国土資源部が明らかにした、中国における利用可能な石炭量は1,886億トン以上(2002年末)。中国の石炭資源はあと100年間はもつ計算になる。さらに探査済みの石炭埋蔵量は3,317億トンという。また2003年におけるコークス精製量は1億7,800万トンで、世界のコークス貿易の56%を占める
。この石炭埋蔵量からすればあと200年は安定的にコークスを供給できる。しかし最近は、炭鉱での事故も多発しており、今後の石炭供給のネックにもなりかねない。

 
:最近、中国における2005年度までの年間コークス生産能力が2億6,600万トンまで高まるとの報告がある。これにより今後、鋼材4億トンの需要が可能になるという。)

 
中国、2005年の第一次石炭輸出割当は6,400万トン
 国家発展・改革委員会はこのほど、2005年の第一次石炭輸出割当を6,400万トンと発表した。年間の石炭輸出割当総量の80%を占める。

 
中国産発電用石炭:2005年度、17.9%上げで決着
 
中国産発電用石炭の200亜5年度の輸入価格が前年度比17.9%増の1トン・6ドルで決着した。輸入量は1,000万トン弱。2004年度における日本の一般炭輸入量は約9,400万トン、中国産のシェアは18.7%で、豪州産が63.3%と最も多い。



 
伊藤忠、中国でコークスを合弁生産
 伊藤忠商事は2006年からブラジルの資源大手リオドセ、中国の石炭会社と合弁で、中国で製鉄原料であるコークスの生産を始める。総額約300億円を投じて年産能力200万トンの工場を建設、このうち年100万トン程度の輸出を目指す。中国は世界最大のコークス輸出国だが国内需要の拡大で輸出を削減しており、世界的にコークス需給はひっ迫している。今回想定する輸出量は中国の今年の輸出量の約1割に相当する規模。伊藤忠が5%、リオドセが25%、中国第3位の石炭生産会社、エン礦集団(山東省)が70%を出資して、山東省に合弁会社「山東エン礦国際焦化」を設立する。資本金は8億8000万元(約110億円)。コークスのほか副産物としてのメタノールも年間20万トン生産する。中国は内需の増加に対応するため、2004年のコークス輸出量を昨年実績の4割減に相当する900万トンにする方針。ただ、伊藤忠などが年100万トン程度の輸出を目指しても、中国政府が内需向けを優先して合弁会社への輸出権発給を絞る可能性もある。
−−(「日本経済新聞」、2004年7月13日)

 
伊藤忠、中国の石炭会社に出資・製鉄用など安定調達
 伊藤忠商事は中国の石炭資源大手、黒竜江省龍煤鉱業に出資する。600万ドル(約6億3000万円)を投じて同社の新株を取得し、日本での石炭販売や排出権取引、炭鉱ガスの有効利用などの事業を共同展開する。日系企業が中国の石炭資源会社に出資するのは初めて。資源需給のひっ迫で鉄鋼原料炭などの価格が急騰するなか、調達先を分散。安定供給体制の確立を狙う。龍煤は黒竜江省の4大石炭資源会社が統合されて27日に発足する新会社。鶴崗、双鴨山、七台河、鶏西の4社が合併し、伊藤忠の出資比率は約1.5%程度になる見込み。龍煤は長期的なパートナーとして鉄鋼、電力、商社などの業界から1〜2社、海外からは1国1社の資本を受け入れる方針で、日本からは伊藤忠を選んだ形となる。出資を機に、伊藤忠は龍煤の年間生産量5500万トンのうち、50万〜200万トンを日本に輸入する契約を結ぶ方針。製鉄に使う原料炭、発電などに使う一般炭の割合はほぼ半々の見込み。

 
丸紅、中国大手中鋼集団と製鉄用コークスなどで提携
 丸紅は中国の中鋼集団(本社・北京市)とコークス・鉄鉱石・スクラップなどの取引についての事業提携に調印した。日本から鉄鉱石やスクラップなどを、中国からはコークスを相手先に売る。中鋼集団は、同様の契約をドイツやノルウェーの鉄鋼メーカーとも締結しており、材料の安定確保を図る。
ーー(2005年3月)

 資源の価格高騰抑制は、製造の技術革新で克服
  
−結局は、原料炭などの価格暴騰も、「需要」と「供給」で決まるー
   
  「供給」を増やすか、「需要」を減らせばーー価格は下がる

 DIOS 溶融還元製鉄法

 一時は、価格高騰に手を焼いた「リチウムイオン」電池の主要原料となる「コバルト」も、その後の代替原料の開発により、最高値の半値ほどまでに低下した(
参照:本欄「コバルトーリチウムイオン電池関連)。所詮、今は高値の産業用資源も「需要」と「供給」で決まる。「鉄鋼」製品をつくるうえで必要な「原料炭」も、製鉄の製造工法の技術革新次第で大幅に減量することができる可能性がある。その工法の一つに、「溶融還元製鉄法」の研究・実用化が期待されている。同工法は、「鉄鉱石と石炭の事前処理なしで直接使用できるうえに、石炭についてはコークス製造用の原料炭である必要はなく、一般炭が使用でき」(社団法人「日本鉄鋼連盟」)。

 
(参照サイト):「次世代製鉄技術等、新技術の研究開発についてーDIOS 溶融還元製鉄法」((社)日本鉄鋼連盟)

 
神鋼、中国に低コスト製鉄プラント建設へ年内に合弁

 神戸製鋼所は、高炉よりも低コストで建設・操業できる「直接還元製鉄」のプラントを中国に建設するため、中堅メーカーの石家荘鋼鉄(河北省)と合弁会社を年内に設立すると発表した。粗鋼の原料となる銑鉄の生産能力は年間50万トンで、2008年の稼働を目指す。鉄鉱石の還元に安価な一般炭が使える方式であることを強調、今後も中国での提携先を増やす。総投資額は1億ドル(107億円)。出資金は4500万ドルで、3分の2を石家荘鋼鉄が、残りを神鋼と三井物産、双日ホールディングスが出資する。生産した銑鉄は石家荘鋼鉄が自動車や機械の構造材となる棒鋼に使うほか、三井物産が中国や東南アジアで販売する。神鋼が供給するのは独自開発した「ファストメルト」と呼ぶ方式のプラント。粉状の鉄鉱石と一般炭を混ぜて加熱し、鉄鉱石から酸素を除去(還元)して鉄分を取り出す。商業化は初めて。高炉のような1000億円規模の投資が不要なほか、高騰しているコークス(蒸し焼きにした石炭)を還元剤として使う必要がなく、操業コストや二酸化炭素(CO2)の発生量が小さい。
−−(「日本経済新聞」、2005年5月20日)



 
原料炭・鉄鉱石価格交渉ー2006年

 【2006年】 ≪鉄鋼用原料炭、3年ぶり値下げ・1トンあたり115ドル前後
 新日本製鉄、JFEスチールなど鉄鋼大手は、世界最大の鉄鋼原料用石炭(原料炭)の供給会社、豪英BHPビリトンと、2006年度の主要品種価格を3年ぶりに引き下げることで合意した。価格は1トンあたり115ドル前後と、05年度比約8%の下落。原料炭価格は05年度に2.2倍上がり資源高の象徴だったが、高騰が一息つく格好だ。ただ、世界の需要増を背景に価格水準は04年度の約2倍となお高い。価格引き下げで合意したのは原料炭の6割を占める高品質な品種。仮にBHP以外の資源会社がすべて同率の引き下げに同意した場合、鉄鋼業界全体では約500億円のコスト減となる。
−−(「日本経済新聞」、2006年1月27日)

 
中国・鉄鋼業界団体、鉄鉱石19%値上げの受け入れ拒否

 中国の鉄鋼の業界団体、中国鋼鉄工業協会(会長・謝企華宝鋼集団董事長)は2006年5月17日、ブラジルの資源大手リオドセ(CVRD)と独鉄鋼大手ティッセン・クルップが2006年度の価格交渉で合意した鉄鉱石の19%値上げを受け入れられないとする声明を発表した。声明の中で同協会の責任者は「鉄鉱石の価格交渉は欧州市場しか考慮していない」と指摘。そのうえで「中国市場の状況を考慮せずに決定するならば、中国鉄鋼企業は受け入れることはできない」としている。今後の価格交渉に関連して「双方がメリットの得られる結果を求めている」とし、値上げ幅の圧縮を求めた。もっとも、昨年も中国の鉄鋼最大手の宝鋼集団は当初、リオドセが新日鉄などと合意した71.5%の値上げを拒否。しかし、最終的には受け入れている。
−−(「日本経済新聞」、2006年5月17日)

 ◆日本鉄鋼メーカー、鉄鉱石価格・リオドセと19%値上げで合意

 鉄鉱石世界最大手のリオドセは、新日鉄など日本の複数メーカーとの間で、2006年度出荷分の鉄鉱石価格を前年度比19%の値上げで合意したと2006年5月17日に報じた。値上げは4年連続となる。


 原料炭・鉄鉱石価格交渉ー2005年 

【2005年度】英豪系資源開発BHPビリトンの2005年6月期、純利益9割増
 豪英系資源開発大手BHPビリトンが発表した2005年6月期通期決算は、商品価格の高騰で鉄鉱石や石炭事業が好調で、純利益は前年比89%増え過去最高の64億ドルとなった。中国への販売が急伸し、国別売上高で日本を抜き初めて1位になった。売上高は28%増の318億ドル。鉄鉱石や銅、石油製品などの価格上昇が56億7000万ドルの増益要因となった。分野別の営業利益をみると、鉄鉱石と鉄鋼原料用の石炭が148%、発電用石炭は163%、それぞれ伸びた。国別売上高では、中国向けが64%増え40億ドルに達した一方、日本は37億5000万ドルにとどまった。中国は日本が長く続けた1位の地位を奪った。
−−(「日本経済新聞」、2005年8月24日)

 
鉄鋼原料炭、2005年度価格2倍・業界で費用4000億円増
 新日本製鉄が豪州やカナダの資源大手と進めていた2005年度の鉄鋼用原料炭の価格交渉が、前年度比約2倍、過去最高の一トン当たり120ドル台で決着した。値上げは2年連続。JFEスチールなど他の鉄鋼大手も同水準で決着する見通し。業界全体で約4000億円のコスト増になる。新日鉄などは自動車メーカーなど国内主要顧客との間で年明けにも鋼材の値上げ交渉に入るもようで、鋼材価格の一段の上昇が避けられない情勢となってきた。英豪系BHPビリトンやカナダのエルクバレー・コールなどの資源大手は今回、鉄鋼生産の世界的拡大に伴う原料炭需給のひっ迫を理由に大幅な値上げを提示、新日鉄も原料を安定確保するため受け入れた。値上げ対象は強粘結炭と呼ぶ鉄鋼用の石炭。日本の鉄鋼業界は2003年度で約6400万トンの原料炭を使用、そのほぼ全量を輸入している。強粘結炭はこのうち45%を占める。世界の鉄鋼生産は中国を中心に増加が続いており、粗鋼ベースで04年に初めて10億トンを突破する見通し。−−(「日本経済新聞」、2004年12月11日)

 
鉄鉱石価格、2005年度7割上げで決着・新日鉄などブラジル大手と
 新日本製鉄など鉄鋼大手がブラジルの資源最大手、リオドセと進めていた2005年度の鉄鉱石価格交渉が、前年比7割増で決着した。2004年度の指標値(粉状鉄鉱石)は1トン22ドルだった。上げ幅は過去最大。鉄鋼業界全体で2000億円強のコスト増となる。日本への最大供給元である豪州の資源大手とも同様な値上げ幅で決着する見通し。
−−(「日本経済新聞」HP、2005年2月22日)

 
:鉄鋼大手は製鉄材料である原料炭の価格急騰を受け、代替品の活用を拡大する。@新日本製鉄は、原料炭を用いたコークスに比べ半額ほどの微粉炭の使用量を約2割増やす。また、AJFEスチールは、都市ガスを使う実験設備を新設、早期の実用化を目指す。原料炭の値上がりによる2005年度のコスト増は、業界全体で約4,500億円に達するもようで対応を急ぐ。)

 
韓国・ポスコも7割値上げで合意
 ブラジルの資源大手リオドセは、韓国の鉄鋼最大手ポスコと2005年度の鉄鉱石買い取り価格について前年度比71.5%の値上げで合意したことを明らかにした。
ーー(2005年2月)

 
中国・宝鋼集団、豪州産鉄鉱石の値上げ7割増で決着
 中国の鉄鋼最大手、宝鋼集団は豪州企業と進めていた2005年度の鉄鉱石価格交渉が前年度比71.5%増の値上げで決着したと発表した。上げ幅は先に決着した新日本製鉄など日本の鉄鋼各社と同じ。鞍山鋼鉄など他の中国メーカーも追随する見通しだ。
ーー(2005年3月)


 日本鉄鋼業界の動向

 
日本の鉄鋼業界、鋼材値上げ方針
 
JFEスチールは、鉄鋼原料費の上昇分を鋼材価格に転嫁していく方針を明らかにした。新日本製鉄も値上げ方針を表明しており、高炉各社は2004年度出荷分について値上げ交渉を本格化する。ーー(2004年1月)

 
鉄鋼大手、家電用鋼板値上げ
 
新日本製鉄やJFEスチールなど鉄鋼大手は、家電・電気メーカー向けの薄鋼板を値上げする。4月出荷分から1トン当たり約5,000円の値上げ。家電向けの値上げは2002年以来、計4回目となる。鉄鋼各社は自動車、造船メーカーにも鋼板価格の値上げを要請。早ければ4月から5〜10%の値上げとなる見通し。−−(2004年3月)

 
新日本製鉄、三菱製鋼の休止電炉を買収
 新日本製鉄は、三菱製鋼が北海道室蘭市にもつ特殊鋼向けの電気炉を買収すると発表した。現在は休止中だが7月をメドに再稼働させ、月間約2万トンを生産する。これにより、新日鉄の特殊鋼の生産能力は15%増の年間180万トンに拡大する。自動車向けの需給逼迫を受け、規模の拡大で増産に踏み切る。
−−(2005年2月)

 
東京製鉄、自動車用鋼板に進出ー年10万トン生産
 
電炉最大手の東京製鉄は自動車向け鋼板事業に進出する。部品用などの薄板を3月から岡山工場で年間10万トン生産する。これまで、電炉での自動車用鋼板は品質や生産量で、自動車業界の条件を満たすことが難しかった。東京製鉄では、スクラップに加える各種の合金成分を調整することや、鉄を薄く延ばす際の温度管理などの技術改良で、JIS(日本工業規格)に沿った自動車鋼板を製造することに成功した。日本の電炉メーカーが自動車用鋼板を生産するのは初めて。当面は、ボディー材などを除き、ドアの補強材やシートの骨格、ペダルなどの部品に使われる薄板用として自動車メーカーに供給する。ーー(2005年2月)

 
JFJスチールなど、自動車用鋼板の生産増強を図る
 JFEスチールは自動車向け用途のメッキ鋼板の生産設備を増強する。西日本製鉄所福山地区に新ラインを設置。生産能力は年産60万トンで、2006年度下期に稼動の見込み。新ラインの設置で供給能力は26%増える。同様の設備は住友金属が鹿島製鉄所で、また新日本製鉄が広畑製鉄所でそれぞれ増強を決めている。
ーー(2005年5月)

 トヨタ:新日鉄の自動車鋼板交渉、最大20%値上げで決着
 鉄鋼最大手の新日本製鉄とトヨタ自動車との自動車用鋼板の値上げ交渉が大筋で決着した。現在、鋼板1トンあたり平均6万2000円の価格を7万円前後へ、十数%(最大20%)引き上げる。世界的な鋼材不足を背景に、新日鉄側は1トンあたり約1万円の値上げを求めていた。
ーー(2005年5月31日)




韓国鉄鋼業界の動向 


 
韓国、鉄鋼価格が急騰 対策に苦慮
 POSCO(ポスコ/旧浦項(ポハン)製鉄)は昨年末に続いて2月9日の契約分から主な内需向け鉄鋼板材類製品の価格を平均12%引き上げることにした。これを受け、熱延鋼板は1トンあたり35万5,000ウオンから40万5,000ウオンに、冷延鋼板は47万ウオンから52万ウオンにそれぞれ上昇する。東国製鋼も1月28日から鉄筋販売価格を平均4万9,000ウオン引き上げ、1月26日の注文分から船舶用鋼板価格(46万ウオン)も4万ウオン引き上げた。このほか、INIスチールや起亜特殊鋼も内需価格をそれぞれ引き上げた。韓国は2002年に鉄鋼材の純輸入国に転換し、昨年の熱延鋼板の輸入は500万トンに達した。中でも造船業界は厚板の価格が1年前に比べて20%以上上昇し、大手造船業は年間数百億ウオンの原価負担を懸念している。
ーー(韓国「朝鮮日報」、2004年1月28日)

 
韓国、中国産の安い鉄鋼材が逆輸入
 2004年11月現在、中国産の鉄鋼製品の韓国内輸入規模が380万トンと、2003年(180万トン)に比べ2倍以上に増加。昨年下半期に中国が景気調整に入ったことで、中国の鉄鋼需要の増加率は年5%台に落ち込んでいる。その分、アジア向けの輸出が急増している。アジア・ウォールストリート・ジャーナル(AWSJ)も最近、「鉄鋼材の純輸入国だった中国が輸出国に転じたことで、これまで好況に沸いていた世界の鉄鋼業界が供給過剰に陥る可能性がある」と指摘している。中国製は10%以上安いため、国内製とは競争にならない、という。
ーー(韓国「朝鮮日報」、2005年1月5日・要約)

 
現代自動車グループ、2007年に高炉着工・一貫生産へ 《最新》
 現代自動車グループは高炉を建設して鉄鋼の一貫生産事業に進出すると発表した。韓国中西部の忠清南道唐津に高炉を2基建設、年間700万トンの粗鋼生産能力を確保する。鉄鋼の安定調達体制を築くのが狙いで、2010年に生産を開始する。完成すれば現代自は有数の鉄鋼メーカーを傘下に持つ世界でも珍しい自動車メーカーとなる。高炉は現代自グループの電炉メーカー、INIスチールが2004年9月に買収した韓宝鉄鋼工業の旧唐津工場(現INIスチール唐津工場)を拡張して建設する。隣接地に新たに317万m2の用地を取得する。計画では、生産能力が年350万トンの高炉を2基建設する。07年に着工する予定。2基を同時に立ち上げるか、1基を10年に稼働させて数年後にもう1基を増設するかは検討中。投資額は明らかにしていない。生産した鉄鋼は現代自グループで使用するほか、グループ外の需要家にも広く販売する。現代自は現在、自動車用鋼板の50%を韓国最大手のポスコから調達している。
ーー(「日本経済新聞」、2005年5月19日)

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