中国高速鉄道受注形態の他との比較
ー第3国も視野に入れた合弁方式が最適ー
事故・故障等の補償問題は個別企業の自体責任


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 中国の「北京〜上海」間の高速鉄道受注競争も、いよいよ最終コーナーに入ってきた。中国首脳陣があれほど推していたドイツの「リニア」方式ではあるが予想の通り、技術的な欠陥を露呈しだし、ほぼ受注競争からはずれた。残るのは日・仏・独のそれぞれの高速鉄道であるが、ドイツの「ICE」は日本の新幹線との共同受注を中国側にもちかけるなど、すでに「白旗」を揚げた状態であるといえる。したがって、最終的な受注競争に残るのは、日本の「新幹線」とフランスの「TGV」方式となる。これは先般の韓国と台湾の高速鉄道受注と同じ様相を呈してきた感がある。その中でも、ひときわ優位に立っているのが、日本の「新幹線」方式というのが衆目の一致した見方のようだ。しかしここにきて、日本国内において、産業界の中からも慎重な意見が出始めてきた。それは文字通り、「中国ビジネス」の難しさのゆえでもある。

    ≪初稿:2003年7月 記≫    




 そこで、中国高速鉄道受注形式の「方策」を先行する他の二案(韓国・台湾高速鉄道)と対比しながら検証してみよう。
 
 1)韓国高速鉄道の受注形態

 まず韓国高速鉄道であるが、この受注競争も日仏間で凌ぎを削った。しかし最終的には、フランスの官民を挙げての支援と、当時、韓国側の日本への「反日感情」の高まりとが呼応して、最終的にはフランスの「TGV」方式に決定した。しかし当時、「受注」に敗れたという焦燥感は日本側にはそれほどなかった。それよりも安堵感に近いものがあったことを記憶している。それも今日の韓国高速鉄道建設の進捗状況を見れば、然りかなという思いがするのもいか仕方ない。

 この韓国高速鉄道において、フランスが受注できたのは新聞等の報道によれば、当初契約では46編成(韓国版「TGV」の場合、一編成当たり、2輌の動力車と18輌の客車(最大で935人乗り)で構成される)のうち、フランス側が12編成、残りの34編成が技術提携により韓国で製造されるとなっている。その他に「TGV」仕様のため、信号やポイントなどの関連機器類なども当然入っているとみられる。ところでその後、このフランス製の「TGV」を導入して韓国で試運転したところ、本国のフランスでは起きることがなかった、思いがけない不具合が出始めた(参照:本欄「高速鉄道の本来あるべき姿勢)。その対応をフランス側に申し出たが、「契約上」にはないということで、その申し出を断っている。そのため韓国側は独自(国産化率80%)の車輛製造にとりかかり、現在試作車輛と合わせて、テスト走行を実施している。

 韓国高速鉄道の場合、第一期工事として、「ソウル〜大邱」(約330km)間を、約11年間(試験線着工年の1992年から工事終了年の2003年)、さらに第二期工事として、「大邱〜釜山」(約110km)間を、その後8年間(第二期工事着工の2004年から工事終了年の2012年)の、合計およそ20年近くを費やして総延長約440kmを完工することになる。事業形態としては、当初、半官半民となる。すなわち韓国高速鉄道建設公団(KHRC)が、@新線および在来線との連結線などを建設、A高速列車46編成の走行試験ーーなどを経て、完成後の資産と債務はKHRCからKNR(韓国国鉄)へ一括移管され、以後、KNRの管理運営下におかれる。総事業費は約18兆4,358億ウォン(約1兆8,000億円)、そのうち45%は政府資金、残りの55%は韓国高速鉄道公団が民間金融機関からの借り入れとなる。

 上記の内容を見る限り、韓国高速鉄道においては車輛等の受注後に、民間の企業体が引き続き後継車輛等の受注を取るのは難しいように思われる。したがってフランは、この韓国高速鉄道においてわずか12編成の車輛と、その他の関連機器類などを受注しただけとなる。しかもフランス製「TGV」の技術を移転してでの上である(しかしフランス側もしたたかで、韓国高速鉄道の諸々の欠陥にはそれほど対処はしていない。これがここまで開業がのびのびになっている主因であろう)。もし、日本の新幹線方式を導入していれば、少なくとも「ソウル〜大邱」(韓国内の政治的問題で、「大邱〜釜山」間は第二期工事として延長せざるを得ない。しかしすばやく「ソウル〜釜山」間を開業していれば、営業収益はすでに入っている。日本の新幹線の場合、「東京〜新大阪」間は開業後、3年目で単年度黒字を果たしている)間は5年ほどで開業しており、すでに営業収益もかなり出ているものと思われる。

 2)台湾高速鉄道の受注形態

 一方の台湾高速鉄道であるが、こちらのほうは今のところ順調に工事も進捗している模様である(参照:本欄「台湾高速鉄道の進捗状況)。しかしこれとて、問題がなかった訳ではない。当初、台湾高速鉄道の運行形式が日本の「新幹線」方式に決定されたと報じられた時、新幹線方式が全面的に受注できたのだと思っていた。しかし台湾側がその時、受注決定したのは、「新幹線」という車輛方式だけであり、その他の関連施設(路盤:高架・トンネルなど、軌道:レール・締結器具など、コアシステム:電車線・信号・通信など、その他に駅舎)の全般にわたって、入札方式が実施されたことである。これには少しでもコストを下げたい、台湾側の狙いもあったものと思われるが、最終的にはごく一部区間(約16km)の工区を除いては、日本企業連合のほぼ全面的な受注となった。しかし一歩間違えれば、新幹線の安全走行自体にかかわる重大な内容を秘めていたことには間違いない。

 ところで、台湾高速鉄道の営業形態としては、1997年から35年間の建設・運営と、50年間の駅周辺開発権が事業会社(「台湾高速鉄道公司」)に付与されている。また最終資本金は1,321億台湾元(約4,500億円)で、そのうち一割を日本企業が出資する。総事業費は約4,600億台湾元(約1兆6,000億円)、総延長は345km。工事期間は2000年から2005年までのおよそ5年間となっている。この開業までの5年間という短期間に完成することの意義は、今後の収支バランスからしても魅力的である。また今回の台湾高速鉄道の新幹線車輛の受注は、将来的には合計で165編成(台湾高速鉄道の場合、一編成当たり12輛となる=2005年に30編成を導入、その後2008年に38編成、2010年に46編成、最終の2018に51編成を導入)となる。

 これらがすべて日本からの輸出用となるかは不明であるが、いずれにしても将来的に、台湾国内で一部車輛を製造するにしても、韓国高速鉄道とは随分異なる。また台湾高速鉄道の場合、35年間にわたるBOT方式(「建設・運営・引渡し」)のため、後継車輛の受注が比較的に取りやすい。またさらに50年間にわたる、駅周辺の開発権も付与されており、企業連合としてはこの上ない好条件といえる。

 これら上記の二つの「受注方式」が、今後の中国高速鉄道受注の参考例として挙げられる。しかし今般の中国高速鉄道の受注形式は、上記のものとは少々趣を変えた内容となることが予想される。
 
 3)中国高速鉄道受注形態の可能性

 それでは最後に、中国高速鉄道の受注形態の可能性について簡単にみてみよう。
 中国高速鉄道の受注形態には、大まかに見て三つほどが考えられる。すなわち@韓国方式(技術提携)A台湾方式(全面受注)、それに今後、中国方式のモデルと考えられるのがB合弁方式ないしはシステムの部分採用ーーである。そのうち、今日までの中国側の発言などを見る限り、Bの「合弁」方式ないしは「システムの部分採用」が最も可能性があるものと思われる。しかしそのうち、フランスの「TGV」方式の採用が決定されれば、これまでの流れからして、@の「韓国」方式が採用されよう。その場合、建設工期の遅延や車輛の技術的問題は補償されないものといえる。またAの「台湾」方式(全面受注)は中国側の発言からして難しいのではないか。

 そこで最終的には、Bの「合弁」方式ないしは「システムの部分採用」に、落ち着くものと思われる。そのうち、「合弁」方式となるためには、日本側における企業連合の全面的な支援が前提条件となる。この「前提条件」が得られなかった場合、すなわち「次善の策」として、各国(中国独自方式も含む)それぞれのシステムの部分採用も有力な選択肢としてあり得る。具体的には車輛方式、すなわち「動力集中」か「動力分散」かに別れる。これは現在、「瀋陽〜秦皇島」間で実施されている車輛(「中華之星」=動力集中方式)のテスト走行(営業時速200km)如何に大きく左右されるが、この流れから行けば中国独自開発の車両方式は「動力集中」方式が基本となり、それに基づいて他のシステムを採用することになる註1

 別欄でも述べているように、現在の中国当局としては、超高速(時速270km〜300km)であったとしても、日本の新幹線のような超ハイテク・システムはそれほど念頭に入れていないのではないか。したがって、日本の新幹線方式との「合弁」事業(註2でもないかぎり、システム(車輛・信号・通信・保線などの施設)としての全面採用は考えにくい。しかしこと、この「北京〜上海」高速鉄道に関しては、通過する地域次第では(高架・トンネル・橋梁あるいは軌道のスラブ化などの路盤等の難易度の高い構造物全般(制約上、コンサルタント業務に限られる)への参入の可能性は、ひときわ強いといえる。

 ところで、「合弁」形態の可能性としては、日本側の最後の選択肢として考えられる。しかしそれには、技術移転などに伴う「契約内容」などの面で、かなりの詰めが要求されてくる。今後の高速鉄道の世界市場を見た場合、有望視される地域はそれぼどなく限定的となってくる。そのうちの、西欧地域はすでにフランスの「TGV」あるいはドイツの「ICE」方式を採用したEU(欧州共同体)の全体計画としてほぼ網羅されることになる。また北米地域は、長距離の旅客輸送は依然航空機のほうが大きい。旅客が最も利用する「ニューヨーク〜ワシント」間はフランス製・TGVの米国版「アセラ」が運行している。資金力のない米国の鉄道会社としては、在来線の改良で運行できる「TGV」は魅力的なようだ。したがって、残る巨大市場はアジア地域地域(一部、東南アジアも入る=最近、インドが高速鉄道の導入に関心を示している=参照:本欄「東南アジアの在来鉄道整備状況」)、とりわけ中国市場となる。新幹線技術の他国への流出が懸念されるが、今後の高速鉄道敷設可能エリアをどの程度と見るかにもよるが、「中国市場」は地球上に残された唯一の巨大市場であることは違いない。ここでの「合弁」は中国という巨大市場、さらにはそこから波及する第三国への市場参入をも図れるというメリットもある。

 日系重電メーカーの中国合弁事業(2005年〜)

 ●日立製作所
 中国高速鉄道向けの電機品を生産する合弁工場を吉林省長春市に新設する。
 (約10億5,000万円を投じ、鉄道車両の増産に対応する。陝西省西安市の合弁工場と合わせ、2012年春にも速度制御システムなど電機品の中国での月間生産能力を50台から130台に引き上げる。2011年2月をめどに西安の合弁生産会社の資本を増強。同社を通じ長春に新たな合弁工場を設置し、電流を交流から直流に変える装置などを手がける。主な納入先は中国の車両メーカー大手である長春軌道客車(吉林省)で、新工場も長春軌道客車の工場敷地内に置く。

 ●三菱電機 
 中国・株州電力汽車研究所(湖南省)と合弁でインバーター装置などの鉄道車両用電気関連部品を現地生産する。
 (合弁会社は、鉄道車両用インバーター装置を含めた主回路装置や補助電源などの電気関連品を生産する。両社で折半出資。将来的には、アジア市場向けの生産拠点も視野に入れている。中国在来線高速化では電気関連設備を受注。天津市地下鉄・広州市地下鉄などの電気関連部品も受注。) 

 ●川崎重工業 
 中国・南車四方機車車両(山東省・青島市)と合弁で、鉄道車両の設計会社「青島四方川崎車両技術」を設立。
 
 (合弁会社の資本構成は、川崎重工と南車四方がそれぞれ39%、伊藤忠と南方機車車両工業が11%ずつ出資。中国在来線高速化では主幹事として車両480両を受注。また広州市でのリニア地下鉄車両を受注している。川崎重工は1985年に南車四方と提携、車両の技術移転を進めてきた。) 

 
住友電気工業 
 トロリ線の製造を行う合弁会社を山東省煙台市に設立することで、煙台金暉銅業有限公司と合意した。
 (新会社の名称は「煙台金暉住伊電工有限公司」(仮称)。資本金は1000万元(約1億4200万円)で、出資比率は煙台金暉銅業が72%、住友電工が18%、伊藤忠が10%。中国国内向け銅合金トロリ線の製造・販売を行う。2006年4月から稼働を開始する。)

 
住友電気工業
 住友電気工業は、鉄道車両用空気バネと防振ゴムを作る合弁会社を2009年9月に中国に設立すると発表した。
 (連結子会社の東海ゴム工業、車両内装品などを作る現地メーカーの今創集団公司(江蘇省)との合弁。空気バネなどを輸出から現地生産に切り替えて製造コストを抑え、地下鉄や高速鉄道の整備が進む中国市場で需要を取り込む。新会社名は常州住電東海今創特殊橡塑公司(江蘇省)で、資本金は3000万元(約4億円)。出資比率は住友電工と東海ゴムが各27.5%で、今創集団が45%。設備投資額は約4億円で、2010年2月に空気バネなどの組み立てを始め、その後空気バネや防振ゴムの一貫生産に移行する。12年に24億円の売り上げを目指す。住友電工は鉄道車両用空気バネの国内最大手。従来は日本から中国へ製品を輸出していた。鉄道車両内装品などで現地の車両メーカー向けに強い営業力を持つ今創集団と協力、中国市場を開拓する。)

 ●小糸工業(小糸製作所子会社)
 中国現地企業の「今創集団」(江蘇省)と鉄道車両の電気機器を生産する合弁会社を設立。
 小糸製作所子会社の小糸工業は鉄道車両の電気機器を生産する合弁会社を中国現地企業の「今創集団」(江蘇省)と折半出資で設立した。日本企業連合が受注した在来線の高速化プロジェクト向けの車両用電光表示板や配電盤などを生産する。

 ●ナブテスコ
 鉄道車両用のブレーキやドア装置の製造を手がける合弁会社を江蘇省に新設する。
 
同社はこれまで日本製品を輸出してきたが、現地に製造拠点を設けることで中国政府の方針に対応する。新幹線や地下鉄向け車両への納入増を目指す。江蘇省の今創集団と折半出資する。資本金は18億円で、2011年2月の設立予定。ナブテスコはこれまで神戸(神戸市)と西神(同)の工場で鉄道用ブレーキとドアを製造し、中国へ輸出してきた。新幹線向けでは4割のシェアを持つ。

 
古河電気工業
 
2002年5月に雲南省の雲南銅業股分と合弁会社を設立。

 ●日立電線
 
2005年5月に遼寧省の瀋陽北恒銅業と合弁会社を設立。

 【輸入品の事例】 また、高速走行で最も基幹部品となる車軸を支える「軸受」(車軸用ベアリング)に関しては、輸入品で対応するようだ。この「軸受」の製造・供給ではNTNが先行しており、今回の中国・高速鉄道車輌「CRH2」型には、川崎重工を通じ総計4,000個の軸受が納入される。 NTNはこれまでに、フランスの「TGV」や韓国の「KTX」向けに、主電動機用軸受を供給。また駆動装置用ではスペインの高速鉄道にも納めた実績がある。



 
中国の技術導入契約、鉄道が大きく伸びる

 中国商務省が明らかにした2005年1月度における技術導入契約は661件、契約総額は18億6000万ドル(14.5%増)で、うち技術料が6億9000万ドルだった。1月度における鉄道技術導入は10億6000万ドル(前年同月の25倍)で、中国全体の技術導入契約総額の58%を占めた。鉄道機関車に代表されるセット・重要設備の輸入が技術導入をけん引した。1月の技術移転を含むセット・重要設備の輸入契約額は前年同月の4倍近い6億ドルで、契約総額の32.9%を占めた。合弁、合作生産と技術ライセンスの契約額が5億6000万ドルと3億ドルで、技術導入額のそれぞれ30.4%と16.2%を占めた。1月には欧州連合(EU)が中国の最大の技術導入先となり、契約額は前年同月の2.5倍の9億4000万ドルで、契約総額の半分余りを占めた。日本と韓国が2位、3位で、導入額はそれぞれ27.3%増の5億ドルと11.3%増の2億1000万ドルだった。
                                    



 :中国国内における今後期待される高速鉄道の導入区間としては、@広東省の珠江デルタ地帯本欄参照)、A北京〜秦皇島〜瀋陽本欄参照)、B南京〜武漢、C大連〜瀋陽ーーなどが考えられる。これらの区間はおよそ200kmから400kmほどの距離(「北京〜瀋陽」間は約680km)であり、人口密度も比較的高い。また距離的には採算ベースに乗りやすく、外資の導入(BOTも含め)も十分考えられる。)

 (
註2:中国における「高速鉄道」の合弁形態とはどのようなものになるのであろうか。今日、中国の産業界において、最も「合弁事業」形態が進んでいるものに、「自動車」産業がある(詳しくは、本欄「主要自動車メーカー中国戦略」参照)。基本的には、外資の出資比率を50%まで認めており、経営の自由度はある程度保証されている。というよりは、全面的に外資の技術力と資金力に頼る傾向は当分続くものといえる。したがって、中国国内で計上された利益は当然、本国の本社の利益となる。また工場立上げ後においても、エンジンなどの基幹部品を本国等から輸入して製造することもできる。これらの基本的な条項さえ守られれば、中国における「合弁事業」形態はそれほど不利な事業とは思えない。しかしなぜかこと、「高速鉄道」となると、どこの国でも事情は異なってくる。果たして、「高速鉄道」における「合弁事業」形態とは可能なのであろうか。否、進んでも行うに値するものなのか、という疑問があるようだ。しかしその一方で、「メーカー」による個別の「合弁事業」はすでに進んでいる。「新幹線」車輛全体という「一括」(セット)受注ではなくとも、中国側の意向である「部分」受注ともなれば、「新幹線」車輛そのもの自体の意義は薄れる。その一方、「メーカー」個別間の中国企業との「合弁」形態の優位性が引き立ってくる(註3。)

 (
註3:この「中国高速鉄道」に関しては、他の2案(韓国・台湾高速鉄道)とは、その受注形態が少し趣を変えるであろうことは、すでに記してきた。内外(中国や日本)で受注競争の話がクローズアップされ、いささか一息つきたいところにきているようだ。そこで少し、冷静に物事を考えてみると、なぜ「中国高速鉄道」は「新幹線」方式の「一括受注」でなければいけないのかーーという素朴な内容がめぐってくる。中国政府も国民も、わが国の「新幹線」が中国大陸を縦断することはそれほど願ってはいない。むしろ中国独自の「車輛」が走行することを夢見ているようだ。それはそれで、敬意を払い尊重すべきものであろう。またわが国の鉄道関係者からも、それほどの積極的な見解は見出していない。したがって、総合的に判断すれば、中国側がいう@レールA信号B列車ーーの三部門で国際入札を実施する「部分」採用案を受け入れざるを得ない。それは裏をかえせば、もはやわが国の「新幹線」方式による入札を意味しない。ある意味ではただの「高速」走行が可能な「鉄道」車輛の国際入札であり、開発される車輛については、わが国としては何ら責任を負うべき事柄ではなくなる。したがって、車輛等の事故・故障に関する補償問題等については、今後関係をもつ個別企業の自体責任となる。また中国側としても、それぞれの利点(中国独自の技術も含め)を活かした方式(部品等も含め)を取り入れ、高速鉄道を開発したならば、誰も「文句」など言わず、双方にとっても喜ばしいことである。それはフランス・ドイツともどもに然りである


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