日産自動車と東風汽車の合弁
日産、台湾系の「裕隆
汽車」を活用
ー製造拠点・車種・台数など、大枠が出そろうー


 ≪合弁会社の経過≫

 
日産、中国・東風汽車と合弁新会社「東風汽車有限公司」を設立(2003年6月9日)
 
日産自動車は中国の大手自動車メーカー、東風汽車(湖北省)と合弁で新会社「東風汽車有限公司」を設立した(2003年6月9日)。湖北省武漢市での新会社設立式典には日産のカルロス・ゴーン社長と東風汽車の苗社長が出席。新会社は中国の自動車合弁会社では初めて乗用車、トラック、バスなどをフルラインで生産する企業となる。資本金は約2,400億円で日産側が約1,200億円を出資、中国側は同額相当を現物出資する。日本企業の対中直接投資としては最大規模。本社は武漢市、従業員数は7万4,000人。会長には苗氏が、社長には日産の中村克己常務がそれぞれ就任する。
 
(参照:「日産と東風、新会社「東風汽車有限公司」を設立」、ニュース・リリース、2003年6月9日)


 
日産、中国合弁の乗用車生産能力引き上げ (2003年6月13日)
 日産自動車は2004年春までに中国の合弁会社の乗用車の年間生産能力を現在の6万台から4.5倍の27万台に引き上げる。中国市場は乗用車の需要が拡大しており、日産も2006年までに6車種を現地販売する方針。生産能力の増強で需要の増加に対応する。中国の自動車大手、東風汽車(湖北省)と設立した合弁会社の花都工場(広州市)、襄樊工場(湖北省襄樊市)の2工場の生産能力を増強する。具体的には、花都工場に年産能力15万台の生産ラインを新設。既存の生産ライン(年産能力4万台)は休止する。襄樊工場では現在の同2万台の生産ラインに加え、商用車の生産ラインを乗用車用に改修し能力を年10万台分増強する。日産は現在、中国で「ブルーバード」を生産している。6月から「サニー」の生産を開始、2004年には高級セダン「ティアナ」を生産する。2006年までに中国向けに開発した新型車を含め新たに6車種を発売。同年までに年22万台の販売を見込む。

 
日産の合弁会社、中国専用トラック共同開発(2003年11月19日) 
 
日産自動車、日産ディーゼル工業と中国自動車大手の「東風汽車」の3社は中国市場向け専用の「大型」・「中型」トラックを共同開発する。日産自動車は中国事業の中期計画で2006年までに乗用車と商用車を合わせて年55万台の販売目標を盛り込む。トラックの共同開発で商用車の品ぞろえを増やし、計画を達成する。共同開発するのは積載量4トン級の中型車と同10トン級の大型車。日産ディーゼルを中心に、現地メーカー製品に比べて安全性や快適性を高めた高級仕様の運転室の開発を進めている。エンジンや車台なども含めた車両全体の開発作業の共同化も今後、検討する。トラックの価格が日本の半分以下という中国の実情に合わせ、製造コストを徹底的に削る。中国・湖北省の日産と東風の合弁工場で生産し、「東風」ブランドで2006年にも発売する。日産と日産ディーゼルは小型トラック開発の共同出資会社が別にあり、ここでも中国用製品の開発を進める。日産ディーゼルと東風も大型高級バスの共同開発に取り組む方針。 ーー(「日本経済新聞」、2003年11月19日)


 
日産:東風汽車有限に84億5,000万元投入(2003年12月23日)

 
これまでの日系自動車メーカーの対中投資は、車種を絞り込んだうえで、生産し、ある程度の売れ行きをみた後に増産、軌道に乗ったところで次期の主力車種を選定するという、ある意味では慎重な生産体制で臨んできている。これは中国政府による自動車業界に対する、生産車種ごとの認可制があるためでもある。しかしこと日産と東風の合弁会社である、新「東風汽車」(東風汽車有限公司)に関しては、この例外が省かれ、一時期に6車種まで(7車種目以降は別途に認可を要する)、政府の逐次認可なく自主生産できる、という特典が今回の合弁事業には与えられている。そのためか、新「東風汽車」の2004年〜2007年度における事業計画は、投資規模で他社を圧倒するものとなっている。具体的には、2007までに研究開発費として23億元(約300億円)、設備投資に145億元(約1,900億円)の合計168億元(約2,200億円)ほどが投入される。そのうち、日産側が84億5,000万元を投資、その他の不足資金に関しては営業利益から調達する。2007年時点における売上高予想額を800億元、営業利益80億元(売上高の10%)、販売台数62万台を計画している。さらに、3Sディーラーを2003年末の90店舗から2007年末には300店舗まで増強、ディーラーの店舗総数を800店舗程度までに増やす。


 日産自動車系列の中国進出状況
 
 
日産直系の駆動部品メーカー、「フジユニバンス」は日産が中国で車輛生産を本格化すると同時期に、フィージビリティースタディーを開始した。また内装品メーカーの「河西工業」も、日産の中国進出に伴い、上海市郊外に「ドアトリム」の生産工場を建設する検討に入った(同社は現在、「鄭州日産」向けに「ドアトリム」を供給する「常州河西汽車内飾件」(出資10%)があるが、単独進出する意向)。また日産系最大の「カルソニックカンセイ」も本格進出し、モジュール生産を狙う(註1。系列を離脱したランプメーカーの「市光工業」は、台湾の「健生公司」と折半出資で、上海市郊外に合弁会社を設立する。
  
 これまで、日産は中国で本格的な車輛生産をしてこなかったため、主要な部品サプライヤーも本格進出の動きはなかった。東風グループ傘下の部品メーカーが100社近くあるため、部品調達は確保済みーーとはいうものの、日系メーカーの協力なしには、高品質な車輛生産は難しい、との指摘もある。

 
註1:日産自動車は2004年に合弁会社「東風汽車」の襄樊工場で生産する「ティアナ」を皮切に「モジュール」生産を導入する。そのため、日産の各工場にモジュール部品を供給する「カルソニックカンセイ」は、東風汽車の花都工場(広東省広州市)近郊のほか、襄樊工場(湖北省襄樊市)に近い上海に、モジュール」(カルソニックカンセイ(株)HP参照)製造拠点設置の検討を始めた(註1-1)。

 「カルソニック」、台湾系合弁会社などからモジュール生産の95%を現地調達
 「カルソニックカンセイ」は日産自動車の中国合弁向け事業計画の骨子を固めた。広東省に進出している関係会社を部品購入先として活用し、運転席周りなどの「モジュール」を構成する部品の95%を現地調達する。「カルソニック」が出資する台湾企業5社が中心となって2001年に設立した「恵州東風易進工業」〔広東省・恵州市〕から計器盤、メーター、マフラー、ラジエタ−などの主要部品を調達する。「恵州東風易進工業」の製品が購入部品全体の70%を占める見通し。2004年秋にも生産を開始する高級セダン、「ティアナ」など2車種の「コックピット・モジュール」と「フロントエンド・モジュール」を、「襄樊」工場と「花都」工場に供給する。新「東風汽車」の工場に隣接して、部品倉庫を設置する。「襄樊」工場は広東省から約1,500kmほどの距離があり、トラック輸送に数日かかるため、最大1カ月分の在庫を確保する。また車輛組立て工場内に「モジュール」専用ラインを設ける



 (参照):「広東省広州市周辺の高速道路整備



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