武漢市内のインフラ整備状況

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         (出所:「中国高速公路地図」、ハルビン地図出版社、2002年)

(上記の「地図」をクリックすると「武漢市周辺」の拡大地図が掲載されます)

(参照):本欄「
武漢市街地の橋梁群・水位の変化

(参照):本欄「
武漢市周辺の道路・鉄道網」(計画図)


        【武漢市周辺の高速道路整備状況】

        
@ 「十堰〜襄樊〜武漢」間の高速道路はまだ完工していない。

        A 「
襄樊〜荊州」間の高速道路は2004年7月に全線完工した。

        B 「武漢〜黄石〜黄梅」間はすでに供用している。

        C 「宜昌〜荊州〜(武漢)」間の高速道路はすでに供用している。 

        (参照):本欄「湖北省・道路重点建設規格図」(全体計画図)

        (参照):本欄「武漢〜長沙」間の高速道路網       



 武漢市、都市鉄道1号線が開通

    
 △武漢市で開通した都市鉄道「1号」線の第一期区間(2004年7月)


 湖北省武漢市で、都市鉄道「1号」線の第一期開通路線テスト運行が実施された(
上記の写真参照)。同鉄道は総工費21億9,900万元で、2000年末に着工した。路線の総延長は10.23km。先進的な通信システムや信号コントロールシステムが導入されている。同市の長期計画では、路線7本による軌道交通網を構築する予定で、完成後の総延長は約220kmに達する。これにより、市内の交通の要所である長距離鉄道の武漢駅・武昌駅・漢口駅間が軌道交通で結ばれる。ーー(2004年7月28日)

 
計画の概要

 
本計画は、武漢市内における交通渋滞解消や都市再開発を踏まえた交通網改善の一環として、「古田一路〜付家坡」間(全長約30km)のうち第一期工事として武漢市の「宗関〜黄浦路」間(全長約10km)に都市鉄道(主して高架路線)を建設するものである(左記の地図参照)。武漢市内に旅客大量輸送手段の導入を図り、従来からの道路建設による交通渋滞緩和策に加えて、幹線道路の交通渋滞を緩和し、もって大気汚染の改善を図るものである。同計画には日本からの借款(28億9,400万円)が充てられ、信号・通信設備、電力設備、管理・防災設備、車両、車両基地設備等の調達資金に用いられている。

  (△武漢市の将来鉄道網図 
ー−− 既存の鉄道網  ーーー計画都市鉄道網

 (参照):本欄「
武漢市周辺の道路・鉄道網」(地図)



 
「武漢〜合肥」間の高速鉄道建設、2004年下半期に施工

 「武漢〜合肥」間を結ぶ高速鉄道の施工が、2004年下半期にも始まる。この高速鉄道は東起点の合肥から大別山を通り抜けて、六安、麻城を経由し武漢に至る。全長約350km、そのうちの安徽省の境界内は202km。プロジェクトの建設投資は187億元を上回ると予想される。最高時速は200km/h。工期は3年半、開通後の「合肥〜武漢」間の所要時間は現在の10時間から大幅に短縮されて2時間ほどになる。

 (参照):本欄「
中国、在来線の高速化へ国内入札実施


 ≪コメント≫
 
自治体の財政を圧迫しない都市環状線の整備を


 今後、中国の主要都市内における市街地循環軌道網が整備されてくることになる。しかしここで注意を要するのが建設にかかわるコストである。例えば、「地下鉄」方式を導入した自治体では、今後かなりの財政難に陥る可能性は高い。中国政府も「地下鉄」方式の導入を極力抑制する方向ではある。したがって今後、都市内循環軌道機関としては、@軽便(レール)方式やAモノレール方式ーーなどが高い注目を浴びてくるものといえる。また長江など大河川地域に位置する都市などでは、水害対策上としても「高架」式の輸送機関のほうが適している。

 
現在、中国で地下鉄が建設・運営されている都市としては

 @北京市(本欄)、A天津市(本欄)、B上海市、C広州市(HP)ーーなどがある。

 また地下鉄の建設がすでに始まっている都市としては

 @大連市、A深セン市、B南京市、C武漢市、D重慶市、E長春市

 ーーなどがある。

 ●地下鉄工事の申請が提出されている都市としては

 @成都市、A杭州市、B瀋陽市、C西安市、Dハルピン市、
 E青島市、F蘇州市
ーーなどがある。

 
(参照):本欄「中国の都市型地下鉄建設進捗状況

 (参照):本欄「
重慶市・モノレール完成予想図」 
 (参照):本欄「
北京市内の地下鉄整備状況」 
 (参照):本欄「
都市内環状道路を利用した「モノレール」軌道を


 ≪地下方式の立体交差橋が開通≫

 ▲武漢市内に開通した地下方式の立体交差橋。発展著しい中国の主要都市における交通渋滞の解決策として注目されるのが、わが国でもお馴染みの地下式の立体交差橋である。この方式の欠点として挙げられるのが大量の出水による地下部の冠水である。ここでは、トンネル部にポンプ室が設置されているようだ。この地下道の高さ制限は4.8mの上下線4車線となっている。完全な竣工は建国記念日前の予定。

 
(参照):本欄「日本の交差点での立体方式


 【武漢周辺における輸送体制の整備】

 
長江流域における「武漢」の戦略的な位置は、東西に対しては西部内陸部に位置する「重慶」(上海から約2,400km)と、上海沿海部から400km圏に位置する「南京」との、丁度中間点(1,200km)に位置する長江中流域における交通の要衝である。また南北に対しても、北京と香港を結ぶ「京九鉄道」参照:本欄「広東省:インフラ整備計画の推進状況」)や同じく、北京と広東とを結ぶ「京珠高速道路」が通過するーーという、まさに中国の「東西南北」を連結する重要な交通の要衝に位置する参照:本欄「武漢市周辺の道路網」(地図))。そのうち、港湾施設としての「武漢港」は、年間取扱能力400万トン(年間のコンテナ取扱量は2002年、現在で約8.5万TEU)ほどがある。武漢地域は上流域の重慶とは異なり、長江の水位差はおよそ10mほどである。そのため、港湾施設は固定式のクレーンで対応することができる。

 
(参照):本欄「中国の高速道路整備状況」(地図)
 (参照):本欄「
中国全土の主要鉄道網」(地図)


 
武漢市内の幹線道路
 さらに、武漢周辺の動きとしては、今般の
日産自動車と東風汽車との自動車生産合弁事業(参照:本欄「日産自動車と東風汽車の合弁註1)に象徴されるように、外資企業の工場立地註2あるいは消費市場としての、中国内陸部へのより一層の展開が図られることである。今後、日産自動車の本格的な中国事業の稼働にともなって、活動拠点ともなる武漢、さらに重点的な生産拠点でもある「襄樊」や「十堰」などを結ぶ高速道路の整備が進むと同時に、高速道路沿線を中心に自動車部品等の産業集積化が加速することになる。それによって、自動車部品などの物流移動、ないしは自動車完成品の搬送手段として、「長江の水運」や「上海〜南京〜武漢」間等における高速道路の活用は、今後より一層の発展をもたらすことになる。

 
「東風汽車有限公司」、本社機能を武漢に移転 (2003年9月)
 
中国三大自動車グループの一つ「東風汽車」は12部門、6項目のプラットフォームを含む本社を、湖北省・武漢市の技術開発区に移転した。これまで、「東風汽車」の三大拠点はそれぞれトラック生産中心の「十堰」、軽自動車中心の「襄樊」、セダン中心の「武漢」と、生産車種により区別されていた。しかし、「武漢」が東風グループの包括的な生産管理体制へ移行するのにともない、「十堰」工場も商用車生産に特化、国際市場をにらんだ「東風汽車」第一の生産基地に変貌し、商用車分野で首位を目指す。同社は「十堰」工場を生産拠点に、2006年には生産能力を年産33万台にまで拡大する方針参照:本欄「日産自動車の中国拠点)。

 註2:「武漢」に進出している外資系の企業としては、同業種の仏「シトロエン」工場がある。また最近、「ホンダ」が「東風汽車」との合弁会社を同じく武漢市に設立する計画を立てている。写真は操業を開始した「東風本田汽車」の工場内

 
(参照):本欄「プジョー・シトロエンの中国拠点

 (参照):本欄「
ホンダ・グループの中国拠点生産車種




 
武漢市にはいくつかの開発区がある。そのうち、

 
武漢経済技術開発区 総開発面積22km2(うち開発済10km2)東風汽車やシトロエン、コカコーラの合弁会社や自動車関連企業の進出が中心。進出企業242件、うち外資系30社(右記の写真参照)。

 
東湖新技術開発区 総開発面積45.4km2(うち開発済14.7ku)ハイテク企業を中心に投資を奨励。NEC2社の合弁をはじめ、通信関連企業の進出が目立つ。進出企業500社、開発区内登録企業1,127社。
 【陽邏経済技術開発区】 コンテナ関連を中心とした開発区。交通部が基本的に合意済み。
 【呉家山台商投資区】 台湾工業団地的性格、統一グループの食品関係合弁会社あり。
 【 区・県レベル開発区】
襄樊高新開発区、橋口経済開発区、蔡旬区沌口小区、江夏区金口経済開発区、江夏区廟山開発区、轟口経済発展区

 武漢市CBD計画 武漢市におけるCBD(Central Business District)計画が2003年7月、正式にスタートした。この計画は3段階からなり、まず第一段階として、「計画の研究」(交通・生態・景観など)から始め、2003年末までに、「計画案」を完成させる。(詳細については不明)
 武漢市光バレー 武漢東湖新技術開発区(武漢・中国光谷(バレー))は国務院の認可した最初の国家クラスハイテク産業開発区の一つで、武漢の南東部に位置する。


 そこで、「武漢」周辺の高速道路網の整備状況を見てみると、「上海〜南京〜武漢」間はほぼ全線が開通している。一方、「武漢」から西進して「荊州」から「宜昌」間もほぼ全線が開通している。しかし、「武漢〜襄樊〜十堰」間は、まだ未開通区間となっている。ところで、「十堰」や「襄樊」からの製品輸送には、「襄樊」から南下して「荊州」(参照:本欄「湖北省・道路重点建設規格図」)あるいは「宜昌」へと出て、「長江」の水運や「宜昌〜荊州〜武漢」間の高速道路を利用するのも、一つの手段となろう(上記の地図参照)。いずれにしても、同地域における高速道路の早期全線開通に期待したい。

   (参照):本欄「武漢市周辺の道路網」(地図)
   (参照):本欄「
上海市周辺の高速道路網」(地図)
   (参照):本欄「
南京〜合肥」間の高速道路」(地図)
   (参照):本欄「
武漢〜長沙」間の高速道路網」(地図)


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