|
≪釜山新港および光陽港、「港湾自由貿易地域」構想≫
韓国・海洋水産部は2004年11月中にも、釜山新港および光陽港を「港湾自由貿易地域」に指定する計画である。この「自由貿易地域」に入居する外国企業は無関税・税金減免・賃貸料割引ーーなどの各種優遇措置を受けられる。
◆釜山新港の一部が開港
韓国・釜山近郊に官民合わせて9兆ウォン(約1兆円)以上を投じて建設が進められてきた「釜山新港」が2006年1月19日、一部開港した。今回、開港したのは大型コンテナ船が3隻同時に接岸でき、20フィートコンテナ換算で年間90万個が取り扱われる。将来的には、2011年までに大型船舶30隻の同時接岸が可能な30バースが建設される。総事業費は9兆1,542億ウォン(政府4兆1,739億ウォン、民資4兆9,803億ウォン)が投入される。同新港は超大型コンテナ船舶の入出港の際の航路の水深を16〜18mに保つため、1億659万m3を浚渫した。また、1万2,000TEUの次世代超大型コンテナ船舶も処理できる世界最大の岸壁クレーンを導入。このクレーンは重さ1,700t、高さ70m、レール間隔42.65m規模で、1時間当たり35個のコンテナを処理できる。
(参照サイト):「釜山港新港、北中国向け積替え貨物誘致に全力」(朝鮮日報)
◇ ◇ ◇
この構想を先取りするかたちで、日系企業の同地域における物流拠点づくりも活発化してきた。日本より安い人件費・税金減免など韓国政府の積極的な誘致活動なども絡み、物流費用を大きく削減できるというのが主な理由のようだ。また、釜山港・物流センターを活用した場合、海上運賃は高くなるが、倉庫の保管費や再包装にかかる人件費などを勘案すれば大幅なコスト削減が図れる。さらに、釜山港などから直接に最寄の日本の地方港湾に船舶輸送された貨物の日本国内におけるトラック輸送に費やされる距離や費用も、現行より1割以上軽減するとの試算もある。一例として、中国からの完成品をひとまず釜山港や光陽港にある物流センターに保管した後、検査・再包装して、博多・新潟・下関港などに輸送するなどが考えられる。場合によっては製品を急遽、韓国国内や東南アジアに回すーーなどの措置にも柔軟に対応できるなどのメリットもある。
《進出企業の事例》
●三井物産は韓国・興亜海運と組んで釜山甘川・物流団地に大規模な物流センターを構築する。2万坪の敷地を確保済みで、220億ウォン(約22億円)を投じて、2005年夏から稼働予定。
●日本通運は日本鉄道(JR)貨物と提携し、釜山に物流センターを建設する。
●MFLは2005年8月までに釜山に大規模物流センターを建設、中国から入る家電製品や雑貨などの輸入中継基地として活用を検討中。
●KISEKI社は700億ウォンを投じて、光陽の中馬埋立地2万6,000坪を物流基地として開発。

(出所:「釜山広域市」(日本語)ホームページより)
◆「北東アジア物流ハブ計画」、事実上後退
2011年までに釜山港・光陽港などに96のコンテナ船席(船を着岸する場所)建設が決まっていた港湾開発計画が縮小される。海洋水産部は2006年6月26日、「中国・上海港の急成長で韓国内の港湾の物流量が減少するものと予想される。2011年までに96のコンテナ船席建設を決めていた当初計画(2001年樹立)を14減らし、82船席だけ建設する方針だ」と発表した。現政権スタート時に立てた‘北東アジア物流ハブ(拠点港湾)’の目標が中国に押されて事実上後退したことになる。発表の詳細を見ると、釜山港のコンテナ船席建設計画は33船席から30船席へ、光陽港は29船席から16船席へと縮小される。浦項・群山・長項港はそれぞれ4船席から2船席になる。しかし中国の輸出入貨物が増加すると予想される仁川(9船席→12船席)と平沢・唐津(4船席→8船席)はコンテナ船席建設を増やすことになった。また海洋部は、コンテナ船席を含む全体の船席建設計画も364船席から304船席へと60船席縮小する方針だ。釜山港は48船席から42船席、蔚山港は34船席から29船席、平沢・唐津港は69船席から49船席に減る。海洋部は公聴会や関係部処(省庁)の意見をまとめ、今年9月に以上のような内容の修正案を決める予定だ。ーー(「朝鮮日報」、2006年6月27日)
●東北アジア国際物流中心基地の構築
2013年まで釜山新港建設に総額7兆4,979億ウォンを投入し、大型コンテナ船30隻の接岸能力および年間804万TEUのコンテナ処理能力を確保する。釜山新港の正常な運営のために2005年までに300億ウォンを投入し、港湾交通情報センター、新港広報館および出張所を設置して、引き船、水先案内船、港湾巡察船の確保など運営準備を手違いなく進行する。北港航路の増深浚渫で船舶の大型化に対応し、2007年までに1,505億ウォンを投入して神仙台埠頭を拡充し、埠頭循環道路の建設、物流システムの電算化など、北港の現代化を持続的に推進する。2007年までに1,178億ウォンを投入して物流団地の造成など関税自由地域の活性化の基盤を設け、ヨクム船埠頭の建設、南外港小型船埠頭の建設などを通して港湾機能を先進化する。2010年までに196億ウォンを投入して甘川港に多目的埠頭を建設し、船舶修理、船用品・油類の供給などの船舶関連総合物流センター建立を推進することにより甘川港の機能を活性化する。
●グローバルな水産貿易流通基地の構築
2005年まで水産物流通加工団地・卸売市場・国際取引所の設置事業を推進して水産発展の要を設け、漁病予察診療センターの開設、赤潮警報システムの構築などを通して水産災害予防システムを完備する。2006年まで総額6,803億ウォンを投入して流通・観光・牧場団地など、地域特化開発により競争力を強化する。開発で競争力を強化する。
●国際海洋観光の拠点港湾の建設
2006年まで1,126億ウォンを投入する。クルーズ旅客船専用埠頭を建設し、大型観光遊覧船を利用した海洋観光の橋頭堡を設ける。東三洞浚渫土投棄場に2005年まで1,020億ウォンを投入して国立海洋博物館を建設し、1兆ウォンを投入して海洋総合公園を造成し、2006年まで650億ウォンを投入し、競艇競技場建設事業を推進する。釜山海祭りを国際的な海洋総合観光祭りに昇華させ、国際海洋造船大祭典、国際刺身博覧会など、様々な国際海洋行事を開催する。大邊港に海洋親水施設及びレジャー施設導入を検討し、350億ウォンを投入する。洛東江河口に民俗漁村の造成など、水産漁村観光ベルトを造成する。影島燈台海洋文化空間の造成など、灯台を海洋観光名所とし、灯台を利用した海洋体験学校を持続的に運営する。
●きれいで安全な海洋環境の造成
環境にやさしい共有水面の埋立により沿岸環境の整備及び都市用地を確保し、沿岸整備事業による沿岸環境の改善事業を持続的に推進する。危険物コンテナの点検と基準未満の外国籍船に対する港湾局統制を強化して船舶と貨物の安全性を確保し、航路標識、船舶運航などの危害要素を除去して港湾水域の安全管理を強化
(文・「釜山地方海洋水産所」HPより)

|