|
中国自動車産業とは直接的にはあまり関連はないが、今後の公共インフラの整備ーーとりわけ、高速道路の維持・補修などーーにおけるメンテナンス業務部門の土木建設機械需要に期待が集まる。これは、わずか10年足らずの間に、全国高速道路網20,000kmの整備を成し遂げ、今後さらに10年ほどをかけて、最終的に、全国35,000kmの高速道路網構築を計画している、ことからもいえる。
すなわち、あまりにも急速な道路整備はある意味で、構造上の欠落を露呈しかねない。それは、路盤の強度不足などからくる、高速道路自体の耐久性に関わる問題の発生である。特に、交通量や積載荷重の大きな区間、あるいは冬季の寒冷地などでは顕著に現れてくるものと思われる。
▼機械化の進む工事現場(北京郊外) ▼人海戦術の道路工事(北京市)
(写真:「酒井重工業」ホームページ、「ニュースレター」
2001年12月号)

建設から5年〜10年が経過する中国各地の高速道路では、今後、路面の補修あるいは場合によっては、路盤自体の改良が必要とされる区間もでてくるであろう。したがって、そのための保守・改修用建設機械の増強は避けられなくなる。
(参照):本欄「瀋大高速道路が新たに改造・開通」
(註:本欄を記載したのは2002年当時であったが、急速に進む中国の高速道路建設には
一抹の不安があった。やはりその指摘は現実のものとなりつつある。今後も、瀋大
高速道路同様な路盤の全面改良が必要な路線はかなりの数に上るものと見られる。
ある意味では、長い将来にわたって、アメリカ同様な全土にわたる路面の補修・改良
工事が必要になる時期が訪れるであろう)
中国ではこれまで一般的に、道路や鉄道などの公共インフラ建設は雇用の促進という観点からも、人海戦術をとってきたきらいがある。しかし、すでに供用している高速道路の補修などは、そのような人手に頼ることは、工事期間の短縮化やコスト的にも負担が大きい。したがって、工事補修用機械の導入や、道路メンテナンス業務の需要は、今後ますます高まることと思われる。また、これまで官主導で建設・運営されてきた中国高速道路であるが、今後、交通量の増大が見込める区間は、順次民営化(BOTも含め(註1))の傾向が強まるとみられる(=参照:本欄「北京市内の「高速道路」整備状況」)。
【趣旨】 本稿を記載した時期と目的は、中国における高速道路の整備ならびにその後における路盤等のメンテナンス事業に重きをおいたものである。中国本来の高速道路整備計画を基準にしたものであり、今日的な土木・建築需要を見越したものではない。
(註1:北京市は2008年開催の五輪に向けて、市内の高速道路整備のため、「BOT]方式を積極的に導入する方針。北京市は2005年までに、二本の環状高速道路と、八本の放射状幹線道路を整備する。そのうち、北京〜承徳(北京の北東約180km)間を結ぶ、高速道路にBOT導入を検討中。ーー日本経済新聞、2002年6月17日付夕刊)
【北京市政府、インフラ建設を民間資本に開放】
北京市政府は、地下鉄や高速道路の建設など4件の交通インフラ整備事業を民間資本に開放する。具体的には、「地下鉄整備事業」2件のうち、「4号線」の建設では全長28.14km、地下駅23駅と地上駅1駅が建設される予定。投資総額は148億4,100万元。2003年12月の起工、2007年12月の試運転開始を目指す。「10号線」1期工事(オリンピック支線含む)は、投資総額は153億4,700万元。本線は全長24.59km、地下駅22駅が建設される。「オリンピック支線」は全長5.91kmで地下駅4駅を建設する予定。「高速道路整備事業」2件のうち、北京市と河北省承徳市を結ぶ「京承高速道路」2期工事では、「高麗営〜沙ヨク溝」間が建設される。投資総額は33億元。また、整備事業の一環として、北京と石家荘を結ぶ京石高速道路の北京市区間を対象とした高速道路株式譲渡計画が実施される。同区間は全長は45kmで、すでに完工している。北京市交通委員会の趙文芝主任は「インフラ設備への投資には、投資期間が長くリターンが少ないという特徴がある」とした上で、「委員会は市の交通インフラ建設への投融資システムを改革して、各種資本が同分野に参入することを奨励する。加盟経営を通じて、経営者の合法的権益の保障に努めたい」と述べた。−−(中国「人民網」HP、2003年9月12日付)
(参照サイト)
:「南京市、長江二橋をスペインのMQM社が落札」「中国情報局」、2003年9月20日
:「南京市、45億元で橋売却、公共事業市場化視野に」「中国情報局」、2003年9月16日
(参照):本欄「北京市、総合交通体系の運行状況」
(参照):本欄「中国・海外「建設」現地法人設立が施行」
|