【重慶港】
九龍坡埠頭と重慶南駅・コンテナターミナル
≪重慶・寸灘港≫
 長江上流最大のコンテナ港が開港



-

 長江流域の嘉陵江との合流点に重慶港は位置する。「重慶港」には4カ所の埠頭があるが、そのうち一般的に、よく知られているのが「三峡下り」の乗船場ともなっている「朝天門」埠頭(「重慶市街地」=写真真参照)と、コンテナ施設がある「九龍坡」埠頭である。そのうち、「九龍坡」のコンテナ埠頭は2000年12月に建設が完了した。長江上流で初めてのコンテナ専用埠頭で、今後、内陸の成都・重慶および、これらの鉄道沿線地域のコンテナ貨物は、この埠頭から直接出港できる。

 
 ▼重慶南駅のジブ・クレーン         ▼重慶南駅のコンテナヤード
    (写真出所:「
重慶鉄道貨物公司・重慶南駅支社」HP)
 

 2000年12月に完成した「九龍坡」コンテナ専用埠頭は成渝(成都〜重慶)鉄道管内にある重慶南駅(上記の写真参照)に隣接し、敷地面積は7.3m2、標準コンテナで年間10万個の処理能力(将来的には、120万個に引き上げる計画)と、年間通過能力が335万トンの施設を有する埠頭である。ところで、この「九龍坡」コンテナ埠頭の特徴として、長江上流域に位置することからもたらされる年間水位の高低差(最大で約30mほど)のため、固定式のクレーンが使用できず、川面に「浮ドック」式の「フローティング・クレーン」を接岸しての荷役作業となる。そのため、同ターミナルができる以前から機能している埠頭では急斜面をトロッコ上にコンテナ貨物等を積載して引き上げられている。その場合、トロッコに積載できるコンテナは一個ほどとなり、一時間当たりの荷役コンテナ量は最大でも15個ほどである(参照:「九龍坡港」埠頭、荷揚げ概要」)。

  
▼重慶港・九龍坡コンテナ・ターミナル
    
(写真出所:「商船三井ロジスティクス(株)」HP、MLC CARGO WEEKLY DIGEST、Vol.119)
 

 その一方、2000年12月に完成した「九龍坡コンテナ」埠頭は、長江の川面から約30mほど高い段丘の上に建設され、川面側にある荷揚げ形式は従来と同様に浮ドック式クレーンでコンテナを持ち上げるもの。また、斜面部分の移動については従来形式の「トロッコ」形式が用いられているが、フローティング・クレーンは従来のものよりも大型で荷揚げ能力も数段高い写真参照)。このコンテナ・ターミナル(350mほどのバースに、一時期に2,500TEUコンテナの蔵置が可能)にはガントリー・クレーンが設置されており、「40フィート」コンテナ」も取り扱えるという。したがって、荷役作業の効率化や重装備化にともなう港湾施設の改良が進められていると思われる。

 また最近投入された、一隻で最大144個のコンテナ(20フィート)を積載できる
コンテナ専用「フィーダー」船写真参照)が就航している。この船舶は、「重慶〜上海」間の「下り」の所要日数が4日間ほど。また「上海〜重慶」間の「上り」が8〜9日間ほど、となっている。料金は鉄道に比べ2割程度安く抑えられている。なお最近の傾向として、「重慶〜上海」間における輸送機関別(水運・鉄道)利用率は、「水運」が90%、「鉄道」が10%と、過去とは逆転した比率となっているという、調査報告がある。また最近注目されるものに、自動車専用運搬の「RORO」船(写真参照)がある。これは5層の甲板に、乗用車、バス・小型トラックなど各種の商用車が約300台程度積載できる。


 
≪重慶・寸灘港≫
 長江上流最大のコンテナ港が開港

-


△コンテナを吊上げるところ 


△コンテナの着装状況
(40フィートも着装できる)


△コンテナ・ターミナル

 長江上流域で最大規模のコンテナバースとなる、「重慶・寸灘港」が2006年1月7日に開港した。同港は日増しに増大する長江上流域における運送需要を満たすために2003年夏、工事に着手した。全体の工事は2期に分かれ、今回、第一期工事が完工した。第二期工事は2006年中に着手し、計画では2009年に竣工する。「重慶・寸灘港」は、重慶市街区域の東北に位置し、「朝天門」埠頭の下流6kmにある。同区域は後背地の陸域も広く、市街区への交通アクセス(鉄道、道路、航空)が良好でもある。第一期工事は3,000トン級のコンテナ船2隻が着岸でき、年間荷役能力は28万TEU。また、3,000トン級の自動車運搬船も着岸でき、年間の荷役能力は15万台となる。さらに、第二期工事では3,000トン級のコンテナ船3隻が着岸でき、年間の荷役能力は42万TEUまで高まる。投資総額は15億5,000万元に達する。

 ◇西部最大のコンテナふ頭、重慶寸灘港2期工事着工

中国西部最大のコンテナ埠頭となる重慶寸灘港の第2期工事が2007年9月24日午前、正式に着工された。投資額は11億元、面積は約59ヘクタール。3000トン級のバース4カ所が建設され、年間貨物処理能力は標準コンテナ42万個、自動車15万台。ーー(2007年9月25日)

 ◇重慶、内陸保税区建設の構想

全国人民代表大会の代表で、重慶市の黄奇帆副市長はこのほど、重慶市の寸灘港および空港に隣接し、6km2の保税区の建設申請を、国家税関総署に提出していることを明らかにした。黄副市長によると、同保税区内には、保管倉庫や加工工場だけでなく、オフィスビルや、貿易会社も含まれる。同市はすでに、税関総署との計画や方案の討論を行い、合意に至っている。同保税区は、一般の保税倉庫の形態よりさらに機能性を有するもので、海外製品が同保税区に運ばれただけでは輸入とはならず、輸入税もかからない。国内貨物が保税区に運ばれれば、輸出と見なされ、税還付が行われる。区内における企業同士の取引には、増値税や消費税はかからない。
ーー(「人民網」2008年3月11日)

 ◇重慶の寸灘港区の3期拡張工事がこのほどスタートした。ーー(2009年1月6日)


 ◇
重慶:カナダとの協力協議を締結

 2010年5月18日、重慶の寸灘港はカナダの中心港と上海で、中国とカナダ間の貿易と投資の拡大を推進する協議を締結した。協議によると、寸灘港と中心陸港は情報の交換、戦略パートナーシップの発展と技術の共有の面から提携を行なう。調印式では、上海万博会が開幕してから中国とカナダはすでに100件の投資、貿易プロジェクトの協力契約を締結したことを明らかにした。


  (参照):本欄「重慶市の各種輸送機関ルート図」(重慶市の各種輸送機関ルート図)

  (参照):本欄「「三峡ダム」の全体計画概要」(1993年〜2004年)


Home


-

 



(C) International Highway Construction Corp.,
Committee for Promotion of International Highway Project   Northeast Asian Development Forum