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長年にわたって、日本造船業界の衰退が叫ばれて久しい。しかしこと「造船業」に関していえば、今や世界的な潮流となっている家電やコンピュータ製品のような、中国への生産シフトはなかなか起きないようだ(左記の「日韓中の造船完工量」、「国土交通省・HP」参照)。そこには半導体産業のように、製造装置を導入さえすればいたって簡単に製造できる産業とは異なり、長年にわたる人から人への技術の蓄積と、その伝承という過程を通じて成り立つ、造船業特有の根本的な産業構造があるようだ。
しかしこの造船業界にも、他産業同様、高齢化による就業人口の減少や、人件費や機材費などのコストアップ要因によって、採算性の合わない船種などは、次第に第三国(韓国や中国など)へ移転せざるを得ないことは、すでに時代の流れとなっている。このような中で、日中による造船分業化への移行は、すでに始まりつつある。また中国造船業自体も、その建造能力を高めつつある。
日中造船の分業化時代の先駆けとして挙げられるのが、川崎重工業と中国海運最大手の中国遠洋運輸集団(COSCO)が折半出資して設立(1999年)した、「南通中遠川崎船舶工程」(NACKS、江蘇省南通市)である。これまでの受注実績は26隻を数える。両社間では、川崎造船が高付加価値船である、LNG・LPG運搬船や新型VLCCにシフトしている。一方、人件費比率の高いバラ積み船やタンカー(VLCC)などを中国に移転している。これにより、資機材(鋼材や艤装品)などの両社による一括購入による、コスト削減効果をもたらしている。
【註】 川崎造船は中国の合弁造船会社、「南通中遠川崎船舶工程」(NACKS、江蘇省南通市)がコンテナ積載個数1万TEUのコンテナ船4隻を中国海運最大手の「COSCO」グループから受注した。2008〜09年に引き渡す予定=参照サイト:「南通中遠川崎船舶工程」(Home page)
中国政府は、2005年に世界シェアを15%、2015年には同25%まで押し上げる計画である。特に、中国海運最大手の「中国遠洋運輸集団」(COSCO)の自社船が今後、更新時期を迎えるが、これまでの海外建造から自国建造に乗り換えが顕著に進むとみられる。この中国船籍の更新需要だけでも、シェア・アップ要因となり得る。したがって今後、この日中間における、造船分業化の動きは他の造船メーカーへも波及していくものと思われる(註1-1)。
(註:2003年度における各国の造船受注累計は、@韓国が1,711万CGTA日本が1,079万CGTB中国が369万CGT、その他に、欧州が284万CGT−−などの順となっている。ーーロイド統計)

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(参照サイト):「我が国造船産業のビジョンと戦略」(「国土交通省」ホームページ)
(参照サイト):「世界の造船関係統計」(社)日本造船工業会
(参照サイト):「中国船舶工業集団公司」ホームページ(中国語)
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