3.遼寧省の道路現況 (各種行政地図参照

 遼寧省は中国東北地域の南部に位置し、東北アジア経済の中心地帯となっている。省の総面積は145,900km2で、全国総面積の約1.5%であり、また人口は4,000万人で、全国総人口の約3.5%を占めている。さらに省の下には14の省直轄市があり、省都は瀋陽市に設けられている。遼寧省は全国でも歴史的に古い工業地帯のひとつであり、主な工業に鉄鋼、石油、石油化学、機械製造、電子、建築材料および紡績などがある。

 省内の交通は比較的に発達しており、総合的な輸送方式が完備されている。鉄道は4,000km近く、道路は41,500km程あり、そのうちすでに建設された高速道路は1,068km(2001年現在)余りになる。河川航路は508km、国際空港は2ヵ所(瀋陽、大連)、パイプラインは1,400km余りになる。省全体の海岸線は2,100km、沿岸の港湾は大小、10ヵ所あり、そのうち4ヵ所は対外開放の港湾で、貨物取扱量は9,000万トンに達している。

 改革閉放以来、省の全休国民経済の発展は比較的早く、総生産額は毎年約10%前後増加しているため、輸送量は非常な勢いで増えている。現在の交通基本施設は国民経済の発展の要求には応じられなくなっており、今後、交通基本施設の建設を強化しなければならない。

  瀋陽〜本渓間のうちの桃仙空港間
 1990年9月1日、「神州の第一路」と呼ばれた瀋陽〜大連間の高速道路が貫通した後、遼寧省の省都・瀋陽から延伸して、瀋陽〜本渓間までの高速道路が完成した。瀋陽がら四平・山海関まで五本の高速道路が完成。今日まで全省で、瀋陽・大連・鞍山・撫順・本渓・錦州・営口・遼陽・鉄嶺・盤錦までの11都市を結ぶ高速道路(参照:遼寧省の将来高速道路網図が1,068km まで完成している。道路は主幹線として、国道と県道が連結された。

 瀋陽から北京までの高速道路全線が貫通後、渋滞状況は過去のものとなった。遼寧省の道路は全体的に、レベルアップし、当初目標に大きく近づいた。瀋陽〜本渓間の高速道路は、「八五」(第八次経済五カ年計画)期間中の国家重要項目であり、中国では初めてアジア開発銀行(ADB)が出資したものである。

 この道路建設によって、本渓から瀋陽・撫順・鉄嶺間の距離が以前に比べて大幅に縮まった。遼寧省における鉱産物資源の合理的開発のためのより良い条件が整えられたことになる。

 瀋陽から四平までの高速道路は、国家計画によって、北京からハルビンまで参照:本欄「大連〜ハルビン間の高速道路図」)の重要な区間とされており、高速道路完成後は東北地方における政治・経済の中心地としての瀋陽、食糧生産地としての鉄嶺・吉林および黒龍間の距離が縮まり、都市と地方の物流輸送が加速される。さらに、遼寧・吉林・黒龍の三省間の交易と経済交流の架け橋となっている。

  北京〜瀋陽高速道路の遼寧省区間
(工事も機械化がすすむ、工事当時の様子)
 瀋陽〜山海関間の高速道路は国内設計基準の最高レベルであり、工事規模も最大で、投入金額は最多の高速道路となっている。東から瀋陽・鞍山・盤錦・錦州・胡蘆島の五都市および省の西境に位置する龍家荘と河北省の宝抵から山海関間の高速道路が連結され、2000年9月に完工した。この完成によって、北京から瀋陽までの高速道路が全線完工したことになる

 丹東市は大連市から約330kmの距離にあり、大連から途中の庄河市までは高速道路が開通している。さらに丹庄 (丹東〜庄河)高速道路(大連〜丹東間が約3時間内で連結)はすでに路床が完成し、2005年9月には全線開通予定である。また遼寧省の省都・瀋陽から丹東までの高速道路は2002年8月に全線開通した(瀋陽〜丹東間が約2時間で連結)。さらに、瀋大高速道路を横断するかたちで、錦州から海城さらに丹東までの高速道路がすでに、建設を始めている(
詳しくは、本欄「遼寧省の高速道路ネットワーク」を参照)。

 その他、北京までの重要な高速道路も随時完工し、すべて瀋陽を中心として省市が結ばれ、また遼寧と吉林・黒龍の三省間が相互に連結されることにより、その経済的、社会的発展の加速がより一層期待される。

 2001年には、遼寧省の丹東〜本渓、盤錦〜海城、さらに錦州〜朝陽、錦州〜阜新間の四つの高速道路建設が同時に着工された(なお、これら四つの高速道路区間は2002年8月すべて完工=(参照:「遼寧省の高速道路完工区間」。これら現在、建設中の四路線の全長は451km。総投資額は約150億元(約2,250億円、1元=15円)である。丹東〜本渓間の高速道路は、中国全土の「五縦七横道路」の主幹線である丹東〜ラサ間の一部区間であり、同時に遼寧省の「二環五射」高速道路の主要区間でもある。

 錦州〜朝陽高速道路も遼寧省の高速道路ネットワ−クの重要な区間であり、北京〜瀋陽間の高速道路と国道101号の連結線であり、この高速道路は内部は遼寧省と接し、外部は河北省の北京とも接している。さらに、錦州〜モンゴル間の高速道路は、モンゴルへと通じる重要な幹線道路であり、また港湾都市と電力開発地域を結んでいる。

 錦州〜朝陽、錦州〜阜新の二つの高速道路完成後(両高速道路は2002年8月完工=(参照:「遼寧省の高速道路完工区間」)、この朝腸〜阜新間は一躍重要な路線となる。これら四路線の高速道路の完成によって、全路線完成後の総延長は1,500kmとなる。

 【最新】 遼寧省で最長の高速道路が開通
 2008年9月29日、遼寧省瀋陽、鉄嶺、阜新、朝陽の4市をつなぐ全長540kmの高速道路、鉄朝高速道路が正式に開通した(
右記の写真参照)。遼寧省西北地区を貫く省内で最も長い道路だ。ーー(2008年10月2日)


 ≪渤海湾口を横断する海上ルート≫

 今後、この地域で注目される大型国家プロジェクトとして、遼東半島の大連市と山東半島の煙台市とを海底トンネルで連結する「渤海湾口横断トンネル」がある。渤海湾は南北約560km、東西約300km、湾口部の最短距離約105km、平均水深約25m、最大水深86m。山東省側に幾つかの島が点在しており、橋梁とトンネルを組み合せる方法などが検討されている。投資金額は約1,000億元(1.5兆円)と試算されている。

 現在、同区間では2006年末から貨物列車用の「渡り船」が航行されているが、2030年頃には、

 @鉄道用ルートの建設、
 A2050年頃までには往復8車線の高速道路の建設

 ーーが計画されている。

◇      ◇       ◇      ◇

 ■「煙大鉄路連絡船'」が2006年11月6日から試験運行

 山東省・煙台と遼寧省・大連を連結する「煙大鉄路連絡船'」が、2006年11月6日から試験運行に入り、中国東北3省と山東省が鉄道で繋がれた。この日、運航された「中鉄渤海1号」は コンテナ50個を積んで大連を出発し、6時間の航海の後、煙台に到着した。煙大鉄道連絡船は中国鉄道ネットワーク計画のうち 「八縦八横」中国西部の遅れた交通および通信施設を拡充するために施行するプロジェクト)' の重要な構成部分であり、同航路の開通によって中国東部の陸地と海が一つの鉄路で繋がれた。2008年には煙大鉄道連絡船を3隻に増やす予定。煙大鉄道連絡船の開通後、試験運営期間の間は大連と煙台を毎日 1回往復し、しばらくは汽車のみを運送し自動車と旅客は積載しない計画。ーー(2006年11月6日)

 【八縦八横】 中国が重点的に建設・改良する主要鉄道。「八縦」は京哈、東部沿海鉄路、京滬、京九、京広、大(同)湛(江)、包柳、蘭昆。「八横」は京蘭、煤運北通道、煤運南通道、陸橋鉄路(隴海と蘭新)、寧(南京)西(安)、沿江鉄路、滬昆、西南出海通道。

 
「十五」期間、鉄道建設に3500億元を投資 中国は第10次五カ年計画(十五)期間の鉄道建設に約3500億元を投資する。鉄道の営業距離は2005年に約7万5000kmになる。投資の具体的内訳は、鉄道インフラ整備に2700億元(大中型のインフラ整備は約2550億元)、車両購入および更新に約800億元。「十五」期間には、国内の交通運輸の中心としての役割を果たす高水準、高品質の「八縦八横」を重点的に建設する。国による鉄道建設と、中央と地方の共同出資による鉄道建設の規模は、新路線の建設が6000km、建設済み路線の複線化3000km、建設済み路線の電化6000km。地方による鉄道建設の規模は約1000km。ーー(「人民網日本語版」2001年6月15日)


   (参照):遼寧省の高速道路完工区間(写真)

        「
北京市内の環状高速道路(写真)
 
        「
北京市内の幹線道路・交通機器・駐車状況(写真)
    
   
【備考】 中国の「五縦七横」主要高速道路計画の進捗状況 
        北京市内の(高速)道路整備状況      


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