北京市、交通管制システム導入を計画
「北京市公安局・公安交通管理局」発表によると、2003年現在における北京市の自動車所有台数(自動車・二輪車・電動車などエンジン付き車両全般を含む)が200万台を突破した。そのうち個人所有は全体の64%に当たる128万台。急激に自動車所有台数が増加した結果、朝夕の渋滞や大気汚染などが大きな社会問題となりつつある(参照:本欄「北京市内の道路渋滞状況」)。
(参照:本欄「北京市、総合交通体系の運行状況」)
北京市は現在、交通管制センターが市内1,040ヵ所の信号機を制御しているが、そのうち、集中制御式信号機で制御されている交差点は236ヵ所で、そのほかは単独制御となっている。そのため北京市は、2001年にITS発展を目的とした、第10次5カ年計画(2001〜05年)を打ち出した。それによると、5億4,000万元を投入して、2004年までに北京市のITS化を先進国基準までに引き上げるとしている。さらに交通管理局は信号制御について、3年以内に四環路管内の交差点約800ヵ所以上の信号機を集中制御にする計画を立案。また2008年までに集中制御式信号を1,500ヵ所まで増設させる中期計画を立てている。2008年には「北京五輪」の開催が控えており、急ピッチでインフラ整備が進められている。道路交通網の拡大とともに、今後、交通管制システムの整備が急務となっている。
北京市、交差点での道路運行状況
▼ (C):IHCC、映像撮影:2005年12月)
(※デジカメ撮影のため画像を拡大すると画質が落ちます)
≪天安門広場に初の横断歩道用ソーラー型信号機≫
北京市は天安門広場横の横断歩道に、太陽発電型の信号機を初めて設置した(右記の写真参照)。この信号機は消費電力が少なく、環境にやさしいうえ、充電が可能なため、夜間も使用できる。信号機の設置は、道路を横断する観光客の安全を配慮した措置だという。
(註:「交通管制」システムの初歩的なものとして、「信号機」による運行管制がある。「クルマ」中心の社会においては、歩行者優先の「横断歩道」を必要に応じて設けるのもままならない。多くの発展途上国と呼ばれる国々で共通した問題である(参照:本欄「バンコクの道路状況」)。まずこの辺りから、ドライバーのモラル教育をしていかなければならない。しかしそれ以上に、「クルマ」の増加率のほうが早く、抜本的な対策を講じる必要がある。
まず挙げられるのが、「信号機」による運行管制システムの導入がある。簡単なものとしては、ある一定の間隔にある信号機間での「時間差」や、「赤信号」・「青信号」等の点滅時間を変えるだけでも、「クルマ」の流れに効果があるという。わが国の東京都心などの幹線道路でお馴染みのシステムである(参照:本欄「日本の交通管制(信号機)システム」)。また最近では、交通量をセンサーで感知してその情報をコンピュータ処理して、交通情報としてドライバーに伝達するシステム(VICS)もがわ国では進みつつある。今後、中国の主要大都市でもこれらの「交通管制」システムの導入が進められることになる。)
(註:これまで、北京市街地の渋滞状況については、各種の報道等でいわれてきたが、なかなかその実体が定かではなかった。この渋滞問題も、日時(大型連休など)や時刻(朝夕のラッシュ・アワーなど)、あるいは場所(市街地の一般幹線道路と環状道路への出入口)などにより、かなりの差異があるものといえる。)
このように、中国自動車産業の将来展望は、先進諸国がこれまで歩んできたクルマ社会の利便性や快適性などの利点と、大量自動車交通によってもたらされる社会的弊害(大気汚染、交通渋滞、事故の多発など)というジレンマに、今後突き当たることになる(写真参照)。この自動車産業の将来舵取りは、人口の多さ、国土の広さからくる現実社会における中国自動車社会の弊害に対して、今のうちにその対策と方向性を見出していかなければならない時点に差しかかっているといえる。
【北京市、「ナンバープレート」費徴収などマイカー利用制限を検討か】
北京市は交通渋滞緩和策の一環として、「マイカー」の使用を抑制することを検討中といわれる。北京市交通委員会が発表(2003年9月23日)した具体策によると、@「ナンバープレート」費の徴収A市中心部における駐車スペースの制限ーーなど。また公共交通機関の利用を促進するため、ターミナルに無料駐車場を設けて乗り換えの奨励や、タイヤ方式の新交通システムの導入ーーなどが掲げられている。
そのなかでも、今後注目されるのが、「マイカー」取得に際しての「ナンバープレート」費の徴収が果たして実施されるかである。これまで北京市においても検討が行われては、産業界の反対(註1)で見送られてきた「ナンバープレート」費徴収である。しかし最近では、ここ数年(10年)来における北京市の「マイカー」対策は、上海などに比べても十分ではなく、都市交通の渋滞を招いているのも事実である。そこで検討されているのが、@小型自動車に対する「ナンバープレート」費徴収A「二環路」内や交通渋滞が激しい地域での「道路混雑費」名目の費用徴収ーーなど、「マイカー」使用に一定の制限を設けるという案が挙がっている。しかし「実施時期」などについては未定である。
(註1:北京市人民代表大会(市議会)常務委員会で、交通管理問題に関する市政府の報告が行われ(2003年10月17日)、委員からは市が導入を計画している小型自動車のナンバープレート費に対する批判意見が続出した。そのなかで、「市外からの自動車進入量をコントロールすべきであり、マイカー購入を制限してはならない」と発言。他の委員からも「同政策はマイナスの影響を生じる恐れがあり、導入すべきでない」として見直しを求める声が相次いだ。批判を浴びた市交通委員会は閉会後、「現在のところナンバープレート費の徴収問題は存在しない。今後そうした政策が必要なら、人民代表大会と各界に広く意見を求める」とコメント。当面は同政策を導入しない考えを示唆した。)
また、「駐車スペース」での料金システムも見直しが検討されている。具体的には、地域や時間帯によって料金設定を変える方法が考えられている。基本構想では東城・西城・崇文・宣武の旧市街地と中央商業区(CBD)・中関村などーー渋滞が激しい区域の駐車スペースの新設を厳しく管理。「二環路」内では駐車スペースを一定量に制限する。一方で周辺地区では開発が進んでいる地域を除いて駐車スペースを増やす。さらに、「タクシー」についても総量規制し、タクシー乗り場を合理的に配置するなどして空車走行を減らす。このほかラッシュ時の集中を改善するため、貨物輸送と旅客輸送のピークが重ならないよう調整する。
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(参照):本欄「北京市内の幹線道路・交通機器・駐車状況」
(参照):本欄「北京市内の道路状況」(1997年)
≪Special
Report≫
(参照):本欄「北京市、交差点での道路運行状況」
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