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【香港・広東省】
広東省は現在、「広州〜深セン〜香港」間を結ぶ高速鉄道建設計画を練っており、その実効性研究に移っている。これが完成すれば、「広州−香港」間は現在の所要時間の半分以上短縮され、40分で結ばれることになる。中国の高速鉄道ネットワークに、香港・広東省地区も加わることになり、地域間の交通ネットワークの飛躍的な改善が期待される。
◇ ◇
現在、広州・深セン・香港などの各関連部門はこの計画の技術的な問題や通関、経済効果などの研究を進めており、その結果がまとまり次第、中央政府の関連部門に報告、建設スケジュールを確定していく。広東省発展計画委員会の関係者は、中央政府の関連部門もこの地域における高速鉄道の必要性を認めているとしている。この高速鉄道の計画は依然不確定ではあるが、既存の「広九鉄道」(広州−香港・九龍間の鉄道)とは別のルートで建設される可能性が高い。一部報道では、基点は番禺駅で、南沙開発区を経て、珠江、東莞、深センを通り、香港にいたる経路が有力ともされている。
この高速鉄道は香港とマカオ、珠海を結ぶ「港珠澳大橋」(註1)などとともに、香港と広東が協力して行う三大インフラ建設とされる。高速鉄道では、「北京−上海」間の新幹線の導入が話題となっているが、この「広州〜香港」高速鉄道ではどのような展開を見せるのかは依然不明。ーー(2003年8月8日)
≪広東省・港珠澳大橋の現状と行方≫
BOT方式から政府出資方式へ転換
2009年内着工、2015年開通目指す

(出所:「香港特別行政区政府・環境運輸及び工務局」) |
(註1:「港珠澳大橋」の建設については、すでに中央政府の国家開発・改革委員会による研究報告が、国務院の批准を受けている。香港行政院が主導する協調委員会では、大橋に関する経済効果・ルート・環境保護・水流などに関する検討を進める。建設に当たっては、BOT方式を採用し、施工業者を国際競争入札によって決めるとするのが、現段階での構想とみられる。)
【港珠澳大橋】 同プロジェクトは香港空港のある大嶼山(ランタオ)島からマカオの手前まで延び、そこからマカオと珠海市に分岐する(右記の図参照)。総延長は約29km、一部区間はトンネルとなる。総投資額は約360億香港ドル(約5,500億円)。通行料収入で回収する。
◇中国交通建設:子会社が港珠澳大橋の基本設計を落札
大型インフラプロジェクトの設計や建設に従事する中国交通建設股フェン有限公司[香港上場、中国交通建設は2009年3月6日、香港と珠海、マカオを結ぶ港珠澳大橋の基本設計を全額出資子会社の中交公路規画設計院が落札したと発表した。香港・経済通が伝えた。ーー( 2009/03/09)
(参照サイト):「香港特別行政区政府・路政署(港珠澳大橋主要工程)」HP
□港珠澳大橋、建設工事が2009年12月15日にスタート
広東省、香港、澳門(マカオ)の3地域を結ぶ全長約50kmの海上橋「港珠澳大橋」の建設工事が2009年12月15日にスタートした。2015年の完成予定。総投資額は700億元に達し、行政区分と海峡をまたいで建設されるこの大型インフラプロジェクトにより、3地域の協力・交流の障害となっていた交通問題が解決される見込み。
▽設計寿命120年 16級の抗風性能
同大橋の前期工事調整チーム弁公室の責任者によると、同大橋は全長49.968km、主体部分となる「海中トンネル」は全長35.578kmで、規模は現時点で世界最長の海上橋である杭州湾海上大橋を追い抜く見込み。大陸部の大型橋梁の一般的な設計寿命は50-60年、杭州湾大橋の主体部分は100年で、同大橋はさらに長く120年に達する。沿海海域で台風がしばしば発生するため、今回の工事では台風対策が重視され、同大橋は毎秒51メートルの風速(風力16級に相当)に耐えるように設計された。またマグニチュード8レベルの耐震性がある。同大橋の3地域の架橋地点も確定し、香港は大嶼山(石散)石湾、澳門は明珠、広東省は珠海市拱北が架橋地点となる。主体部分の工事は高速道路の建設基準に基づいて進められ、片道3車線の計6車線、最高時速は100km/hに設計された。出入境管理所は3地域からほど近い人工島に計3ヵ所設置される予定。
▽大型船舶が通航可能 白イルカ保護に1億2千万元
同大橋は世界的に有名で水資源の豊富な海域・伶テイ洋水域にまたがって建設され、航路は幅4100mに達する。この海域の30万トン級の通航能力を維持するため、同大橋では世界最長の沈埋トンネルも建設される予定だ。同大橋の完成後、橋を走行する車両は人工島のゲートから海底トンネルに入り、別の人工島のゲートから海底トンネルを出て再び橋を走行することになる。海底トンネルの最も深い地点は水深約40mに達する。こうした設計を採用したことにより、珠江口は東西両岸が橋で結ばれつつ、30万トン級以上の大型船舶の通航や接岸が支障なく行えるようになる。同大橋の施工区間には中華白イルカの生息地域があり、同弁公室と設計チームは白いルカの「クオリティ・オブ・ライフ」(QOL)に十分な注意を払った。初期の設計作業に参加した劉暁東氏によると、設計チームは一連の白イルカ保護措置を制定した。実際には、船舶の頻繁な通航が長期的には白イルカになんらかの影響を与えるとみられ、同大橋建設では水上の物流輸送量を減らし影響を軽減することに努めたという。また白イルカ保護の研究・対策費用として1億2千万元が計上されている。ーー(「中国人民日報」、2009年12月16日)
□港珠澳大橋は年内着工、実地調査始まる
香港、珠海、マカオを結ぶ巨大海上橋の港珠澳大橋が、年内に着工する見通しとなった。温家宝首相が2009年3月13日、全国人民代表大会(全人代=国会)閉幕後の記者会見で明言した。2015年の開通を目指す。珠海市では同日、工事の準備段階に当たる実地調査および設計作業がスタートし、大橋建設プロジェクトが本格的に動き出した。
港珠澳大橋の主橋部分は、6.75kmの海底トンネルを含む全長29.6km。総工費は約380億人民元(約5,300億円)に上る見通しで、このうち香港、マカオ、中国本土の三地政府が計157億3,000万元を出資する。当初は民間デベロッパーの出資によるBOT方式(建設・運営・移譲)での建設を予定していたが、出資企業のめどが立たないため2008年8月、中央政府が加わって政府出資方式に切り替えたことで着工へ向けた動きが加速した。温首相は「資金問題は解決した。準備作業を急いで進めており、年内に必ず着工する」と述べた。温首相は5日の政府活動報告(施政方針演説)でも、三地の協力関係をさらに緊密化するインフラ整備の推進を急ぐとして、香港〜深セン空港間鉄道、広州〜深セン〜香港を結ぶ高速鉄道とともに港珠澳大橋を挙げていた。珠海市では同日、主橋建設に向けた実地調査と設計について三地政府と請負業者が契約を交わし、海上での作業が正式に始まった。同作業を受注したのは、本土、香港、デンマークの5社によるコンソーシアム。調査予算は3,000万元で、5月末をめどに設計案をまとめる。
■香港は半年遅れ
主橋部分以外の検問所施設などは、三地がそれぞれ建設する。このため、法的手続きに時間がかかる香港では、本土、マカオよりも着工時期が半年遅れることが予想される。香港政府は、チェクラプコク空港の東海上に建設する人工島に検問所を設置する計画で、着工までには公開諮問、環境アセスメント、立法会審議などの手続きが必要。当局は来年半ばには埋め立て工事に着手し、主橋部分が完成する15年には香港側の工事も間に合わせたいとしている。14日付香港各紙が伝えた。<香港>−−(NNA、2009年3月16日)
≪合和基建:豊富な資金力で港珠澳大橋建設に自信≫
「合和実業」(ホープウェル・ホールディングス)から分離独立した「合和公路基建有限公司」(ホープウェルハイウェイ)の2003年9月における「広深高速道路」の通行料収入は前年同月比で24%増、1日当たりの平均額は740万香港ドル、車両通行量は同32%増となった。同グループが締結したシンジケートローン28.8億香港ドルは主に運営資金に充てる予定。また、このシンジケートローンを「合和公路基建」が参画する「港珠澳大橋」の建設資金に充てる計画はなく、すでに十分な資金力を有していることに自信をみせた。
≪港珠澳大橋、大枠まとまる≫
港珠澳大橋について、広東省の黄華華省長は、@香港側の渡海地点がランタオ島と決まっている以上、道路と鉄道の併設に意味はない、と言明。同省からは鉄道敷設を求めない考えを示した。またAルートの策定でも、橋梁東詰めを深セン市側にも作る「双Y字型」案を検討対象から外す、とした。香港政府が難色を示してきた鉄道と、深セン市当局の一部が求めていた双Y字型案を、広東省側から論争に終止符を打ち、正式に否定したことで、同大橋の計画は「道路単体の香港〜マカオ・珠海ルート」の単Y字型に事実上決定した。省発展改革委員会によるとこれで、東詰めが香港国際空港の1地点に決定。西詰め地点で◇マカオ・北安で珠海市中心、マカオ中心に分岐◇珠海市拱北で同様に分岐◇分岐なしで珠海市横琴島〜マカオ〜珠海市中心まで――の3案が残り、今後、各政府協議の上で、最終案をまとめる。
■港珠澳大橋、2007年度中の着工は難しく
広東省発展改革委員会では、広東省第10回人民大会第5回会議の記者会見で、懸案となっている港珠澳大橋について、2007年度中の全面着工が難しいことを明らかにした。現在、香港から澳門へのルートは、陸上経由で約5時間〜6時間かかっており、港珠澳大橋が完成すれば、数十分で結ばれる。このため、香港と澳門の経済交流のためにも、早期建設が望まれていた。大橋の建設にあたって、25の重大課題が挙げられていたが、これまでに21が解決され、今後環境評価などの問題が研究される。また、20億元を投資して行われている深セン−香港西部道路に関しても、基礎工事はほぼ完成しており、現在設備の設置工事段階に入っている。ーー(「エクスプロア・広州」、2007年2月4日)
【ホープウェル】高速道路の一部完成、珠江西岸開発
ホープウェル傘下のホープウェル・インフラストラクチャーは広東省の珠江デルタ地区の西岸地区を走る高速道路(全長14.7km=下記の図参照)の第一期が完成したと発表した(2004年5月)。同社は第一期の道路運営会社に広東省政府とともに50%ずつを出資しているほか、深セン市から広州市を結ぶ東岸の高速道路にも出資している。
ストーンカッターズ橋、完成は2009年10月予定
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「ストーンカッターズ橋」 の完成予想図 |
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「ストーンカッターズ橋」 の施工位置図 |
■世界最大の斜張橋ーストーンカッターズ橋、日本勢が受注
香港特別行政区政府が以前より計画・推進していた世界最大となる斜張橋建設の入札結果、日本の企業連合と香港の建設会社との共同企業体(JV)が受注した。建設区間は青衣島と九竜地区とを橋梁で結ぶもの。香港国際空港と九竜などを結ぶ高速道路と連結する。全長は約1.6km、主塔間の長さは1,018mとこれまでの最大である多々羅大橋(890m)より長い。完成は2008年6月の予定。
(参照サイト):「香港のストーンカッターズ橋を建設」(椛O田建設・HP)
(参照サイト):「香港の道路運行状況」(写真、「香港特別行政区」HP)
(参照サイト):「香港特別行政区政府」HP(English)
(参照):本欄「発展が期待される珠海デルタ地域」
(参照):本欄「広東省広州市周辺の高速道路網」
【広東省:インフラ整備計画の推進状況】
●珠江デルタで高速鉄道交通網、外資導入も視野に
香港の「経済通」(2003年8月19日付)によると、広東省鉄路集団公司は、@「広州〜珠海」間、A「広州〜深セン」間ーーにおける高速鉄道敷設を、2010年を目処に完成する方針であることを明らかにした。広東省鉄路集団公司からの情報によれば、「広州〜珠海」間の鉄道交通における資金投入額は231億元(約3,500億円)に達する見込み。このプロジェクトには「広州〜珠海」間の主幹線路線と「中山〜江門」間の路線も含まれている。そのうえで同公司は、「外資導入も幅広く視野に入れ」、外資の参入を歓迎する意向を明らかにしている。中国本土と香港の間の「経済・貿易緊密化協定」(CEPA)の締結に伴い、香港と隣接する珠江デルタ地域では、香港との間の高速鉄道計画と珠江デルタ地域自身を網羅する鉄道計画を同時に進めていく方針と見られる。ーー(2003年8月19日)
●「広州〜珠海高速鉄道」ーー
「リニア」方式やめ、「レール」方式採用 《最新》
広東省鉄路集団公司は2月29日、2004年中に着工予定の「広州〜珠海」高速鉄道について、「リニア」方式をやめ、「レール」方式を採用することを明らかにした。レール方式を採用することで、150億元を節約できる見通。特に、その理由として、ーー@地形が複雑で河川が縦横に走る珠江デルタでの工事は、「リニア」方式では難易度が高すぎるA「リニア」方式では、1kmあたり3億2,000万元かかるのに対して、「「レール」方式は1kmあたり1億5,000万元ほどで済むーーなどが挙げられている。最終的には入札方式によって決定するとしている。ーー(2004年3月1日)
●「香港〜広東」高速鉄道の接続ルート案を発表
広東省発展改革委員会は、2004年10月着工、2007年に開通予定の「広東〜武漢」高速鉄道の広東省側始発駅「広州番禺石壁駅」と、計画中の「香港〜広東」高速鉄道を接続するルート案を発表した。全線開通すれば、「香港〜広州」間が、現在の九広鉄道(KCR)経由より40分短縮し約1時間に、「香港〜武漢」間も約5時間で結ばれる(右記の地図参照)。「広州〜武漢」路線は全長971kmを、最高時速250〜300km/hの高速車両で約4時間で結ぶ計画。石壁駅からは、珠海市との200kmを40分で結ぶ高速鉄道(2004年11月着工、2007年開通予定)も計画・決定しており、広東省内外を鉄道で結ぶ中心ターミナルとなる。しかし「香港〜広州」(広州東)間はすでにKCRが直通列車を運行しており、新線の着工時期も未定。既設のKCR西線を利用する案もあるが、市街地を通る西線で時速250km/h台の高速鉄道を運行するのは難しいという。「広州東駅〜石壁駅」間は地下鉄3号線が2006年中に開通する予定。
■カナダ・ボンバルディアの高速列車「CRH1」が運行を開始
「広州〜深セン」間で2007年2月1日、カナダのボンバルディア社の技術供与により製造された高速列車「CRH1」が運行を開始した。当初は最高時速160km/hで、4月18日のダイヤ改正後は200km/hで運行、広州−深センを55分で結ぶ。「CRH1」はボンバルディア社と四方機車車輌公司が合弁で山東省青島市に設立したBSP社が製造した。8両編成で5台にモーターを配する動力分散方式を採用している。
(参照):本欄「「北京−上海」高速鉄道国際入札候補車輛」
●独・シーメンスなど「R&D」センター広州に設立、京滬高速鉄道に照準か
BWG、シーメンスなどドイツ系企業3社は、「ドイツ高速鉄道提唱組織」を広州に設立することを発表した。ドイツ系企業グループと広東省鉄路集団公司が共同で広州に研究開発(R&D)センターを設置し、センターを通じて中国の国有鉄道、地方鉄道への運営サポート、技術移転を進める。近く設立されるこの研究開発センターは約定に基づき、新設される全長127kmの「広州〜珠海」高速鉄道の開発サポートを担当する。
関係者は、「広州〜珠海」高速鉄道に続き、広東地方では改正後の鉄道網計画により、仏山、深センなど省内の主要都市を結ぶ都市間鉄道ネットワーク建設を目指す」と話している。鉄道網の総延長は最終的に600kmに達する見込み。「ドイツ高速鉄道提唱組織」は全過程で研究開発センターを強く支持、支援する。プロジェクト発表の際、「北京〜上海」を結ぶ「京滬高速鉄道」についてドイツ側は一切触れていない。業界関係者の多くは「ドイツ側の最終目標は、上海リニアモーターカー事業での不祥事によるダメージを払拭し、「京滬高速鉄道」受注にこぎつけること」とみている。ーー(中国「人民網」、2003年12月5日)
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