|
≪国内モーダルシフト(MS)の動き≫
国内産業区域と海外とが相互連携へ
ここにきて「国内モーダルシフト」の動きが加速せざるを得ないような新たな規制が施された。それは大型トラックの最高速度を時速90km以上出せなくする「速度抑制装置」(スピードリミッター)の装着義務付けが始まるからだ。この法定速度(時速90km)を順守して、「九州〜東京」間や「北海道〜東京」間を輸送した場合、鮮魚や野菜などの生鮮食品は納期などの時間的な制約から、対応が難しいとの指摘が多々ある。例えば、「鹿児島〜東京」間は従来よりも、5時間以上かかるとみられている。そのため時間的な制約が多い、「鮮魚」などのトラック輸送は事実上不可能といわれる。
(参照サイト):「地球環境に貢献する北九州市の物流基盤」(北九州市・HP)

御社も企業バーナー公告を掲載してみませんか !!
お問合せ:企業公告宛(アジアインフラストラクチャー総合研究所) |

【日本通運】
●日通、内航船の輸送能力拡大
日本通運は内航船の輸送能力を拡大する。環境に配慮し、従来のトラック輸送から船舶や鉄道に切り替える。東京ー博多航路(輸送能力は12フィート・コンテナ換算で週960個=商船三井フェリーとの共同配船を予定)、東京ー北海道航路(輸送能力は12フィート・コンテナ換算で週1,610個)を対象とする。
●日産、JR貨物・日通と組み鉄道で自動車部品輸送
日産自動車は2004年1月、トラックの代わりに鉄道で自動車部品を運ぶ輸送手法を導入する。鉄道方式を導入するのは乗用車「プリメーラ」などを生産する九州工場(福岡県苅田町)。日本貨物鉄道(JR貨物)、日本通運と共同で輸送システムを構築。日立製作所、曙ブレーキ工業など部品メーカー10社が関東、東北、東海地区で生産するブレーキ部品、変速機、電装部品などを運び込む。各部品工場から近くの貨物駅まで運搬。JR貨物が九州工場近隣の貨物駅まで専用コンテナで運ぶ。輸送量は5トンコンテナ換算で1日50個程度の見通し。駅で仕分けして1日四回トラックで工場に搬入する。ーー(「日本経済新聞」、2003年10月7日)
●日通、鉄道・内航船共用コンテナを本格導入
日本通運は鉄道・内航船のどちらにも使える小型コンテナを本格導入する。コンテナを交換せずに済むため積み替え時間を短縮できるのが特徴で、トラックに比べ環境負荷の小さい鉄道、船を使った輸送需要を掘り起こす。鉄道・内航船に使うコンテナはともに長さ12フィートの小型コンテナが標準だが、固定用の緊締装置が鉄道用は2カ所なのに対し内航船は4カ所で互換性がなかった。日通が導入するのは緊締装置が6個所ある共用コンテナ。すでに試験輸送を終えており、保有コンテナ数を今年度末までに600個に増やす予定。今後10年間で保有コンテナ1万2,000個をすべて共用コンテナに切り替える。共用コンテナを活用すれば、部品工場で仕立てたコンテナをそのまま鉄道・・トラックを経て製品工場に運ぶような輸送が可能になる。日通は共用コンテナのほか、製造装置などを輸送できる振動防止コンテナ、運ぶ製品にサイズを合わせたコンテナなどの導入を進める方針。ーー(「日本経済新聞」、2003年11月10日)
(参照):本欄「中国物流競争、第ニ幕がいよいよ始動開始へ」
(参照):本欄「インドシナ、物流・製造の一大拠点へ」
【大手電気】
●電機大手(三菱・松下)、自動車部品輸送を鉄道中心に
電機大手が自動車部品の物流で、環境負荷の低い輸送手段へ移行するモーダルシフトに取り組む。三菱電機は関西―関東間の輸送を2005年4月から鉄道中心に切り替え、同区間の二酸化炭素(CO2)排出量を従来に比べ83%減らす。松下電器産業も今春から鉄道を利用する。電機大手の鉄道利用は従来、家電製品の完成品輸送が中心。顧客企業の納期要求が厳しい自動車部品で鉄道利用が本格化すれば、物流のCO2削減が加速しそうだ。三菱電機は日本貨物鉄道(JR貨物)などと共同で、スターターなどを製造する姫路製作所から、最も出荷量が多い関東の顧客への物流を鉄道中心に切り替える。従来10%どまりだった鉄道輸送の比率は今春から82%に高まる。ーー(「日本経済新聞」、2005年1月16日)
(参照):本欄「企業の国内モーダルシフト事例」
【トヨタ自動車】
●トヨタ、部品輸送に専用列車・CO2削減へ低公害シフト
トヨタ自動車は日本貨物鉄道(JR貨物)、日本通運と組み、2006年秋から専用貨物列車を使って自動車部品の輸送を始める。同社が国内輸送で排出する二酸化炭素(CO2)の1%強に当たる年間3000トンを削減できる見込み。運輸部門でのCO2排出量は増加傾向にあり、その抑制が日本の課題となっている。京都議定書の発効を受けてトヨタが具体策を打ち出すことで、より環境負荷の小さい輸送手段に移行する産業界のモーダルシフトが加速しそうだ。トヨタは4月から貨物コンテナを使った鉄道輸送を試験的に実施する。来年秋に専用貨物コンテナ列車「トヨタ号」(仮称)を導入、JR貨物が列車を運行する。愛知県に集積する部品工場から日通のトラック輸送網を利用して浜松市内の貨物駅に部品を集約。JR貨物で800km離れた盛岡まで輸送し、再び日通のトラックで小型自動車を生産するトヨタグループの関東自動車工業岩手工場(岩手県金ケ崎町)まで運搬する。ーー(「日本経済新聞」、2005年3月1日)
●トヨタ専用列車発進、JR貨物が11月から部品輸送
 日本貨物鉄道(JR貨物)は206年10月30日、名古屋南貨物駅(=写真参照=愛知県東海市)で、トヨタ自動車向け専用列車の運転開始出発式を行った。運転区間は「名古屋―盛岡」間。愛知県内で製造した自動車部品を、岩手県内の組み立て工場まで運ぶ。実際の運転開始は11月15日からで、工場稼働日にあわせ年244日の運転を計画している。列車名は「トヨタ ロングパス エクスプレス」。名古屋南貨物駅と盛岡貨物ターミナル駅との約900kmを約16時間で結ぶ。貨車は20両で、貨車1両につき専用コンテナ2個を搭載できる。各貨物駅と工場との間はトラック輸送となる。午前10時半からの出発式では、JR貨物の山内智取締役が「3年がかりで物流効率化や環境面の対策を講じてきた」とあいさつ。トヨタ自動車の張富士夫会長もテープカットに参加した。ーー(「日本経済新聞」、2006年10月30日)
|
【続報】 JR貨物はトヨタ自動車向けに「愛知〜岩手」間で運行している専用貨物列車「ロング パス エクスプレス」の便数を、2007年秋をめどに1日1往復から同2往復に増やす計画。現在、土曜・休日を除き毎日1往復し、1列車に31フィート(10dトラックと同等の積載量)を40個積載。リードタイムは3日が2.5日に短縮される。2本目の専用貨物列車も同区間を同等の積載規模で運行する。JR貨物のコンテナ輸送量は、2005年度に2,235万d、2006年に2,318万dーーと増えている)
≪シベリア鉄道の利用≫
●トヨタ、ロシア向け部品をシベリア鉄道で輸送
トヨタ自動車は2009年春にも、ロシア工場への部品輸送でシベリア鉄道の利用を始める。国営ロシア鉄道と提携している三井物産に業務を委託、現在の船舶輸送から順次切り替える。輸送日数ははぼ1/3になる見込み。部品を船で極東のウラジオストクに運び、トヨタの自動車工場があるサンクトペテルブルク市まで鉄道で輸送する。輸送日数は20日程度の見込み。ーー(2008年6月)
●マツダ、シベリア鉄道でロシア向け完成車輸送
マツダはシベリア鉄道を使ったロシア向け完成車輸送を2008年10月に始めると発表した。輸送期間は船を使った海路に比べ、最大で30日短い10日程度となる。トヨタ自動車なども同鉄道による輸送を検討中だが、自動車メーカーで実際に始めるのはマツダが初めてという。国内工場からロシア・ウラジオストク近郊まで海路で輸送し、30両編成の専用列車でモスクワへ運ぶ。品質維持のため、自動車を保護材で覆ったうえで完全閉鎖型の貨車で運ぶ。マツダのロシア販売は1-8月で前年同期比83%増(約5万2000台)と好調で、2008年にもドイツを抜き欧州で最量販国となる。ロシア販売台数の3割程度を同鉄道で運び、需要動向に素早く対応できる供給体制を整える。ーー(「日本経済新聞」、2008年9月25日)
(参照):本欄「近年のシベリアランドブリッジ状況」
(参照):本欄「苫小牧西・東部工業団地の開発進捗状況」
【そのほかの動き】
JR貨物は10月のダイヤ改定に合わせて、「東京〜福岡」間、「東京〜札幌」間で最速コンテナ列車の輸送時間の短縮化を進めるほか、列車の本数を増便する。また「東京〜大阪」間を最高時速130kmで走る「スーパーレールカーゴ」を、佐川急便の専用列車として営業運転を始める予定という。また福山通運は「南九州〜東京・大阪」圏への宅配便を鉄道輸送に切り替えている。 |
≪参考図書≫
|
≪鉄道コンテナ輸送の動き≫ (2003年9月〜)
●コンテナ貨物の鉄道シフト加速、9月は7.5%増
日本貨物鉄道(JR貨物)が発表した2003年9月のコンテナ貨物輸送量は前年同月比7.5%増の190万5,000トンと11カ月連続で増加した。全体の荷動きが低迷するなか、荷主企業が二酸化炭素排出削減などを目的にトラック輸送の一部を鉄道に切り替える動きが加速している。コンテナ貨物のうち、宅配便など特積み貨物は12.1%増の19万5,000トン。9月からのトラック速度規制強化などを背景に大手宅配便業者も鉄道輸送を積極活用している。9月は政府備蓄米を鉄道で緊急輸送したため、農産品が56.9%増の11万3,000トンと急伸。残暑で清涼飲料水の需要が高まり、食料工業品も7.0%増の24万6,000トンと好調だった。2003年4〜9月で見ても、コンテナ輸送量は前年同期比3.9%増の1,048万5,000トンと好調。対照的に貨物自動車輸送量は4、5月と前年割れが続いている。ーー(「日本経済新聞」、2003年10月17日)
●JR貨物、貨車100両を緊急発注
日本貨物鉄道(JR貨物)はコンテナ貨車などを車両メーカーに緊急発注した。注文したのは貨車100両と5トン積みコンテナ1000個。ディーゼルエンジンを積んだトラックへの排ガス規制強化などで、荷主企業の間にトラック輸送から鉄道利用への切り替えが広がっているのに対応した。コンテナ貨物の2003年10月の輸送量は前年同月比で8.8%増の210万トンだった。前年実績を上回るのは12カ月連続。JR貨物は、トラックの排ガスや速度規制強化によって大手宅配業者も幹線輸送に鉄道を利用するケースが増えており、今後も需要増が続くとみている。ーー (「日本経済新聞」、2003年11月22日)
●JR貨物、名古屋―九州に速達列車・翌日早朝着
日本貨物鉄道(JR貨物)は2006年3月をメドに、名古屋と九州を結ぶ速達便列車を新設する方針を決めた。停車駅を減らして所要時間を短縮するほか、夕方に出荷すれば翌日早朝に到着し午前中には荷主の工場に配送できるダイヤを設定する。九州で生産体制を増強しているトヨタ自動車グループや部品各社の輸送需要を取り込む。自動車産業の集積地を結ぶ路線強化で収益力を高める。速達便は20両編成で最大500トンを輸送。午後6時台に名古屋貨物駅を出発し、東海道、山陽、鹿児島本線を経由して午前7時ごろに佐賀県の鳥栖貨物駅に到着するダイヤになる予定。現在1日2往復する「名古屋−九州」線は13―14時間かかり荷主から「使いづらい」との声もあり、最高時速110キロの機関車で運行、停車駅も関西の主要駅と北九州貨物駅に限定して所要時間を12時間台に縮める。ーー (「日本経済新聞」、2005年7月4日)
(参照):本欄「企業の国内モーダルシフト事例」
(参照サイト):本欄「日本貨物鉄道株式会社」(Home page)
|