ベーリング海峡にトンネル
ロシアが建設構想発表
ロシア政府高官は4月18日、ベーリング海峡両岸の米国アラスカ州とロシア極東チュコト半島を全長20kmの海底トンネルで結び、両大陸にまたがる6,000kmに
及ぶ鉄道・高速道路、石油・ガスパイプライン・送電幹線を建設する構想を発表した。総建設費用は550億j〜670億j(約6兆6,000億円〜8兆0,400億円)とされる巨大プロジェクト。ロシアは米、カナダ両政府に来週中にも同構想を正式に伝達し、実現への協力を要請する。
プロジェクトを発表したのは、ロシア経済発展通商省生産力研究委員会のラズベギン副委員長。東シベリアのヤクーツクを起点にオホーツク海に面するマガダン、アナディリを経由しアラスカのフェアバンクスを結ぶ計画だ。ヤクーツク、フェアバンクスで、それぞれ既存の交通網と連結される。同プロジェクトでは、海底トンネルはベーリング海峡が最も狭くなるチュコト半島のデジニョフ岬と、アラスカのプリンス・オブ・ウェールズ岬間(幅約64km)に建設。トンネルは三区間に分かれ、両岬からほぼ等距離にあるダイオミード諸島のロシア領ラトマノフ島と、米領小ダイオミード島でそれぞれ地上に出る。
トンネル三区間全体としての長さは、青函トンネル(全長53.9km)の約二倍で、トンネル部分の建設費は100億j〜120億j(約1兆2,000億円〜1兆4,400億円)。着工から完成まで10〜15年を見込む。同プロジェクトの実現により、経済的立ち遅れが目立つ極東・東シベリアを横断し、北米大陸へ直接アクセスするルートが開かれる。ロシア政府は極東・東シベリアの石油・天然ガスなどの天然資源開発を加速させ、同地域発展の起爆剤としたい考えだ。また、現在は海路が90%を占める北米・アジア間の貨物輸送を取り込み、年間7,000万dの貨物輸送を行う意向だ。ラズベギン氏は「輸送にかかる日数を二週間以上短縮するだけでなく、天候に左右されない安定した貨物輸送が可能となる」と強調している。ーー(「世界日報」、2007年4月19日より)
■ベーリング海底にトンネル計画、米ロ結び100キロ越
米国アラスカ州とロシア東部チュトコ半島を隔てるベーリング海峡の海底に、地下トンネルを造る計画が持ち上がっている。これまでにも計画はあったが、冷戦下の米ロが協力することはなく、棚上げ状態だった。しかし、冷戦が終了し、改めてトンネルの利便性に注目が浴びている。各国のトンネル建造推進者ら4月24日、モスクワで会合を開き、トンネル計画の着手に向け、6月にドイツで開かれる主要国首脳会議(G8)で、各国政府にトンネル建造着手に向け、強く働き掛けていく方針を決めた。計画が成功すれば、ドーバー海峡を結ぶ英仏海峡トンネル(約50km)を抜いて、世界最長109kmの海底トンネルになる。予想総工費は650億ドル(約7兆7000億円)。開通まで、20年がかかる見通し。計画では、海底トンネルには鉄道のほか、道路、天然ガスや石油のパイプライン、電気ケーブル、光ファイバーケーブルなどを敷設。ユーラシア大陸と北米大陸を陸路で結ぶことで、物資の輸送力が大幅に向上するほか、シベリアに埋蔵する天然資源の活用も見込まれている。トンネルが開通すれば、ロンドンからモスクワ経由でワシントンへ、鉄道で移動することも可能になるという。しかし、トンネル計画が実施可能かどうかの事前調査には、約1億2000万ドル(約142億円)をかけ、2年間が必要だとなっており、実際にトンネルが開通するのは、約30年後になるという。会合で採択した声明では、ロシアと米国のほか、日本、中国、欧州連合(EU)諸国が協力を表明している。今後、各地域で政府に働き掛け、計画実現を目指す。ーー≪モスクワ──2007.04.25 CNN/AP≫
(参照):本欄「Profile
of the Bering Strait」(IHCC)
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