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中国のWTO(世界貿易機関)加盟に伴い、海外の建設会社が中国本土で建設事業を行うには、現地法人の設立企業に限る法律が2003年10月1日から施行される。この措置に対して、大手ゼネコンでは現在、現地法人を設立しつつある。具体的には、「大成建設」が「中国建築工程総公司」と合弁した「中大実業」と、「竹中工務店」が「北京市建工集団」と合弁した「長城竹中建設」、「鹿島建設」、「清水建設」、「大林組」も現地法人設立に向けて動いている。中国はこれまで、外資による100%の現地法人の設立を認めてこなかったが、今回の措置で外国企業の参入障害であった外資規定を撤廃(海外ゼネコン〔総合建設会社〕による全額出資子会社の設立を解禁など)、内外企業の差別がなくなることになる。しかし、まだまだ外資企業には会社設立における高い基準が設けられている。なお、現地法人を経由しない直接受注は2004年4月から全面的に禁止される。

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具体的には、
@【特級会社】 請負工事の金額に制限なく受注できる。資本金が3億元(約45億円)以上、従業員300人以上。制限なく受注できる(中国企業のみ)。
A【1級会社】 請負金は資本金の5倍以下。資本金が5,000万元(約7.5億円)、従業員300人以上。40階/20万m2以下の工事を受注できる。
B【2級会社】 請負金は資本金の5倍以下。資本金が2,000万元(約3億円)、従業員150人以上。28階/12万m2以下の工事を受注できる。
C【3級会社】 請負金は資本金の5倍以下。資本金が600万元(約9,000万円)、従業員50人以上。14階/6万m2以下の工事を受注できる。
日系企業では、「大成建設」の「中大実業」が「1級会社」(註1)、「竹中工務店」の「長城竹中建設」は「2級会社」である。「鹿島建設」、「清水建設」、「大林組」の現地法人は「2級会社」の規模になると思われる。そのほか、準大手・中堅の中国・現法設立については、「前田建設」が「検討中」、「五洋建設」が「動向を注視」、「鉄建建設」が「慎重に対応」、「熊谷組」が「検討中」ーーなど、慎重な姿勢が大勢となっている。ところで、2001年度におけるわが国ゼネコンの海外受注実績は、@シンガポールの1,265億円、A米国の963億円、Bタイの931億円、C台湾の903億円、D香港の590億円、E中国の390億円ーーなどとなっている。
(註1:「大成建設」の場合、他の大手ゼネコンとは異なり、全額出資の現法設立を見送っている。中国現地企業との折半出資する「中建ー大成建設」(北京市)を設立。折半出資会社は「1級」で、資本金は5,000万元。)
【日系ゼネコンの中国現法設立動向】(2003年10月以降)
●「三井住友建設」 上海に全額出資の現地法人(「施美高工程公司」)を設立。すでに現法設立を申請中。資本金2,000万元(約3億円)、従業員150人程度、「2級」の現法。
●「竹中工務店」 上海市に全額出資の現地法人(「竹中建設工程」)を設立し、主に日系企業の工場建設を請け負う。資本金は5,000万元(約7億5,000万円)、従業員150人程度、「2級」の現法。北京市の合弁会社に続く二つ目の拠点となる。
●「大林組」 これまでも上海市や大連市で大規模なオフィスビルを施工するなど、多くの工事を手掛けてきましたが、今後の営業活動を積極的に展開するために上海市に全額出資による現地法人(「大林組(上海)建設有限公司」)を設立。資本金は3,000万元(約4.5億円)、建設業ライセンスも取得する予定。「2級」の現法。
◆大林組が中国撤退、工事の資格規制で受注振るわず
大林組は中国の現地法人、大林組上海建設を近く清算し、中国市場から撤退する方針を明らかにした。すでに新規の受注活動は中止している。2003年に設立した現地法人は中規模のビルなどを建設できる「2級」ライセンスを取得。年間50億円の受注目標を掲げていたが、受注が振るわなかった。大林組は上海に駐在員事務所を残し、過去に手掛けた建築物の保守業務などの窓口は残すが、営業活動からも撤退する。−−(「日本経済新聞」、2011年2月9日)
●「清水建設」 清水建設は、2003年7月に全額出資の現地法人「清水建設(中国)有限公司」を上海市に設立。10月27日付けで建設業ライセンス(2級資質)を取得し、営業活動を開始した。営業地域は上海市・江蘇省・浙江省・遼寧省・広東省・北京市・天津市を中心に、日系企業の動向に応じて拡大していく予定。
●「フジタ」 フジタは上海に全額出資の現地法人「藤田(上海)建設工程」を設立した(。資本金は約3億4,100万円(2級現法)。現在、建設業ライセンスの取得を進めている。「フジタ」は1987年に中国に本格進出。特に、工業団地造成に強い。
●「戸田建設」 戸田建設は中国現地法人を子会社化する。2003年度内を目処に、現地企業との合弁を解消、出資比率を45%から95%に高める。子会社化するのは1987年に設立した「上海住益戸田建設」(上海市)。同社の資本金は160万ドル、現地の大手ゼネコン、「上海住総」が50%、戸田建設が45%、東京三菱銀行が5%を出資している。今後は、戸田建設が「上海住総」の持ち分すべてを買い取る。新しい出資比率は戸田建設が95%、東京三菱銀行が5%(資本金から勘案すると「3級」会社)となる。
●「鹿島建設」 鹿島建設は2003年、全額出資の現地法人「鹿島(上海)工程有限公司」を上海市に設立したが、2004年1月に建設業許可を取得した。資本金は2,500万元(約3億5,000万円=2級現法)、従業員150人を配置。
●「東洋エンジニアリング」 東洋エンジニアリングは2005年4月、上海に全額出資の現地法人「東洋工程(上海)有限公司」を設立した。外資エンジニアリング企業で同ライセンス取得(取得資格:化工石油工程2級、他)は初めて。取得により中国国内での設計・調達・工事(EPC)に関するすべての業務を一貫して行うことが可能となる。新会社の資本金は3,000万元。各種プラントのEPC業務や技術コンサルティングを行う。これまであった同社の現地法人「同洋成套設備貿易(上海)有限公司」は中国製機器・資材の調達サービスを継続するため、「Toyo
Engineering Corporation,China Procurement(略称:Toyo-China)」として存続する。東洋エンジニアリングは1972年の日中国交回復後、第1号のプラントを輸出。約30年間に渡って110件以上のプラント輸出の実績をもつ。現在では華東地区での日系企業の中国進出サービスや四川省での世界最大の燃料用DEMプラントの建設などを行っている。
●「大成ロテック」 大成ロテックは舗装用材料のニチレキと共同で、中国・北京市の建設会社に出資した。2008年の北京五輪開催を控え、急ピッチで進む公共インフラ整備事業に参画する。日本の道路舗装会社が中国市場に参入するのは初めて。北京市市政一建設工程責任公司(北京市)の増資をこのほど引き受けた。大成ロテックが1500万元(約2億円)、ニチレキが500万元(約6500万円)を払い込み、日本側の出資比率は23.53%となった。同社は中国で公共事業に強い北京市政グループの中核企業。外資比率が25%を下回る合弁会社として、出資後に営業許可を取得している。
●「前田建設」 前田建設工業は中国のマンション最大手、万科企業と合弁で、中国市場に再参入する。万科が手がけるマンションの設計や施工の管理に加え、コンクリート部材の施工技術を供与する。前田建設は地元のマンション最大手と組むことで、日本の約90倍とされる中国の分譲住宅市場を開拓する狙い。前田建設は数年前に中国本土での工事請負い事業から事実上撤退したが、今回は施工管理業務で成長市場に挑む。合弁会社は「深セン万科前田建築諮詢」で、2011年春設立する。資本金は約1億2200万円。万科が60%、前田建設が40%を出資する。合弁の期間は当面5年、提携効果が上がれば関係を強化する。前田建設は1980年代から中国本土で土木や建築の工事を請け負ってきたが採算確保に苦しみ、香港を除き数年前に事実上撤退していた。
【外国企業の国内建設工事設計、中国側との共同義務付け】
中国建設省はこのほど、国内の建設工事設計を外国企業が行う場合の管理暫定規定を発表し、中国側と共同で行わなければならないと明確にした。規定によると、外国企業は中国の建設行政主管官庁が規定した建設工事設計資格を有する中国の設計企業と共同で設計しなければならない。また中国側企業の資格の範囲内で設計を引き受けることができる。設計契約は中国側設計企業または内外双方の設計企業が建設業者と結び、各方の権利、義務を明確にしなければならない。契約書は中国語でなければならない。規定によると、外国設計企業が中国国内で建設工事の設計を引き受ける場合、中国政府の強制基準と設計文書作成規定に従わなければならない。設計の料金についても中国の基準に従い、中国の法律に従い納税しなければならない。秘密工事、災害対策工事、中国が対外開放を約束してないその他の工事の設計に外国企業が参加することを禁止している。規定は2004年6月10日から正式に実施される。ーー(北京2004年6月3日発新華社=中国通信)
【中国、工事代金の未払い2兆3000億円・賃金不払いも】
中国の黄衛建設次官は8月26日に記者会見し、すでに完了した建設工事の未払い代金が昨(2003)年末で1756億元(約2兆3000億円)にのぼることを明らかにした。農村から出稼ぎにきた建設労働者への賃金不払いも160億元以上に達した。経済成長の底辺を支える建設業者と労働者への未払い問題は中国の社会不安に発展しかねない。未払いの建設代金のうち36.7%は公共工事に絡む。このうち中央政府が予算計上したプロジェクトの分は今年中に支払いを済まし、地方政府の分は来年中に完済する計画。黄衛次官は支払いが滞っている理由について「計画の中身が建設の途中で変わることもある」と述べ、工事の規模が予想より大きくなったことなどを挙げた。中国に3800万人いる建設工事従事者のうち3000万人強は農村からの出稼ぎ労働者。昨年1年間で160億元強に達した未払い賃金のうち98.4%は今年6月までに支払いを終えたという。ただ黄衛次官は「新たな未払いが発生している地域も多い」と指摘、問題解決の道筋がついていないことを認めた。ーー(「日本経済新聞」HP、2004年8月26日)
【中国:建設計画の整理進む、総額8,441億元】
国家発展・改革委員会(国家発改委)が発表したデータによれば、建設の一時中止もしくは取り消しが命じられたプロジェクトは4,150項目、総額8,441億元に達した。そのうち、整理の重点対象となっているプロジェクトは、鉄鋼、電解アルミ、セメント産業などをメインに、政府関連施設の建設、公共インフラ、ゴルフ場、コンベンションセンター、物流センター、大型デパートなどが含まれている。また、2004年に策定した建設プロジェクトの全てが整理対象に含まれており、調査予定のプロジェクトの総数は7万600項目、総額17兆2,744億元に上っている。ーー(「中国情報局」、2004年10月3日・要約)
【建設企業ブラックリスト発表、大手も処分対象に】
北京市建設委員会は、建設業界における違法経営を行なっている企業ブラックリストを発表した。その中には、同市を代表する大型建設企業、「北京市市政建設有限責任公司」(北京市政集団)、「北京住総集団」(BUCC)など35社が含まれていた。35社のうち、安全管理の不徹底による過失事故で摘発された企業は4社、無免許経営が25社、労働者への給与未支払いなどが6社だった。そのうち、「北京市政集団」は、地下鉄5号線の建設にあたり、ケーブルを損傷。多くの企業が通信不通状態になった。一方、「北京住総集団」については、2004年2〜8月にかけて、同社の担当する建設プロジェクトの現場で数回にわたり事故が発生ど、10人が死亡ている。北京市建設委員会は、北京市政集団に対して、トップ企業としてのランクを降格させるほか、6カ月以内の入札を停止。さらに、地下鉄建設プロジェクトに関する証明書を没収。また、「北京住総集団」に対しては、3カ月間の入札停止、関係者の厳重処罰などを命じた。その他の33社も、入札停止などの処分を受けることが決定している。ーー(「中国情報局」、2004年12月15日)
中国建設会社の設立基準
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等級 |
請負工事許可範囲 |
資本金 |
従業員数
(うち技術系従業員) |
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特級 |
制限なし |
3億元
(約45億円)以上 |
300人以上
(200人以上) |
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1 級 |
・請負金は資本金の5倍以下
・40階以下の建築物 |
5,000万元
(約7億5,000万円)以上 |
300人以上
(200人以上) |
|
2 級 |
・請負金は資本金の5倍以下
・28階以下の建築物 |
2,000万元
(約3億円)以上 |
150人以上
(100人以上) |
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3 級 |
・請負金は資本金の5倍以下
・14階以下の建築物 |
600万元
(約9,000万円)以上 |
50人以上
(30人以上) |
道路・橋梁・トンネル建設企業の請負工事規模
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等級 |
請負工事範囲 |
請負工事内容 |
備 考 (注) |
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特 級 |
全等級 |
道路・橋梁・トンネル |
制限なし |
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1 級 |
資本金の5倍未満 |
道路・
橋梁
トンネル |
各等級
各等級
3,000m以下 |
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2 級 |
資本金の5倍未満 |
道路
橋梁
トンネル |
1級基準以下
1スパンが100m未満
1,000m以下 |
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3 級 |
資本金の5倍未満 |
道路
橋梁
- |
2級基準以下
1スパンが40m未満
(500m以下の橋梁) |

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