|
今後の中国内陸部への物流輸送(内陸部から沿海部への逆の場合もある)を考える場合、まず第一に、最大で2,400km(上海〜重慶)という距離の問題がある。これを解決する方法として、高速道路(註1)・鉄道(註2)・長江水運とが交差する主要都市にトラック専用の「拠点ターミナル」を設置し(註3)、さらにそれらと道路・鉄道が交差する「サブ・ターミナル」とを連結することで商品の保管・発送などの流通面を効率よく、しかも木目細やかに展開することができると考えられる。
(註1:これまでの中国内陸部の重慶市を中心とする四川省と他省間とを連結するボトルネックは何といっても、「重慶〜宜昌」間の高速道路と鉄道の未開通にあったといえる。そのうち、高速道路の最近の整備状況については、本欄「重慶市周辺の高速道路整備状況」を参照。)
(註2:また鉄道については、中国政府は西部大開発の一環として、2003年から新たに「14項目」にわたる追加の事業を発表した。その中には、「重慶〜宜昌」間の鉄道建設が含まれている=参照:本欄「重慶市周辺の鉄道連結状況」)
(註3:家電大手の「ハイアール」集団は物流センター(「ハイアール国際物流中心」)をスタートさせ、それを中核に国内42ヵ所に設置した配送センターのうち、主要都市については48時間以内に配送する体制を構築している。)
(参照:「日本通運、中国内の物流網を強化」
(参照:「【重慶港】九龍坡埠頭と重慶南駅・コンテナターミナル」
(参照:「広州ホンダ、24万台体制へ輸送力強化」
その場合の、主要な拠点ターミナルなどは、以下の都市が考えられる。
@上海(国際・国内貿易港) A南京(拠点ターミナル)
:海上・道路・鉄道・長江水運 :道路・鉄道・長江水運
B武漢(拠点ターミナル) C宜昌(拠点ターミナル)
:道路・鉄道・長江水運 :道路・鉄道・長江水運
D重慶(拠点ターミナル) E南昌(ターミナル)
:道路・鉄道・長江水運 :道路・鉄道
(成都・ターミナル)
F懐化(ターミナル) G長沙(ターミナル)
:道路・鉄道 :道路・鉄道
H鄭州(ターミナル) I西安(ターミナル)
:道路・鉄道 :道路・鉄道
【参照】:「広東省の高速道路網地図」
:「ウルムチ市周辺の道路網」
:「雲南省の高速道路整備状況」
【備考】
(註1:この各種輸送機関(高速道路・鉄道・長江水運)をもちいた「物流拠点」体制にも欠点がないわけではない。それは何といっても、長江流域をかかえることからもたらされる夏季(6月〜9月)にかけての洪水問題である。その最たるものが洞庭湖下流域と長江本流とが合流する「武漢」から「岳陽」「長沙」に至るルート沿い(地図参照)と、「武漢」から「九江」さらに「南昌」に向かうルート(地図参照)にかけての地域である。特に、増水期においては、この周辺の交通機関(高速道路・鉄道・水運)はほぼ麻痺状態となる。(参照:本欄「武漢市周辺、長江水位の変化」)。このことは、「黄河」流域に位置する「鄭州」から「西安」にかけても同様なことがいえる。したがって、この自然災害を克服した安定的な定期輸送を確立するためには、常に災害時における「代替経路」や「代替機関」を念頭においた対処(迂回路など)が必要となってくる。)
(参照):「雄大な長江の川面」、鎮江市/南京市付近
(参照):「三峡ダムの工事進捗状況」(三峡ダムの基本概要) |