基礎資源の自給体制が優劣を決する
先進国の流れはデジタル化、しかし・・・
液晶・PDP・有機EL・SEDー本命はどれ
普及へのブレークスルーは「価格」
ー体制見極めには2〜3年必要かー

   インジウムの価格
 これまで、人件費の低廉さが魅力で世界中の企業が中国へと工場移転を進めてきたが、ここに次なる障壁が立ちはだかることとなった。それは前述した、「基礎資源」の供給不足の進展である。この傾向はすでに現実のものとなりつつある。中国紙の報道では、2004年度における中国の家電製品は原材料の高騰のため、値上げせざるを得ないという。特に今後、ブラウン管テレビにとって代われるといわれる次世代テレビの代表格のひとつ「液晶テレビ」であるが、これが本当に全世界的な流れとなるのであろうか。液晶パネルの透明電極に使われるレアメタル、「インジウム」は亜鉛や鉛を精錬する過程で副産物として生産されるが、これとて産出量には限りがある。現在の液晶テレビの年間出荷台数程度なら何とか供給されても、これが数千万台規模に達する前に、部品の供給不足に陥ることは十分あり得る。その代替品としての将来需要を見越してか家電各社、特に韓国企業は「プラズマ」テレビにも本腰を入れ始めている。さらには次世代のディスプレー装置として本命視されている、「有機EL」(エレクトロ・ルミネッセンス)や「SED」(表面電界ディスプレー)などの本格的な製品化が待たれる(いずれにしても、これはすべての製造品についていえることだが、今後の資源問題を考慮すると、製品の「リサイクル」、特に製品の「リ・ユース」を本格的に取り入れた社会・産業構造への転換が望まれる)。

 地球上に埋蔵する有限な資源をこの先、未来永劫にわたって人類が享受していくために、テレビやPCなどの大量生産消費財に対する永続性ある対応が求められる。液晶が最先端技術であるといって、それのみで人類の文明史が未来永劫にわたって築き得るものではない。人類にとって真に有益なもののみが最終的には生き残るであろう

 
 なお、2004年の年初来高値を付けていたリチウムイオン乾電池電極の原材料として用いられているレアメタル、「コバルト」の価格は、コバルトに代わる代替原材料の開発が進み、コバルトの国際価格も低下している=参照:本欄、下記の「コバルトーリチウムイオン電池関連」果たして、今後においても「液晶」や「PDP」「有機EL」「SED」−−などの薄型ディスプレーに用いられる原材料の技術革新は可能なのであろうか

 
液晶基幹部品を樹脂製にーガラスから転換・コスト半減
 国内12社でつくる国家プロジェクト「次世代モバイル用表示材料技術研究組合」は、現行のガラス製に代わる液晶ディスプレイーの基幹部品を樹脂で作ることに成功した。ほかの部品も樹脂で作れるとみられ、製造コストを半減できるという。年内にも国内液晶メーカーにサンプル出荷する。液晶の駆動にかかわるTFT基板もガラスから樹脂に転換できるめどをつけており、実用化を急ぐ。
−−(2005年2月18日)

   (参照):本欄【今後大きく期待される産業分野】 
         ー各国の液晶・PDP事業はほぼ出揃ったー
          次なる焦点は「有機EL」と「中国液晶」



 (C) International Highway Construction Corp.,
Committee for Promotion of International Highway Project   Northeast Asian Development Forum

IHCC Web Library のご利用について  (著作権・リンク・免責事項等)