原油価格の高騰が中国経済を直撃!!
意外と "脆い" 国内市場・流通体制

中国の原油輸入対外依存度
将来の自動車生産大国への足かせ


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 中国の自動車産業が今日のような高度生産体制に入る一昔前(1990年代の中頃まで)、中国の自動車産業は先進国のような自動車の普及率にはならないだろうというのが、国内外の一般的な見方であった。その第一の要因が、燃料である「石油(ガソリン)」の国内供給が行き届かないであろうとするものである。すなわち、人口12億もの人民が先進国並みの自動車普及率を達成することなど、物理的に不可能であるというものである(基本的にはこの見解は今日はもとより遠い将来においても変わらないであろう。そのほうが人類のためでもある)。中国の場合、「人」や「物」などの大量移動は今後も基本的には、「鉄道」や「航空」「船舶」に移行したほうが懸命であろう。

 (:中国における貨客輸送機の保有数が2023年までに2,769機(旅客機2373機、輸送機396機)に達するとの予測がある。そのうち、今後20年間に補充する旅客機は2,194機に達する見通し。特に、新たな成長分野として「コミューター」路線が注目され、省都クラスの都市と中小都市を結ぶ路線、西部の観光都市などを結ぶ航空路線網が主力として構築されるという。)

 (註:中国の鉄道政策については、本欄:「中国鉄道貨物輸送の特徴」を参照)

 (▽写真は交差点での信号待ち渋滞ではない。GSでの給油待ちのクルマである。ちょっと信じられない光景。地方都市のGSなどではすでにガソリンの供給が停止しているところが出始めている

 それを裏付ける数値として、中国の原油輸入量がある。2004年度における原油輸入量は1億2,272万トン(前年比34.8%増)と急増している。輸入原油の海外依存度は40%ほどになる。本欄(参照:「中国の産業高度化がもたらす資源争奪時代)でも記載しているように、中国の2020年頃における原油需要量は5億トンほどと見込まれ、国内生産量の1.7億トン前後から差し引いたおよそ3.3億トンほどが不足(輸入原油)する。この中国自動車生産の「限界説」を裏付ける内容が、国家標準委員会(国家質検総局との共同)から出された。いわく、「中国の原油輸入量の3分の1が、乗用車によるもの」と、「乗用車の燃料消費量における制限値について」と題した発表会で出された。これは中国で初めてとなる「自動車の燃料消費量をコントロールする国家基準を作成した」ものという。また、「資源節約の標準化」を制定後、自動車の燃費問題についても乗り出すとしており、今回公布された標準のほかに、燃費についての申告、公布制度や、燃費標準制度、自動車税など関連政策の研究、実行を強化しなければならないと強調している。

 【註】 中国における原油精製量の減産が鮮明になってきた。また国家の価格統制下にあるガソリンや軽油などの市中での品不足も深刻になってきた。この背景には、供給を抑えて価格を引き上げたい石油大手の思惑があるようだ。中国政府は、北京など一部都市でタクシー向けに燃料費の補助を始めた。

 (参照):本欄「市場経済原理に基づいたガス・原油供給

 ≪中国・燃料不足の近況≫

 【記】 ガソリンスタンドに徹夜で長蛇の列 割り込みは処罰

 雲南省昆明市のガソリンスタンドではディーゼル油を給油するため数kmに渡る自動車の行列が一日中できており、割り込みなどのトラブル防止のため警察官が出動する騒ぎに発展した。15日付で新華社が伝えた。新華社の記者が取材に訪れた11月14日午前には行列が約2kmできていた。列に並んでいるドライバーは「数日前には行列の長さが4、5kmにもなったようだ」と述べた。このドライバーは14日の午前4時ごろにガソリンスタンドにやってきたが、車を少しずつ前進させないといけないので一睡もしていないという。あるトラックのドライバーは「近所のガソリンスタンドでは1回で200元分の給油しか認められていない。これでは全然足りないのでここまで給油にやってきた」と語った。ガソリンスタンド周辺ではトラブル防止や交通整理のため警察官が出動。割り込んだドライバー4人が処罰を受けたという。中国ではガソリンやディーゼル油などの小売価格が2007年11月1日から1トン当たり500元引き上げられた。
ーー(「中国情報局」、2007/11/15)

 
:国家発展・改革委員会(発改委)価格司の劉振秋副司長は2007年10月31日、ウェブを通じて「ガソリン、ディーゼル油、ジェット燃料の小売価格を11月1日から1トン当たり500元引き上げる」と発表した。全国の平均小売基準価格はガソリンが1トン当たり5,480元から5,980元に、ディーゼル油が1トン当たり5,020元から5,520元になるという。劉氏は「消費者が受け入れられる範囲内の値上げだ」と述べた。)



 
ガソリン・ナフサの輸出増値税還付、一時取り消し


 
国家財政部と国家税務総局は、車輌用ガソリン、航空機用ガソリン、ナフサの輸出に係る増値税などの還付を、2005年9月1日から12月31日まで暫定的に取り消すことを明らかにした。中国の2005年度におけるガソリン輸出量は単月ベースで前年同期比38%増の58万トンに達している。また、国家統計局のデータによれば、中国の原油価格は前年より43.3%上昇、その一方で、ガソリン生産量の上昇率は10.8ポイント縮小。また、ナフサの2005年1〜5月の輸入量は8万トンであるのに対し、輸出量は91万9,489トンと前年同期の3倍に増えている。ガソリン輸出の急増は、中国のガソリン価格が国際価格を大きく下回っていることが要因。中国の石油製品価格の指標となるシンガポール、ロッテルダム、ニューヨーク市場のガソリン価格(8月29日現在)は1バレル=78.302ドル。人民元に換算すれば1トン=約5,505元となる。一方、中国のガソリン価格は1トン=3,946.6元と、国際価格より1,400元安い。今回の措置により、中国石油化工集団公司(中石化、シノペック)は、9月のガソリン輸出を8月の15万トンから2万トン以下へ一気に引き下げる計画だとされる。中国石油天然気(ペトロチャイナ、中石油)、大連西太平洋石油化工有限公司もまた、9月のガソリン輸出を8月の30万トンから11万トンに引き下げるもよう。ーー(「中国情報局」、2005年8月30日)

 【註1】 北京市では、タクシー運転手が負担する燃料費の補助金額を増加する緊急措置に出た。1メーター1.2元のタクシーでは月240元、1.6元と2.0元では月300元が現行の補助額に上乗せされる。補助金は、北京市政府とタクシー会社が負担する。上海でも8月からタクシー運転手に対する燃料費補助を実施しているが、これは臨時措置にすぎないとして、原油価格とタクシー運賃を連動させるシステムの導入を検討している。中国のタクシーは日本のような売上による歩合制ではなく、請負制であるのが一般的。運転手は毎月一定額を会社に上納するのと引き換えに、会社から営業車を借り受ける。燃料費は運転手の負担になるため、燃料価格の高騰は、運転手の所得に直結している。ーー(「中国情報局」、2005年8月12日)

 【註2】 中国の貿易統計によると、2005年1月〜6月までにおける軽油の輸入量は21万7,116トン〔前年同期比80.9%減〕であった。また灯油やジェット燃料に使うケロシンも同10.2%減、重油も同17%減少している。その一方で、輸出は急増している。軽油は同期63万0,532トン〔同約2.5〕、シケロンは同22%、重油は同30%以上増加している。輸入急減の背景には、あまりにも安すぎる中国国内における石油製品の内外価格差にある。

 【註3】 報道等によると、中国の地方都市などでガソリンスタンドへの燃料供給が停止されているケースが頻発しているようだ。またガソリンが給油されているスタンドで給油待ちのクルマが道路に溢れかえっている光景もある(上記の写真参照)。7月の乗用車販売台数は前月比で1割ほど低下しているが、その要因として、ガソリンの供給不足によって消費者がマイカーを買い控えているという。


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